
今のマンション売買相場の実情を誰よりもよく知るマンションインフルエンサーたちが、カオス相場の裏と今後を語り尽くす座談会の上編。特集『それでも買う!狂乱の市場に克つ! マンション 最強の売買&管理術』(全33回)の#10はズバリ、高騰が止まらない都内タワマン、高級物件相場の行き着く先がテーマ。タワマン高騰の天井はいったいどこにある?(聞き手/ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)
●のらえもん @Tokyo_of_Tokyo
マンションインフルエンサー、マンションアナリスト
●稲垣ヨシクニ @inagaki_kizuna
都心マンションソムリエ
●中央区上落合 @Kamiochiai_Chuo
不動産業界とは無関係な素人。3000万~6000万円台のマンションが主戦場
●芝崎健一 @shibasan_towerz
タワーマンション専門TOWERZ取締役 YouTube「芝塾タワマン不動産」運営
●デベマン
マンションデベロッパーの中の人。開発担当
湾岸タワマンは中国人が荒らすエリアと
実需が買うエリアがせめぎ合う状態になってきた
――新築マンションの相場感や売買状況はいまどうなっているでしょうか。
稲垣 湾岸タワマンは高騰に一服感がありますね。パークタワー勝どき(PTK)というナンバーワンタワマンが、坪1200万~1300万円ととんでもないチャレンジ価格で売り出されていたのですが、実際の成約は950万~1000万円にとどまっている。そして近隣の東京タワーズなどの中古タワマンの価格がPTKの高騰の影響で上がっている。先行指標として上がっていたナンバーワン物件が一度踊り場を迎えて周辺がそこに追い付いてくる状況ですね。サラリーマンがペアローンで買う物件としては、値上がりのアッパーラインが見えて止まりつつある。
のらえもん(のら) PTK、2021年に坪420万円だったのが25年は1000万円ですからね。これは紛う方なきバブルです。今までこんなの見たことがない。豊海タワーとか、値上げしてもすぐ売れる。申し込みを手入力している間に2分でなくなりましたからね。ツール使って申し込みしている勢がいるみたいで。湾岸は中国人が荒らすエリアと実需の人たちがせめぎ合いのところにいる。実需のアッパーは決まっているので、中国人が高値で買ったところで次の転売先がなかなかない。現在建設中のタワマンについてはそういう状態になりつつあります。
稲垣 一方、内陸高級物件は、三田ガーデンヒルズで坪2500万~4000万円の転売住戸が出ていました。これがどこまで実勢価格になるかが今年の見どころですね。2500万円は現実的なんですよ、パークコート赤坂檜町ザ タワーなどはそれ以上いくし。ただ、それ以上のものは以前は6000万円などで取引されたアマンレジデンス東京などのように、もはや不動産というよりアート扱いされていたものだけだった。こっちはもう青天井ですね。
のら 「都心」「大規模」「長期間販売」の物件、もう二度と出ない物件は強いですね。ワールドタワーレジデンスもプレミアムフロアでないのに短期間で2倍になっている。
――すごいですね、こういう超高級マンションを買う人ってどういう人なんですか。そして、この価格高騰はいつまで、どのエリアまで波及するものなんでしょうか。ここ10年では都内で買ったマンションを売却しても利益が出る状態が続いていますが、今後もこれは続くんでしょうか、それとも……。