
柏木理佳
定年まで会社で働きたい、あるいは定年後も会社で働き続けたい――。そんな50代、60代のニーズは増え続けています。しかし、50歳を超えてから突然リストラされてしまう人、65歳を超えて在職老齢年金制度の壁に直面する人など、高齢者の働き方には色々な落とし穴があります。とはいえ、不安ばかりではありません。高齢になってから今の仕事に行き詰まっても、すぐに「次の仕事」を見つけられる人はいるものです。彼らはいったい、何が違うのでしょうか。

定年を迎えると「夫婦で自宅にいる時間が長くなり、喧嘩が増えた」「収入激減、物価高なのに支出は控えず、買い物に一緒に行くたびに喧嘩している」などの不満が増加、定年後の熟年離婚数も増加しています。しかし、一方で、「家の中に話し相手がいてよかった」「身体がきつくなった部分を補い、支え合うようになった」「生活費を賢く計算し、公的サービスで損しないようにやりくりしていて、幸福度が増した」などと、かえって仲良くなった夫婦もいます。実は幸福度が増した夫婦は、定年直前にあることをルール化していました。果たして、それは何でしょうか。

軽度から重度まで、要介護のレベルに合わせて老人ホームを移動する人は多いものです。自宅を出て、介護レベルが軽度から重度になるのに従って数回転居するケースもあります。しかし中には、始めから自分に合った老人ホームを選んで最期まで幸せに過ごせる人もいます。いったいいつから、どんな準備をすればいいのでしょうか。実は、リタイアしてから探し始めるのでは遅いのです。

40代のときは定年後をイメージしづらかったのが、50代になると急に老後の資金不足が不安になる人は少なくありません。ここで踏ん張って資金を貯めようと頑張る人だけに幸せな老後が訪れ、そうでない人には悲しい末路が待っています。もはや国の年金だけに頼っている場合ではありません。老後格差に苦しまないよう、今から考えるべき「お金」のこととは?

日本の高齢者は、最期を迎える場所に自宅を希望する人が多いが、在宅介護と施設での介護にまつわる一般的なイメージは、必ずしも正しくない。「お金」と「幸せ」の観点から、親を看取るならどちらが理想的かを徹底検証する。近い将来、あなた自身が家族に「看取られる」ときが必ずやってくる。今からきちんとした情報や認識を身に付けておくことは大切だ。

定年後の仕事に悩む人は多いもの。「65歳以上になると30通も応募したけど不合格だった」「オフィスワークなら何でもいいから仕事したいけど、ありつけない」「体力がないから、立ち仕事ができなくなった」など、人それぞれです。定年後は多くの人が「寂しさ」から新しい仕事を見つけ、社会で働くことを続けようとします。しかし、高齢になってから合わない仕事を選ぶと、ストレスが高まるだけ。果たしてあなたが探すべき職種、居場所はどこなのでしょうか。

定年後の仕事の喪失感や収入減など、先のことを心配する人はたくさんいる。余裕資金があるのに越したことはないが、必要な余裕資金は人によって差があある。それは「幸福度」が違うからだ。実は年収に関係なく、家族と友人の存在が人の幸福度を高めることがわかっている。特に友人が少ないバブル世代の50代は、老後に「気が付くと一人ぼっち」という悲哀を味わうことにもなりかねない。今のうちから幸福度にとって効果のある友人を作ることが大事なのだ。いったいどんなタイプの友人がいいのだろうか。

50代になると急に定年後の生活費、支出が気になり出します。しかし統計によると、60代は実は意外に余裕があり、年代別に見ても消費支出が増えているのは60代のみです。そして、年収が高いほど老後の幸福度が高いわけでもありません。「老後2000万円問題」が叫ばれ、老後破綻への不安が蔓延する日本ですが、実情はイメージとちょっと違うようです。本当に豊かな生活を送っている高齢者は、どんな人たちなのでしょうか。

若いころ、やっとの思いで手に入れた夢のマイホーム、一戸建。しかし、高齢になると階段の上り下りや庭の手入れが大変になり、マンションに引越したいという人が増えています。もはや高齢者の永遠のテーマとなった「マンションと戸建て、終の棲家としてはいったいどちらがいいのか」問題。健康やお金、幸福感、満足感など、様々な指標を基に比較してみます。果たして、最も賢明な選択とは。

30代で課長補佐に昇進した、とある女性。しかし部下たちから嫌われている上、夫婦仲も微妙になり、「欲しかったもの」はどんどん自分の負担になっていく悪循環に陥りました。それが、ある出来事をきっかけに変化が起きたのです。

結婚、出産し、ストレスで浪費癖が悪化し、家族カードを使い込んで離婚することになった事務職の女性。普通であれば、「人生終わった……」と思うレベルの大失敗です。しかし、今回紹介する女性は、一癖ある、キャリア志向の持ち主でした。

子育て中の女性が昇進するにはどうしたらいいのでしょうか。かつては「スーパーウーマン」でないと、昇進できないような時代がありました。しかし昨今になって、いわゆる「ガツガツしない」キャリア女性の昇進も増えています。今回は、シングルマザー時代にキャリア追求に悩んだ女性を紹介します。

おひとり様の坂本由紀夫さん(仮名、55歳)は、50代、現役のうちにマンションを購入したほうがいいのか、迷っています。結論から言うと、特におひとり様は、定年前に持ち家になるほうがいいでしょう。しかし、それには四つの条件があります。

健康で長く働き、定年を迎え、退職金も得れば、「人生上がり」と思いたいものですが、残念ながら、そう簡単に幸せになれるわけではありません。60代になってから、それまで以上に幸せを感じる人もいますし、幸せを感じなくなってしまう人もいます。その違いはどこにあるのでしょうか。

福山玲さんは、納得しないまま50歳で離婚し、泣く泣く家を出ることになりました。貯金はたった300万円でしたから、手をつけたくありません。体力もないから、60代はそんなに働き続けることもできません。副業を必死で探すことしか方法はありませんでした。しかし、その必死になった50代があったからこそ、定年後の今でも月10万円前後の収入を得ています。どんな副業を探したのでしょう。

定年後も雇用してくれると聞いていたのに、新卒から働き続けた会社が突然のリストラ…昇進せず、資格もなく、貯金も350万円しかないおひとり様女性は、窮地に陥りました。60歳を超えて、新たな職探しでぶつかる壁とは?

定年直前は生活が激変することに多くの人が動揺します。一方、定年後に幸せになっている人は、定年前からその後の生活を想定して1万円ほどのお金をかけて、心身を充実させる機会を作っていました。

58歳の佐久間逸郎さん(仮名)は、今は妻と暮らしていますが、将来ひとりぼっちになった自分の姿を想像し、今から「おひとり様」になることを想定して幸福度を高めようと決意しました。死別したことがショックで将来を悲観し続けている人もいれば、お金もないのに割り切って新しい人生を切り開く人もいます。その差は何でしょうか。

銀行・証券会社や代理店やFPに相談しても自社の商品ばかりを紹介され、信用できないという55歳独身男性の山崎さん。なかなか、将来のための蓄えが進まないので、AIなら保険商品などのセールスはされないのではないかと思い、今流行のChatGPTに聞いてみました。

決してケチケチした生活をしているわけではなく、定年後にお金や生活に余裕があるおひとり様には、共通点がありました。それは、意外に貯金や年金が多いことではありません。
