伊藤忠商事は、財閥系の三菱商事、三井物産の背中を追い続けてきた。2021年3月期には、株価、時価総額、純利益の三つで財閥系を上回りトップとなる「3冠」を初めて実現したが、その後、抜き返されている。再逆転に向けた秘策は何で、実現に向けた課題はどこにあるのか。特集『伊藤忠 三菱・三井超えの試練』では、岡藤正広会長をはじめとする重役4人を含む伊藤忠幹部らへの徹底取材で、同社が越えなければならない「試練」を明らかにする。
#1 8月2日(金)配信
伊藤忠の総合商社トップ奪還の鍵を握る「1兆円投資の使い道」と「もう一段の改革」とは?
伊藤忠商事の岡藤正広会長が社長に就任した2010年度以降、同社は有言実行の経営を実現してきた。期初の業績予測の達成・未達成の実績は13勝1敗を誇る。純利益で三井物産、三菱商事を上回り、総合商社でトップに立ったこともあった。ただ、恒常的にトップの座を占めるには、もう一段の改革が必要だ。利益水準を8000億円から1兆円に引き上げようとしている伊藤忠の死角に迫った。
#2 8月3日(土)配信
ビッグモーター不正は2度起きる!?伊藤忠がマイナスからの出発覚悟で「中古車ビジネス3.0」に乗り出すワケ
伊藤忠商事が買収した、旧ビッグモーター(現WECARS)の不正の根の深さが次々と明らかになっている。保険金の不正請求では約6万件超の水増しの疑いが発覚。事故車を修理歴がないと偽って販売していた問題も表面化した。こうした不祥事の再発リスクを抱えてでも、中古車ビジネスに挑戦する伊藤忠の狙いは何か。EV(電気自動車)時代を見据え、中古車ビジネスとエネルギー事業を掛け合わせる伊藤忠、WECARSの秘策に迫った。
#3 8月6日(火)配信
伊藤忠「蓄電池ビジネス」の勝算に迫る!大阪ガス、JERA、関電、東京都、Googleがこぞって伊藤忠と組む理由
変動が激しい再生可能エネルギーの有効活用策として蓄電池が脚光を浴びている。補助金もあり、幅広い業界の企業が各地で大型蓄電所の開発に乗り出した。伊藤忠商事も蓄電所や太陽光発電、洋上風力発電を計画。パートナーはJERA、大阪ガス、関西電力、東京都、米グーグルと多岐にわたる。パートナーは、伊藤忠の何に期待しているのか。実は伊藤忠は1990年代から、虎視眈々と蓄電池ビジネスの経験を積んできた。電力・環境ソリューション部門長に課題を聞いた。
#4 8月7日(水)配信
伊藤忠の名物CFOが語る、今後の「事業ポートフォリオ改革」と「M&A決断の肝」
伊藤忠商事は、経営計画で1兆円を上限とする成長投資を行うとぶち上げた。既存のビジネスの知見を生かすのか、それとも新たな「飛び地」に商機を見いだすのか。財務トップの鉢村剛CFOに投資の肝を聞いた。
#5 8月9日(金)配信
伊藤忠のDX事業は競合のアクセンチュア、富士通にどう対抗!?CTC非公開化で狙う「デジタルバリューチェーン」の課題
戦略コンサルティングからシステム開発まで――。伊藤忠商事は、川上から川下までを一気通貫で手掛ける「デジタルバリューチェーン構想」に注力する。DX(デジタルトランスフォーメーション)で稼ぐ力を高められるとの期待もあるが、ライバルのアクセンチュアに対してどう優位性を発揮するかや、認知度をどう高めるかといった課題がある。伊藤忠のデジタル戦略の課題に迫る。
#6 8月13日(火)配信
伊藤忠の食品ビジネスが新戦略「利は川下にあり」の試金石に!ファミマとの連携で着々と打つ“超濃厚”商品とは
伊藤忠商事が次なる成長のために掲げるコンセプト「利は川下にあり」を具現化するポテンシャルを持っているのが食料カンパニーだ。コーヒーやカカオといった原料供給にとどまらず、商品の企画やブランド展開まで行い、利益を総取りする体制を目指している。子会社のファミリーマートが持つ国内1万6000店の顧客接点を生かすことも高収益化の原動力になり得る。宮本秀一食料カンパニープレジデントに直撃し、戦略と勝算を明かしてもらった。
#7 8月14日(水)配信
新卒人気No.1・伊藤忠のキーパーソンが「人事の秘密」を披露!今後はフェムテックなどで女性の活躍に注力
「朝型勤務」をはじめ、斬新な働き方改革を行う伊藤忠商事。新卒人気ナンバーワン企業として商社業界のみならず、海外からも視察が絶えない。好調を支える社員のマネジメントや人的投資の方向性について小林文彦CAOが本音を明らかにする。
#8 8月15日(木)配信
伊藤忠社長「三菱、三井超え」に自信あり!利上げ局面こそ「か・け・ふ」を徹底し、地道に商機を捉えていく
近年、純利益8000億円台を維持してきた伊藤忠商事の石井敬太社長は、2025年3月期に一気に9000億円に迫る目標を立てた。注目する社内カンパニーや事業を明かし、具体的な成長への道筋を語ってもらう。
#9 8月16日(金)配信
伊藤忠・岡藤会長が語る「自身の引き際」と期待する「社員像」、さらにデジタル時代を生きる「令和の商社論」も激白
伊藤忠商事の岡藤正広会長は、その経営手腕や発信力において独自の存在感を放つ。伊藤忠が成長し続けるため、トップとして何を重視しているのか。また、総合商社が将来にわたり必要とされるためにどんな改革が必要なのか。稀代の経営者に「次代の商社論」と、経営改革をけん引する「リーダー像」を語ってもらう。
#10 10月29日(火)配信
伊藤忠の次期社長を大予測!岡藤会長が選ぶ経営トップは誰?出世レースは「大本命」を87年、88年入社組が追う展開
伊藤忠商事の岡藤正広会長が、社長に就いてから来年で15年となる。2018年の会長就任後も権勢を振るい、トップダウン型の経営はまだまだ続くようだ。石井敬太社長との関係は良好で、現体制は盤石だ。しかし水面下で次期社長候補の名がささやかれ始めている。
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