麹町学園女子と東京家政学院の人気

 ここからはエリアごとに中位校を見ていこう。いずれの学校も多彩な入試を数多く設定しているので、全てに触れられないかもしれない。まずはJR山手線の内側にある学校から。老舗の女子中位校は千代田区に今も4校残る。

 東洋大コースで一世を風靡(ふうび)した麹町学園女子は、新たに英語4技能と国算の「英語型」と取得した英検などの級数で見なし得点がある「英語資格型」の入試を設けている。また、難度は一般入試と変わらないが、より特待生を目指しやすい「特待」入試もある。狙い目は、志望者数が減少傾向で2024年実倍率1.17倍の[1日特待英語]だろう。

 24年の受験者数が多い入試回から見ていくと、113人の[1日特待]は志望者数2.7倍増と人気で、24年実倍率1.47倍が25年には2倍台後半に向かうかもしれない。同72人の[1日1回一般]は、同1.18倍で25年も同様に推移しそうだ。同55人の[3日一般]と同32人の[6日一般]の24年実倍率は、いずれも1.45倍だったが、志望者数は6割半と4割半それぞれ増えており、25年は共に2倍乗せもあり得そうだ。他に、24年実倍率1.72倍の[2日一般]と同1.75倍の[2日特待]も、少ないながら志望者は大幅に増えており、25年は2~3倍台に乗るかもしれない。

 大妻に接する三番町にあるのが東京家政学院。系列の女子大は町田キャンパスから順次男子学生を受け入れるが、中高は女子校のままである。一時期落ち込んだものの、現在は回復途上にある。志望者数がいずれも少ないため、25年の予想は困難である。ただ、いずれも1倍台前半の受けやすくて受かりやすい状況が続くことは確かだ。

 多種多様な入試を設けているが、主力は24年に105人が受験して、実倍率1.06倍だった[1日午前]である。「得意2科・4科」「英語資格入試A」「プレゼン入試A」「適性検査型A」と、この入試回だけで四つの区分がある。

 一方、比較的志望者が集まっているのは、共に同1.14倍の[1日午後]と[2日午前]だろう。[3日午前]も[5日午前]も、少ないながら志望者は増えているのだが、24年の受験者数が1ケタなので、25年もあまり状況は変わらないだろう。他に、[6日午後]と[7日]の入試回もある。