2020.1.15
イラン、北朝鮮、台湾をめぐる「軍事衝突」はあるか
米国とイラン、北朝鮮、さらには台湾をめぐって中国との軍事的緊張が高まる可能性がある。偶発的な衝突はあり得る。鍵を握るのは米大統領選が本格化する夏以降、トランプ大統領がどう動くかだ。
日本総合研究所国際戦略研究所特別顧問/元外務審議官
1969年外務省入省。オックスフォード大学修士課程修了。北米局審議官、在サンフランシスコ日本国総領事、経済局長、アジア大洋州局長を経て、2002年より政務担当外務審議官を務め、2005年8月退官。小泉政権では2002年に首相訪朝を実現させる。05年9月より日本国際交流センターシニア・フェロー、2010年10月に(株)日本総合研究所 国際戦略研究所理事長に就任。22年12月から現職。著書に『見えない戦争』(中公新書ラクレ、2019年11月刊行)、『日本外交の挑戦』(角川新書)、『プロフェショナルの交渉力』(講談社)など。2021年3月よりTwitter開始(@TanakaDiplomat)、毎日リアルタイムで発信中。
2020.1.15
米国とイラン、北朝鮮、さらには台湾をめぐって中国との軍事的緊張が高まる可能性がある。偶発的な衝突はあり得る。鍵を握るのは米大統領選が本格化する夏以降、トランプ大統領がどう動くかだ。
2019.12.18
2020年の国際情勢は米中対立や北朝鮮の瀬戸際外交などの「6つの地政学リスク」が依然として深刻だが、中でも大統領選での再選を目指すトランプ大統領が予見不可能な対外政策に打って出るリスクがある。
2019.11.20
「一強長期政権」の下で政治家はただ政権を維持するのが目的になり、官僚組織は忖度が蔓延している。プロフェッショナルとしての使命感を持ち国民の負託に応える「公僕の矜持」を取り戻す時だ。
2019.10.16
香港問題は経済成長と自由の抑圧という中国共産党体制の矛盾を象徴する。中国政府が強制介入で抑えるのは難しく、民主化の中国本土への“飛び火”を防ぐのが精いっぱいだ。対応を間違えば体制の危機につながる。
2019.9.18
日韓関係修復には両国の政治指導者の役割が大きい。日韓連携の重要性を国民に語り、元徴用工への賠償支払いは韓国政府の責任で行い、日本も輸出管理問題で定期協議の場作りに動きだすことだ。
2019.7.17
日韓関係が泥沼化したのは、両国の政権基盤の違いや世論を巻き込んだ外交の硬直、対北朝鮮へのアプローチの違いなどの要因がある。両国の外交当局の存在感が薄く、打開には首脳間の直接対話が必要だ。
2019.6.26
緊迫度を増すイラン情勢だが、イランが挑発行動をとれば米国が軍事的行動をとる可能性は高い。双方ともが国内に保守強硬派がいるうえ、米国はイランの体制自体が脅威と考えているからだ。
2019.5.15
米中貿易戦争は米中が再び「制裁」「報復」の関税をかけあい不透明感を増すが、いずれは何らかの合意が図られるだろう。しかし米中は「戦略的競争関係」にあり構造的な対峙は続くと考えたほうがいい。
2019.4.17
「令和」の世界は、超大国だが指導力が急速に低下する米国と「社会主義現代化強国」になり影響力を強める中国が対峙する構図になる。日本は「日米同盟一辺倒」ではないプロフェッショナルな外交が必要だ。
2019.3.6
米朝首脳会談で不調に終わった「非核化」は、北朝鮮が完全な非核化に向け核廃棄を段階的に進めるのに合わせて経済制裁を段階的に解除する方向を模索するしかない。非核化のロードマップ作りなどで日本は積極的に動くべきだ。
2019.2.20
北朝鮮の核開発や米中貿易戦争、英国のEU離脱問題などが、2月末から3月にかけて新たな展開を生む節目を迎える。世界は一層の混乱に陥るのか。鍵を握るのは「経済」を重視した合理的思考だ。
2019.1.23
日韓関係悪化を打開するには、両国が経済や安全保障で相互依存している現実や東アジアの安定で協力する重要性を再確認し、政治のリーダーシップで「未来志向」を掲げた日韓共同宣言の原点に戻ることだ。
2018.12.19
2019年は、米トランプ大統領が再選をにらんで「自国利益優先」の強硬策を打ち出し多国間の協調体制が後退するほか、米中対立激化や欧州政治の流動化などの「6つの地政学リスク」が国際緊張を高める。
2018.11.21
米中貿易戦争は11月末の米中首脳会談を経て収束に向かう可能性が高いが、「民主主義下の市場資本主義」と「共産主義下の国家資本主義」の対峙は長期化し米ソ冷戦とは異なる形で米中緊張関係は続く。
2018.10.17
2回目の米朝首脳会談は年末近くに開催されそうだ。米国は北朝鮮の「段階的非核化」に応じざるを得ない可能性が高いが、日本は平和体制の構築に当事者意識を持ち、能動的に動くべきだ。
2018.9.19
安倍首相のプーチン大統領との首脳会談の多さが際立っているが、平和条約締結優先を表明した「プーチン提案」のようにロシアのペースに引き込まれているように見える。日中関係強化など、外交の優先度を見直すべきだ。
2018.8.22
相手に力を見せつけて米国に有利な取引に持ち込むトランプ流アプローチが世界にリスクを生んでいる。日本の対米外交は戦略を見直さざるを得ないが、向き合い方はある。自民党総裁選でも議論が行われるべきだ。
2018.7.18
米中貿易戦争の「出口」はあるのか。トランプ大統領の「取引外交」が狙うのは、秋の中間選挙までに北朝鮮に非核化の道筋を明確にさせるため、中国の協力を得ることで矛先を収めようという思惑にも見える。
2018.6.20
米朝首脳会談での「非核化」合意はどう実現するかで不安が残ったが、一方的な批判や主張では解決は難しい。拉致問題解決や日朝間の関係正常化も北朝鮮と「共同で行動」することを基本戦略にすべきだ。
2018.5.16
米国はイラン核合意からの離脱を表明したが、6月開催が決まった米朝首脳会談でも非核化を巡り北朝鮮と相違が残る。うまくいけば世界秩序を変えるが失敗すれば中国やロシアを巻き込む「第二の冷戦」になりかねない「ハイリスク・ハイリターン」の外…
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