人気上昇中の「明星」と受けやすい中位校

 JR中央線「国分寺」と京王本線「府中」駅の中間にある明星(府中市)は、中高一貫部を中心として進学校化に大きくかじを切ろうとしている。年々倍率は上がっており、志望者数を見る限り、25年も人気を集めそうだ。入試も特別選抜クラス(55人募集)と総合クラス(70人募集)に分けて行い、成績上位者は給付制特待生奨学金の候補となる。

 いずれも2科の総合クラスは、[3日3回]と[4日4回]を25年には設定しない、[1日1回]は24年に61人が受験、実倍率1.53倍(23年1.28倍)、[2日2回]は42人受験で2.21倍(23年1.65倍)だったが、志望者数はいずれも4倍増と人気で、25年は2倍、3倍にそれぞれ迫る可能性がありそうだ。[2日2回英語]が新たに設けられるが、英語と国語か算数の2科入試となる。

 特別選抜クラスは、1回のみ4科と適性検査型があり、残りは国数2科となる。[1日1回]は9人受験で1.80倍(23年1.33倍)、[1日1回適性検査型]は15人受験で1.25倍と元気がない。その点、71人と最多の受験生を集めた[1日午後2回]は2.96倍(23年1.56倍)と好調で、志望者数も2倍増しており、25年は22年3.6倍に迫る勢いを見せている。

[3日3回]は総合クラスの3回を衣替えしたもので、受験生9人で3倍と寂しかった[3日午後4回](24年は3回)ともども志望者数は全入試回でも最多となっており、25年は期待できそうだ。[4日午後5回](24年は4回)は39人受験で3.9倍(23年1倍、22年2.33倍)と最も高倍率だったが、志望者数が4倍半増で、25年はさらに高倍率になるかもしれない。

 JR中央線「国立」駅が最寄りの国立音楽大学附属(国立市)は、演奏・創作と総合表現の二つのコースで約45人を募集する。24年の合格者数は合計31人なので、定員は充足していないようだ。最多の24人が受験して22人が合格した[1日1回演奏・創作]以外は、受験者数が10人に満たず、いずれの入試回も受けやすい。

 JR青梅線・五日市線・八高線と西武拝島線「拝島」駅が最寄りとなるが、「拝島」駅、JRと京王の「八王子」駅からもスクールバスを出している啓明学園(昭島市)は、北泉寮もある帰国生教育のパイオニアで、校内は国際的な雰囲気にも満ちている。24年の合格者数は合計34人で、募集人員60人に達していないが、15人が受験して実倍率1.36倍(23年1.08倍)の[1日1回]と、11人受験で2.2倍の[1日午後得意科目算数特待型]が主な入試回となる。

 七つの入試回を設けて、医学・難関大コース20人を含む70人を募集する東海大学菅生(あきる野市)の最寄り駅はJR青梅線「小作」。入試は国数2科かいずれか1科と受けやすい。24年は131人が受験して119人が合格しており、受かりやすい。この傾向は25年も同様だろう。[1日1回A]と[1日午後1回B]にそれぞれ52人と46人の受験生が集まったが、実倍率は1.02倍と1.1倍となっている。