ダイヤモンド編集部は五輪延期の影響などを3社に尋ねた。キヤノンは「延期は残念だが、今回与えられた時間を有効に活用したい。当社も当然ながらミラーレスの最上位機種の開発を急いでいるが、明確な発売時期の回答は控えたい」と回答。五輪延期によるフラッグシップモデルの販売戦略や下位機種への影響は、「大きな影響があるとは考えていない」という認識を示した。ニコン、ソニーからは明確な回答が得られなかった。
カメラ付きスマートフォンの進化に押され、デジカメの総出荷台数は近年、減少の一途をたどる。毎年20~30%ずつ縮小し、19年は1521万台(一般社団法人カメラ映像機器工業会調べ)だった。これはデジカメ勃興期の01年に近い数字だ。
近年の市場縮小の内訳は、カメラメーカーが普及機と位置付けるエントリーモデルで縮小が激しい一方、イメージセンサーのサイズが大きいフルサイズカメラなどハイアマチュア向けカメラではほぼ下げ止まっている。
従って、カメラメーカーは何とか利益を確保しようと、ハイアマチュア向けカメラでの攻防が生命線となっている。そしてこの層は、プロの写真家の動向に関心が高い。
コロナショックによる消費の落ち込みで、既定路線のデジカメ市場縮小は20年、例年以上のペースで進む可能性が大だ。フラッグシップモデルでの「白vs黒vsパンダ」の三つどもえの戦いは、ますます壮絶さを増した消耗戦となりそうだ。
Key Visual by Kaoru Kurata