これにより、異例の3期目に突入している豊田章男自工会体制は、来年5月の最後まで続くことになった。

 もともと自工会の会長は、2000年までトヨタと日産の代表が交代で務めてきた。いわゆる「T・N」が日本の自動車産業をリードしてきたからだ。章男会長の父君である故豊田章一郎氏も1986~90年に会長を務めている。

 その後、2000年代に入り、トヨタ・日産に加えてホンダの3社が1期2年の任期を代わる代わる務めてきた。その中で豊田章男氏は2012~14年に会長となった後、18年からは二度目の会長に就任、今日にわたるまで3期連続の異例の続投となっている。豊田章男自工会体制は、組織改革にも乗り出し、20年には委員会組織・事務局組織の大幅な見直しを実施した。

 理事についても基本的に執行トップの申し合わせにより、自動車各社の社長全員が顔をそろえるものとなっている(現行は、会長会社のトヨタだけ章男会長に加えて小林耕士番頭が理事に入っている。4月から交代して佐藤恒治次期社長が理事副会長となる)。

 豊田章男自工会会長としては、続投を決めたことで「私自身は、これまでトヨタの社長と自工会会長とともに『モリゾウ』と三つの顔を持ち、これから先はモリゾウの顔としていろいろな面でサポートする立場となろうとしていた。あえて言えば、私は(自動車産業で働く)“550万人”を軸に(サポート)していきたいし、佐藤新社長はトヨタの37万人を軸にさせていただくことでの役割分担」を図ると、日本の自動車産業を軸にした活動を進めることも宣言した。

 これについては、伏線もある。トヨタは22日にエグゼクティブフェローの新役員人事を発表した。