氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較! 主要100社の「20年間年収推移」 #2Photo:kyodonews

新車の世界販売台数で、5年連続で首位となったトヨタ自動車。気になるのは社員の待遇だが、同社の労働組合は2025年の春季労使交渉で、過去最高だった前年と同水準の7.6カ月分のボーナスを要求する。トヨタの中で年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が得をしたのか?特集『氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較!主要100社の「20年間年収推移」』(全32回)の#2では、過去20年間を10年刻みにして、5世代それぞれの平均年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。その結果、同社はOB世代が優勢だったが、現役世代は年齢が高いほど恵まれているというわけではなかった。このほか3年後の平均年収の予想額は、現在の899万円を大幅に上回る結果となった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

車の販売は世界一、ボーナスも過去最高だが
コンプラ上の問題も複数抱えているトヨタ

 トヨタ自動車の2024年の世界での車の販売台数は、グループ全体で1082万台となった。独フォルクスワーゲンを上回り、5年連続の世界トップである。

 けん引したのはトヨタが強みを持つハイブリッド車。米国などで電気自動車(EV)市場の減速が鮮明になっている。一方、手頃な価格で燃費が良いハイブリッド車の市場は25年も拡大する見通しだ。バイデン前米大統領が進めてきたEV促進策を、トランプ大統領が廃止することも、トヨタにとっては追い風になる。

 こうなると気になるのは社員の待遇だが、トヨタの労働組合は25年の春季労使交渉で、過去最高だった前年と同水準の7.6カ月分のボーナスを要求する。

 ただ、トヨタの経営に死角がないわけではない。昨年、日本では型式指定の認証試験で不正が発覚した。北米でもリコール(回収・無償修理)によって、一部モデルの生産が止まった。

 今年に入っても不祥事が起きている。1月24日、金融庁はトヨタの直営販売会社、トヨタモビリティ東京に対して、業務改善命令を出した。同社の保険業務の管理体制には重大な欠陥があり、保険金の不正請求が疑われる事案が多数あるとの指摘を受けた。

 数ある日本企業の中で最も優良な企業とされるトヨタだが、コンプライアンス上の問題を複数抱えているのだ。

 そんなトヨタの中で、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?ダイヤモンド編集部は、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。

 2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象である。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収で見たときに序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。

 その結果、トヨタはOB世代が優勢だったが、現役世代は年齢が高いほど恵まれているというわけではなかった。このほか専門家による3年後の平均年収の予想額は、現在の899.9万円を大幅に上回る結果となった。次ページで確認しよう。