商売繁昌「ゑびす神社」からスタート
「都七福神めぐり」のお楽しみは、最初にお参りする神社やお寺で「大護符」を授かり、スタンプラリーのような感覚で巡拝すること。大護符に添えられたイラストは七つの社寺でそれぞれ異なりますので、巡拝の順序を変えて7回「七福神めぐり」を行い、7種すべての大護符をそろえるというつわものもいらっしゃいます。
大護符を家に飾っておけば、七福神にちなんだ七つの難をすかさず滅する「七難即滅」と七つの福をすかさず生み出す「七福即生」がかなうと伝わります。ちなみに、今年は1月7日から13日までの7日間には特別な「金印」の授与が行われました。都七福神草創六百年を記念してのものです。都七福神「七福万倍!」の縁日である毎月7日にもこの金印を授かれますので、希望される方は2月、3月……この先の「7日」に訪れるといいでしょう。御朱印料はそれぞれ500円を納めますが、金印は無料で授かれます。
巡拝の順番に決まりはありませんが、らくたびのおすすめは、京阪本線「祇園四条駅」から南へ徒歩6分、祇園にある京都ゑびす神社(東山区)から。「商売繁昌」の御利益があるゑびす神をおまつりしています。七福神のうち六神は、インドにルーツがあったり中国伝来の仏教や道教にまつわる神々です。ゑびす神は、唯一日本古来の神様なのです。1月8日から12日までの5日間、恒例の初ゑびす(十日ゑびす大祭)が行われ、参拝待ちの人たちが一の鳥居の外まで行列をなしていました。
ご本殿でお参りしたら、くるりと180度方向転換していま来た道を戻るのではなく、本殿の左側に進んでください。ゑびす様はご高齢でお耳が遠いため、本殿横の戸板をやさしくトントンとたたいて、「ゑびす様、お参りさせていただきましたよ。どうぞよろしくお願いします」と参拝を報告しつつ、もう一度願い事を心のなかで唱えてください。
今度は二の鳥居に戻って、笑顔をたたえたゑびす様のお顔付きの箕(み)と熊手に向かい、おさい銭投げにチャレンジを。投げたおさい銭が見事入れば願いがかなうといわれています。1円玉や5円玉では軽くて投げにくいので、やや重みのある100円や500円硬貨が投げやすいですよ。
境内北側の石碑にもご注目を。パナソニック創業者である松下幸之助氏が寄贈した財布塚です。「商売繁盛」を見事に体現された方ですから、御利益があるという話にも説得力を感じます。使い古したお財布を納める際は、くれぐれもお財布の中身が残っていないか確認してからにしましょう。
境内西口に続く路地には、町家カフェ「ろじうさぎ」があります。オープンから10年ほどの比較的新しいお店ですが、焼き魚、小鉢、だし巻き、みそ汁などが付いた王道の和朝食「京の朝ごはん」がおいしいと口コミで評判が広がりました。人気につき事前に予約をしておくと安心。冬季限定で粕汁もいただけますので、冷えた体も温まりますよ。