12月上旬が見頃となる紅葉スポット
第30回「いにしえ人が酔いしれた極上の紅葉体験」でご紹介した東福寺(東山区)や世界文化遺産の平等院(今秋のJR東海のキャンペーンポスターになりました!)は一部見頃となり、12月上旬にはピークとなりそうです。
祇園にある建仁寺(東山区)では、境内に点在する木々が染まり始めています。一番の見どころである潮音庭は、「今年の見頃予想は12月中旬」とお寺の方がおっしゃっていたとおり、11月末現在はまだ青もみじの状態です。
これまで取り上げてきた紅葉スポットの現状を見てみました。すでに見頃を迎えている紅葉名所をもし12月上旬に訪れるなら、名残のもみじや、風に吹かれてくるくる舞い踊る木の葉、落ち葉が地面を染める「散りもみじ」など、晩秋ならではの光景というお楽しみが待ち受けています。古都の風趣を余すところなく満喫してください。
その他にも、第24回で限定公開の塔頭を以前取り上げた世界文化遺産の大徳寺にも紅葉の名所があります。大徳寺の塔頭4カ寺のうち、総見院は11月末で終了しましたが、真珠庵と黄梅院は12月8日まで、興臨院は12月15日まで公開されていますので、お庭の紅葉と併せて寺宝を見られるチャンスです。
あまりメディアでは取り上げられませんが、らくたび大注目の穴場紅葉スポットが、世界文化遺産の仁和寺(右京区)です。この真言宗御室派の総本山は、888(仁和4)年、第59代宇多天皇により創建されました。宇多天皇といえば、「学問の神」菅原道真を側近として重用した人物。22歳のときに仁和寺を建て、醍醐天皇に世を託して譲位した後、出家して、自身も仁和寺に入りました。
「きぬかけの路」に面してそびえ立つ壮麗な建物は、二王門(におうもん)。左右には、口を開けたお顔、口をギュッと結んだお顔、阿吽(あうん)の表情をした二王像が一対立っておられます。憤怒の形相をした二王様の間をくぐれば、今年ため込んだ邪気もたちまち吹き飛びそう。仁和寺には、京福電気鉄道北野線(嵐電)「御室仁和寺」駅から3分、市バス「御室仁和寺」停留所ならすぐ目の前です。