三菱地所は35歳で1500万円が平均値か
安定感は、不動産大手(三菱地所、三井不動産、野村不動産、東京建物、東急不動産、住友不動産)が抜群である。30年以上前に不動産バブル崩壊を経験し、総会屋事件もあり、昨今はリスク管理が改善され事件も聞かなくなった。リーマンショック後に倒産したカタカナデベロッパーとは対極にあり、単年度の業績で一喜一憂してボーナスを奮発するのではなく、基本給を手厚くして年功序列と終身雇用を守っている。この業界は、ずっと戦後の昭和時代が続いているイメージだ。
三菱地所は、昭和のまんま、である。「通常レベルの残業手当が付けば、概ね35歳で1500万円、というところが平均値かと思います。44歳で9割が『基幹職2級』に上がり、扶養家族がいれば2000万円ちょうどくらいになります。同期が20人いたら18人くらいが、その年齢まで差がつきません」(社員)。丸の内の広大な一等地を、売ることなく守り続ける“大家業”が仕事の中心だから、「家の財産を守り続ける長男」のように、保守的であることがいちばん重要だ。攻める必要がない。
最大手の三井不動産は、“冒険家のやんちゃな次男坊”タイプ。安田系の東京建物は、末っ子的な“放蕩息子”タイプ。それぞれカラーは違えど、財を築いた先代からの“親の遺産”をどう管理し、活用していくか、という仕事がら、長期的な収益だけを考える「終身雇用人材」が前提になる。給料が高い順に、三井、三菱、東京建物、住友、野村、東急、といわれている。
(本記事は『「いい会社」はどこにある?──自分だけの「最高の職場」が見つかる9つの視点』の本文を抜粋して、再編集を加えたものです)