2024年の外食業界は、すかいらーくホールディングによる資さんうどん買収や、ワタミによるSUBWAY買収など大型M&Aに沸いた。新型コロナウイルスの感染拡大が終息し、外食市場は回復している。だが、一部の業態ではいまだに大きな逆風にさらされている。大淘汰が予想される業態とは?特集『総予測2025』の本稿では、25年の外食業界を展望する。(ダイヤモンド編集部 澤 俊太郎)
外食業界でM&Aが活況
コロナ前に迫る右肩上がり
外食業界でM&A(企業の買収)が活況だ。2025年は大型買収が加速するだろう。
M&A仲介大手のストライクによると、24年の外食・フードサービスのM&A件数(12月4日時点、適時開示ベース)は29件となり、すでに23年の件数を上回る勢いを見せている。
新型コロナウイルス感染拡大前の19年の31件に迫る勢いで、右肩上がりに伸びている状況。「コロナが5類に移行した23年5月までの案件と比べて、足元では外食が同業を取得する買収が増えている」(同社)という。
それまでは異業種間などで会社や事業を譲渡するケースが目立っていたが、外食市場が回復していく中で、積極的な事業拡大に向けて攻めのM&Aが足元で増えているということである。
次ページでは、外食業界で25年以降もM&Aが伸び続ける要因について解説する。また、新型コロナ禍の終息後も苦境が続く業態についても明らかにする。大淘汰が予想される外食の業態とは?