2014.6.4
どうして市場は“ゴルディロックス”になったのか?春は来たが内外に不透明感が残存、我慢の季節に――高田創・みずほ総合研究所チーフエコノミスト
2013年以降、米国中心のグローバル金融市場において、グレートローテーションと言われる債券から株式への転換が注目された。だが足もとは、従来の転換点とは異なる、株高と債券市場のほどよい按配、「ゴルディロックス」との見方が根強い。
第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト
くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。
2014.6.4
2013年以降、米国中心のグローバル金融市場において、グレートローテーションと言われる債券から株式への転換が注目された。だが足もとは、従来の転換点とは異なる、株高と債券市場のほどよい按配、「ゴルディロックス」との見方が根強い。
2014.5.21
川下物価の消費者物価指数と川下物価の企業物価指数が、大幅に乖離している。日銀は追加緩和をせざるを得ないだろう。だが財務の健全性の面から、日銀は無限に緩和を続けられない。彼らにとって自己資本は、どれくらい重要な意味を持つのか。
2014.5.15
先日発表された総務省『経済センサス』では、新設事業所の付加価値の創出状況が初めてわかった。それを基に分析したところ、名目GDP成長率の高さと事業所の付加価値の増加には相関関係が見て取れる。新陳代謝は日本経済成長のエネルギーなのだ。
2014.5.7
日銀の異次元金融緩和は、半ば管理相場化された国債市場をつくり上げた。金融機関にとって国債投資は主食の「おコメ」のようなものであり、ボラティリティの低下で何とか妙味は保たれている。だがそれは、今や人工的に変質した「官製味付け」だ。
2014.4.16
4月1日の消費税増税後の物価動向を探るうえで、「東大日次物価指数」は有用な手がかりとなる。消費税増税の影響を覗いて算出されるので、前年同日比の物価自体の変化がわかる。それによると、消費増税以上に商品の売値が上がっている日が増えている…
2014.4.9
結局、消費税増税の反動減は心配していたよりも小さかったのではないか。ただ筆者の関心は、もっと先の経済情勢だ。もしも反動減が大したダメージでなければ、2014年後半~2015年の成長力はどのくらいになりそうか。キーワードは「不足」である。
2014.4.2
悪天候による米国経済の失速、新興国不安などにより、政界経済には先行き不安が生じた。足もとで米国経済不安は収拾に向かうと見られるが、中国などのテール・リスクは残る。世界経済の「シートベルト着用サイン」は消えるだろうか。
2014.3.19
今年の春闘の集中回答結果を見ると、最終的な賃上げ率は2%を超えそうだ。しかし、ベースアップが継続的なものになるという手ごたえは、今なお感じられない。2年で前年比2%という日銀のCPI見通しが、賃上げによって達成されるためには力不足だ。
2014.3.12
安倍政権の構造改革の核心は医療分野と密接に関係しており、ここを改革せずにアベノミクスは成功しないと考える。財政負担が膨らむなかで医療費削減を進めるためには、高齢者の健康管理や予防に、医療関係者が積極参加できる枠組みが必要だ。
2014.3.5
各国の指導者に対する投資家の信頼感調査で、昨秋主要国でトップだった安倍首相の信頼度は、年初の調査で大きく低下した。世界経済の見通しに加え、靖国参拝などの不安要因が加わったためだ。対米協調姿勢を重視する「第四の矢」を打ち出せるか。
2014.2.19
今週発表された10~12月期GDP統計(1次速報)は、大方の事前予想を大きく下回った。ただし、中身を見ると日本の景気はGDPが示すほど悪くはない。10~12月期は民間需要、公的需要を問わず、内需がバランスよく増加したと言ってよいのではないか。
2014.2.12
安倍首相は、「この春こそ、景気回復の実感を収入アップというかたちで国民の皆様にお届けしたい」と胸を張っている。しかし、賃上げが十分に進むかどうかはまだ不確定だ。今回は、賃金上昇を波及させるための課題を考察したい。
2014.2.5
2014年の日本経済は、消費税増税後に一旦調整はあるものの、その後再び緩やかな回復を展望する。今年は過去の3つの大きな足枷からの正常化の基調にあると位置づけるからだ。脱「失われた3年」、脱「失われた7年」、脱「失われた20年」である。
2014.1.22
2年目を迎えたアベノミクスは、2015年の政治的、政策的イベントを強く意識して運営される可能性が高い。すなわちアベノミクスの主役は、即効性のある「第2の矢」となりそうだ。第3の矢である成長戦略は、大きな役回りを演じないと見る。
2014.1.21
2014年を予想する上で、ポイントは何か。消費税増税の実施、緊張高まる東アジア外交……。経営者、識者の方々に、14年を読み解くための5つののポイントを挙げてもらった。今回は、第一生命経済研究所の熊野英生氏の見通しを紹介しよう。
2014.1.15
ずっと変だと思っていたことがある。円安がどのくらい進めば貿易収支は改善し、貿易黒字に戻るのか。分析すると、貿易収支が改善しない背景には、円安がこれほど進んでも日本製品と競合する海外ブランドが競争力を失わない現実があった。
2014.1.8
2013年12月18日のFOMCで、FRBはQE3縮小に向けた決定を行った。今回、2013年に市場が一貫して不安視してきた金融政策面での不透明感が大きく後退することで、日米の金融市場にとって「永遠の0」という、この上ないクリスマスプレゼントになった。
2013.12.25
アベノミクスで湧いた2013年も終わろうとしている。この時期に、安倍首相にとって重要な転機となる5年後の「2018年」に、自民党の経済政策がどうなっているかを占いたい。鍵となる日本経済の動向は、3つの「A.B.E.」でまとめることができる。
2013.12.18
アベノミクスの成功を証拠づけるように、12月調査の日銀短観が改善した。中でも、中小企業の景気実感がかなり良くなっており、非製造業の業況判断DIまでもが21年ぶりのプラスとなった。これは、本当に信じてよいことなのだろうか。
2013.12.11
ボラティリティの低下から、「リスクオン」に資本市場が戻る動きが注目された2013年。日本だけでなく、先進国の株価全般が押し上げられているようにも見える。過去6年間にわたって続いた「100年に一度の危機」は、本当に過去のものになったのか。
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