
森信茂樹
第77回
消費税率10%への引き上げに向けて「軽減税率」が議論されているが、低所得者対策の議論は不十分。「給付付き税額控除」について何ら議論していないからだ。そこで軽減税率、給付付き税額控除の効果を比べてみた。

第76回
消費税率引き上げの景気への影響が懸念されている。だが、重要なことは、その先にある経済・社会の姿を、社会保障・税一体改革の原点にさかのぼって考えてみることだ。その思いから、家計ごとの受益と負担の関係を試算してみた。

第75回
サッポロビールの「極ZERO(ゴクゼロ)」が酒類の分類を変えて再発売されることになった。背景にはビール税制の複雑さがある。こうした事態を避け、安くておいしいビールを飲むためにビール税制を簡素化すべきだ。

第74回
規制改革会議や政府税調で「公益法人課税等の見直し」が取り上げられ、重い腰がやっと上がった。税については平成20年の公益法人制度改革で放置された問題だけに、公平性を高める法人税改革の一環としてぜひ実現をすべきだ。

第3回
配偶者控除は就労調整や税の公平性の観点から問題がある。かわりに「夫婦それぞれが基礎控除を持ち、妻が使いきれない場合には夫が使える」という移転的基礎控除という考え方を、「家族控除」として導入すべきだ。

第73回
軽減税率の適用範囲と減収額の8つのケースが与党税制協議会から公表された。年末に向けて具体的な議論が始まる。しかし、実際には軽減税率は低所得者対策ではなく、食料支出額の多い高所得者を優遇する制度である。

第72回
法人税改革の議論が、経済財政諮問会議、自民、政府税調それぞれの場で白熱している。6月末に予定されている「骨太の方針」にどう記述されるかが関心事だ。年末の決着に向けて、今後どのように議論を展開すべきか考えてみた。

第71回
新聞報道によると、財務省は7日、軽減税率を飲食料品に導入した場合の減収額を8つのケースについて公表した。今後自民党・公明党の税制協議会で具体案を議論するという。軽減税率について筆者はこれまでたびたびこの欄でも取り上げてきた。

第70回
消費税率が引き上げられたが、「益税」の問題がマスコミなどで取り上げられる機会がめっきり少なくなった。しかし「益税」を生む制度は残っており、その金額も増加する。このままでは消費税制度に対する信頼が低下する。

第69回
改めてわが国消費税制度の課題を整理してみたい。欧州諸国ではインボイス制度があることにより、価格改定が比較的スムーズに行われ、駆け込み購入やその反動という問題があるにせよ、経済を揺るがすような規模ではない。

第68回
女子の勤労を促進するというなら、配偶者控除の改組は避けられない。女子の就労を妨げている「103万円の壁」をとっぱらうには、移転的基礎控除を「家族控除(仮称)」として導入することである。

第67回
米国経済は、80年代から90年代にかけて、既存の重厚長大産業からIT産業への新陳代謝を遂げた。その要因として、レーガン2期の法人税率引き下げとクリントン時代のパススルー事業体LLCの活用があった。

第66回
安倍総理はダボス会議で法人税改革の実行を公約したが、実現に向けての道筋は簡単ではない。なぜなら、経済界・自民党税調・財務省というトライアングルがこれを阻んでいるからだ。これを突き破る論理と実行力が試される。

第65回
米系多国籍企業の租税回避がG8やG20で取り上げられ、大きな問題となっている。実はこの問題は、米国の知財戦略と深く結び付いており、対応は簡単ではない。しかし放置しておけば、日本企業は競争上大きな不利をこうむる。

第64回
平成26年度税制改革が決定したが、理念や方向感のない税制のオンパレードだ。法人税実効税率の引き下げは、「引き続き検討を進める」と先送り、一方で、大企業の交際費の損金算入など世の中の方向感覚とは逆行している。

第63回
自民党と公明党の税制協議会で、軽減税率の議論が真っ盛りだ。公明党は、インボイスなき軽減税率の導入を主張している。しかし、インボイスなき軽減税率は、「益税」を拡大し批判を招き、日本の消費税の信頼を損なう恐れがある。

第62回
税制優遇付きの私的年金制度(日本版IRA)の検討が始まった。わが国金融資産1600兆円の活性化を通じ日本経済の成長を促す狙いだ。検討の「きも」は税制である。どのような税制が望ましいかを検討してみよう。

第61回
消費税率引上げ決定後、残された最大課題は軽減税率の是非だ。党大綱では12月の来年度税制改正の中で決めるとされいる。軽減税率にはインボイスが必須となるが、インボイスが出せない免税事業者は取引から排除されかねない。

第60回
消費税率引き上げ決定後、残された最大課題は軽減税率の是非だ。党大綱では12月の来年度税制改正の中で決めるとされいる。軽減税率にはインボイスが必須となるが、インボイスが出せない免税事業者は取引から排除されかねない。

第59回
法人税減税はなぜもめるのか。財政目標を軽視する安倍政権と旧来型の税制志向の自民党税調、財源偏重の財務省という3者の利害の相違が原因である。解決策は「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」ことしかない。
