実体経済に大きな傷を負わせた新型コロナウイルスの感染拡大は、メガバンクや地方銀行にも致命傷を与えるのか。生産・消費が停滞を余儀なくされる中で、不良債権の急増も予想される。足元は曲がりなりにも健全性を維持している銀行システムは、どこまで耐えられるのか。特集『銀行vsコロナ』は、5月25日(月)から5月31日(日)までの全12回で、銀行に潜むリスクを検証する。
#1 5月25日(月)配信
銀行員の悲鳴「不要不急の取引はネットで」、コロナと戦う店舗の過酷
緊急事態宣言が出て外出自粛ムードが高まる中でも、銀行窓口には要不要を問わず顧客が来店している。「来店する前に、ネットでできる取引かどうか調べてほしい」――。現場の銀行員が抱える苦悩の声をお届けする。
#2 5月25日(月)配信
メガ・地銀の3大脅威は信用コスト・有価証券・外貨調達、日銀が警告する理由
新型コロナウイルスを発端とする世界的な経済危機は、銀行に波及して金融危機をもたらすことになるのか。日本銀行は4月に発表した金融システムレポートでメガバンクや地方銀行にダメージを与えかねない3大リスクを指摘した。
#3 5月26日(火)配信
元日銀理事・門間氏が語る「金融危機の可能性」、悲観シナリオ実現の恐怖
門間一夫・みずほ総研エグゼクティブエコノミストインタビュー
健全に見える日本の金融システム。打撃を受けるとすれば、どのようなルートがあり得るのか。日本銀行で企画局長、金融政策担当理事を務め、金融危機のメカニズムに精通した門間一夫・みずほ総合研究所エグゼクティブエコノミストに今後の見通しを聞いた。
#4 5月26日(火)配信
メガ銀に「新・不良債権」10兆円が殺到!コロナで名門3重工に再編劇迫る
売り上げが止まり、急速に手元流動性が枯渇する企業。銀行には融資要請が殺到している。メガバンクになるとその量は10兆円規模だ。特需ともいえるが、将来不良債権になる恐れも否定できない。
#5 5月27日(水)配信
ソフトバンク、東電、海外部門…リスク発火点巡る3メガ銀の苦悩
リーマン危機時と比べて、圧倒的に健全性が増した三菱UFJフィナンシャル・グループなどの3メガバンク。彼らに死角はないのか。大口与信先企業は収益源である一方で、リスクもはらんでいる。三菱UFJには海外部門に不審な足音が忍び寄っている。
#6 5月27日(水)配信
3メガ銀の時限爆弾「ローン担保証券・航空機・原油」の非常事態
マーケットの急変動によって、市場運用ビジネスに混乱が訪れた。懸念の一つが、ローン担保証券(CLO)だ。また、航空会社に経営危機が迫る中で、航空機リース事業に不安の種が芽生えるなど、メガバンクに融資以外のリスクが潜んでいる。
#7 5月28日(木)配信
地銀に忍び寄る「公的資金注入シナリオ」、引当格差がリスク指標に
企業の業績悪化や倒産に備え、銀行は貸倒引当金を積み増している。しかし地銀界では、財務余力の有無によって、引当金を積めるかどうかの格差が生まれようとしている。余力のない地銀に待ち受けているのは、再編もしくは公的資金の注入という救済策だ。
#8 5月28日(木)配信
みずほFG佐藤会長が銀行vsコロナを語り尽くす、「企業の存在意義が問われている」
佐藤康博・みずほフィナンシャルグループ会長インタビュー
弱者を狙い撃ちにするのが、新型コロナウイルス。こう指摘するのは、みずほフィナンシャルグループの佐藤康博会長だ。ウイルスの感染拡大で見えてきた格差拡大の矛盾など、銀行への影響だけではなく日本の社会や企業の在り方も含めて、持論を聞いた。
#9 5月29日(金)配信
日産への巨額融資の全貌判明!みずほvs三菱銀の押し付け合いに「新たな爆弾」
1999年、仏ルノーに救済されて以来の経営危機にある日産自動車。コロナショックと経営混乱のダブルパンチで巨額のリストラ原資が必要なのだが、メインバンクのみずほ銀行を筆頭に4行で融資を押し付け合うという醜い争いになっている。カルロス・ゴーン元会長の方針で銀行を冷遇してきた付けが今、回ってきているのだ。
#10 5月29日(金)配信
全国103地銀震撼!地元名門企業のコロナ大恐慌、ホテル・飲食・アパレル…
ホテル・飲食店・アパレル――。あらゆる業種でコロナ倒産が続出しているが、地方では知らぬ者はいない名門企業も打撃を受けるのは必至だ。彼らを支えられるかどうか。地域金融の担い手である、地銀の存在価値が試されている。
#11 5月30日(土)配信
地銀の雄コンコルディア大矢社長が説く「コロナ禍での地域金融の使命」
大矢恭好・コンコルディアFG社長インタビュー
コロナ禍の影響を色濃く受けるのが、全国各地の中堅中小企業だ。業績不振に陥った地方企業を、地銀はどう支えるべきなのか。地銀の雄である横浜銀行と東日本銀行を傘下に持つ、コンコルディア・フィナンシャルグループの大矢恭好社長に聞く。
#12 5月31日(日)配信
三菱UFJFG前社外取・川本裕子氏が提言「ポストコロナの銀行改革論」
川本裕子・早稲田大学大学院経営管理研究科教授インタビュー
ポストコロナの世界で、銀行界は新たなリスク対応と構造改革の見直しを迫られている。昨年まで三菱UFJフィナンシャル・グループで社外取締役を務め、銀行経営に詳しい川本裕子・早稲田大学大学院経営管理研究科教授に話を聞いた。
Key Visual by Noriyo Shinoda