緩和傾向の「ドルトン」と「聖徳」
2024年に535人が受験して146人が合格したドルトン東京学園(調布市)は、入試回による倍率の差が大きい。全体的に年々緩和傾向にあるので、25年は受けやすくなるだろう。24年の実績で見ていくと、[1日4科型]は112人が受験して実倍率2.8倍(23年3.71倍、22年4.37倍)で志望者数は1割減となっている。25年には英検3級以上取得者を出願要件にしている「2科(英語資格)型」もある。
[1日午後特待型]は76人が受験、実倍率6.91倍(23年5.06倍、22年13倍)と狭き門だが、志望者数は微減ということで、25年もさほど緩和しそうもない。[2日4科型](24年は2科・4科)は最多の114人が受けて4.38倍(23年5.32倍)だったが、志望者数は微増傾向にある。[2日思考表現型]は60人で1.76倍と最も受けやすくて受かりやすい上に、志望者数が半減近いこともあり、25年の狙い目入試回となりそうだ。他に、2日午前では英作文と英語面接の「英語型」もある。
[2日午後理数特待型]と[4日2科型](24年は4日午後)は、60人受験で3.53倍と113人受験で6.28倍という人気なのだが、志望者数は前者が3割半減、後者が微減ということで、25年はさらに両者の倍率の開きは拡大しそうである。
聖徳学園(武蔵野市)は、受験生の半分が[1日適性検査型]に集まっている。最寄り駅が、都立一貫校の武蔵と三鷹と同じ「武蔵境」ということもあり、模試代わりの需要が多い。三鷹に合わせた2科型、武蔵に合わせた3科型、そして共通2科型と3タイプを用意した上、試験終了後には解答例と解説を配布している。24年は444人が受験して、実倍率は1.03倍。不合格は10人のみであり、これほど受かりやすい入試回は他にない。
国算2科+面接を課す[1日プライマリー]は第一志望者向けの入試回で、83人が受けて実倍率2.44倍(23年1.32倍)となっているが、志望者数は大きく減少傾向なので、25年は2倍程度まで緩和するかもしれない。国算英から2科を選ぶ[2日AM]は24年に56人が受験して2.43倍、国算2科の[2日午後PM]は76人で2.62倍だが、志望者数は3割弱減と2.5倍増と明暗を分けており、25年は倍率の差が大きく開きそうだ。25年は[11日AM]もあるが、こちらは人気が高い。
[2日午後特別奨学生](24年は1日午後)と[3日特別奨学生]は、受験者数が20人と44人で、実倍率は1.67倍(23年1.15倍)と1.52倍(23年2.07倍)と、同じような競争状況にある。25年の状況は不透明で、予想は控えたい。19人が受けて3.17倍だった[2日プログラミング]も同様である。