関西電力など大手電力4社が絡んだと公正取引委員会が認定したカルテル事件。巨額の課徴金納付命令が出てから初の定時株主総会は、他の不祥事も相まって、“株主提案ラッシュ”となった。長期連載『エネルギー動乱』の本稿では、株主提案や取締役選任案の賛成率から浮き彫りとなった4社の株主の「怒りのボルテージ」を測った。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
カルテル処分の4社に対し
株主提案はなんと60件!
6月28日は、大手電力10社の定時株主総会の集中日となった。
電気・ガス代、原子力発電所、再生可能エネルギーなど、電力会社の事業は国民大多数の暮らしと密接不可分だ。電力会社の経営に対し、国民の関心は高い。
そのためか株主からの議案提出(株主提案)は例年でも多めだ。そして、今年はさらにカルテル処分と新電力の顧客情報の不正閲覧問題を受け、一層の「株主提案ラッシュ」となった。
ダイヤモンド編集部は、カルテルに関わったと公正取引委員会が認定した4社(関西電力、中部電力、九州電力、中国電力)に対する計60件の株主提案に着目。取締役の選任議案の賛否とともに、株主の「怒りのボルテージ」を分析した。