監査法人は「友達」じゃない
緊張感を持った対応が必要
サンテックは、なぜこんなことになってしまったのだろうか。
調査報告書を読むと、その背景には、長年、同じ監査法人と付き合ってきたことで緊張感が薄れてしまったこと、そして、監査に必要な対応事項を監査法人に任せっきりにして自分たちで対応することを怠ってしまっていたことがあると分かる。
事業拡大をきっかけに新たな監査法人に変わった結果、こうした問題点が露呈してしまったということだ。
もし、サンテックが、工事費用の見積りなど会計処理の正確性について、日頃からきちんと自分たちで検討を行い、監査法人に対しても、常に緊張感を持って対応していれば、こんな事態にはならなかったかもしれない。
この事件は、私たちに大切な教訓を与えてくれる。
・監査法人は、会社の「友人」ではなく、あくまでも「監査人」である。
・企業は、常に正しい会計処理を行い、監査法人に対して誠実かつ正確な情報提供をする必要がある。
・定期的な監査法人の交代は、企業のガバナンス強化に有効である。
事業を拡大するためには、お金を稼ぐ事業への「投資」がフォーカスされがちだ。しかし、企業の管理体制を見直し、十分に整えることも必要である。それが、上場企業に課された使命であり、社会的責任だ。それが果たされないのであれば、上場する資格はない。
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