世界文化遺産の穴場紅葉スポット「仁和寺」

二王門世界文化遺産「仁和寺」(右京区)の山門となる二王門。知恩院三門、南禅寺三門と並ぶ「京都三大門」の一つ

 仁和寺境内のそこかしこに紅葉スポットがあります。国の重要文化財である五重塔の前にある真っ赤な紅葉は必見ですし、五重塔の東側、九所明神への参道となる細い路地に近年植栽され、すくすくと育っているイロハモミジの紅葉も見逃せません。ここは朱塗りの鳥居越しに眺めるのがおすすめです。

 まだ広くは知られていない紅葉の隠れ名所ですから、観光客でギュウギュウ詰めにならず、拝観しながらゆったりと紅葉も満喫できます。12月2・6・7・8日に「仁和寺紅葉雲海ライトアップ」(午後6時30分から9時まで)を実施予定。夜桜ならぬ夜紅葉もフォトジェニックなものですよ。

 御殿では、鳥のさえずりや滝の流れる音を聞きながら、国指定名勝の仁和寺御所庭園や優美なふすま絵をめでましょう。この御殿はここ数年、将棋の竜王戦の会場の一つともなっており、宸殿には藤井聡太竜王・名人をはじめとする熱戦を繰り広げたプロ棋士たちの直筆サインや歴代の竜王戦ポスターが飾られていますので、お見逃しなく。

 白書院は、現在大規模な修理工事が行われていて拝観することはできませんが、その代わり、御影堂の特別拝観が行われます。3期目が12月7日から15日まで予定されており、この期間中だけ普段僧侶以外立ち入ることのできない内内陣(ないないじん)へ特別に入って、仏様とのご縁をより深く結ぶことができる特別な機会となっています。

 春は遅咲きの「御室(おむろ)桜」で知られていることもあって、瓦・ふすま・板戸や建造物の彫刻に桜のモチーフが見られ、ひと足早く春めいた気分を味わうことができるのも魅力でしょう。

 仁和寺でもう一つ見逃せないのはネコです。宇多天皇が先帝から賜った黒猫をかわいがっていたことにちなみ、近年、黒猫が仁和寺のシンボルになっています。「招き猫みくじ」は黒猫、金色猫、白猫、黄色猫の4色のネコが。御室桜にちなんだ桜みくじ、恋文みくじ、パワーストーンおみくじなど、おみくじの種類がとにかく豊富! 黒猫を描いた御朱印は、現在、秋限定バージョンもお目見えしています。

 観音堂の西側には、築100年以上の蔵をリノベーションしたカフェ「NINNAJI JAXURY SPACE」が2023年春にオープンしました。吹き抜けになった店内の1、2階席のほか、外にはベンチも置かれているので、すぐ目の前の紅葉を眺めながら、秋空の下でコーヒーや和紅茶を片手にカフェタイムはいかがでしょうか。

NINNAJIJAXURYSPACE仁和寺境内にある蔵カフェ「NINNAJI JAXURY SPACE」