序列激変#4Photo:123RF

労働保険、健康保険の書類作成や、発達障害&うつ病社員対応、コロナ禍の中でニーズが爆発した雇用調整助成金の申請代行など、社労士が引っ張りだこになっている。しかし、労働問題は複雑化するばかり。今後、デキる社労士とそうでない社労士の差は今以上に開いていきそうだ。特集『弁護士 司法書士 社労士 序列激変』(全19回)の#4では、将来的に「のし上がる」社労士が目を付けるブルーオーシャンについて探る。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)

デキる社労士とダメな社労士の二極化は進む…
「無自覚パワハラ」の大リスクに着目せよ

 社会保険労務士が、わが世の春を謳歌している。

 独占業務として定められている労働保険や健康保険などの書類作成、申請手続きの代行はもちろん、ここ数年は働き方改革や、発達障害&うつ病社員、セクシュアルハラスメント&マタニティーハラスメントなどへの対応ニーズの増加が続いた。

 さらに新型コロナウイルスの感染拡大により、雇用調整助成金の申請代行依頼や、労働環境の再整備に関する相談が激増し、まさに「仕事に困らない状況」となっているのだ(「雇調金バブルについては本特集#2『社労士業界が雇用調整助成金バブルに沸く一方で「大淘汰時代」幕開けの理由』参照)。

 しかし、労働問題は複雑化の一途をたどっており、今後、デキる社労士とそうでない社労士の差は今以上に開いていきそうだ。のし上がりたいなら、世の中のニーズを先取りし、ブルーオーシャンを開拓することも必要になるだろう。

 すでに、鼻の利く社労士はそんな新境地を目指し、ノウハウ蓄積に動いている。ここでは、「これから稼げる2市場」について紹介していこう。

 一つ目は、「無自覚パワーハラスメント対策」(湯澤社会保険労務士事務所の湯澤悟代表)である。その要諦は、単なるパワハラ対策ではなく、「無自覚」なパワハラへの対策というところなのだが、いったいどういうことか。