
武藤正敏
日本が韓国に対して行なった貿易管理上の優遇措置撤廃に対する韓国の対応は、昨年のレーダー照射問題の時と同じように問題をすり替え、すぐ誤りとわかる言い訳をするというものであり、これでは問題の解決にはならない。韓国政府の言い訳がいかにその場しのぎのものか検証し、韓国にとって、より効果的な対応は何か考えてもらうべく、提言したい。

文大統領政治の数ある特徴を、筆者は以下の3つに集約できると考えている。1、 現実を直視せず自分に都合のいいように解釈する。2、 国益を考えず原理原則にこだわる。3、誤りを認めて謝罪せず常に自分が正しいと主張する。

G20首脳会合は、韓国・文在寅大統領の影が薄い会合となった。同時に、G20での文大統領の動向は、過去2年間の政治の失敗を反映する出来事となった。

文在寅大統領の外交の特色は何かといえば、「北朝鮮は非核化する、制裁を解除すべきである」というだけで、国益のために何も動かないことである。G20の各国首脳が集まる中で、北朝鮮の非核化をいかに実現するか、国際的な協調体制を強化する良い機会だ。しかし、ベトナムにおいて米朝首脳会談が物別れに終わった後も、北朝鮮に対する見方を変えていない唯一の首脳である文在寅大統領は、各国首脳から相手にしてもらえないのではないか。

文在寅政権は5月10日で発足2周年を迎える。過去2年間の政権の評価を朝鮮日報、中央日報等、韓国の主要紙の記事を基に分析し、解説したい。

親北政策を進めるべく、米国トランプ大統領との首脳会談に臨んだ韓国の文在寅大統領。米国から北朝鮮に対する経済制裁解除の道筋をつけ、南北首脳会談の開催を目論んでいたようだが、成果は得られたのだろうか。実際の会談を振り返り、韓国メディアの論調から分析すると、めぼしい成果は得られなかったという見方が大勢だ。

2回目の米朝首脳会談が決裂した。北朝鮮の金正恩委員長が、完全な非核化を拒否しながら無謀な要求を突きつけたためだ。しかし、金委員長がそうした行動に出た一因は「韓国の文在寅大統領にある」と元駐韓大使の武藤正敏氏は指摘する。

米トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の2度目の首脳会談は事実上の物別れに終わった。その原因は、金委員長が無謀ともいえる要求を突きつけたからだ。なぜ、そんなことになったのか、元駐韓大使の武藤正敏氏に解説してもらった。

文在寅大統領率いる文政権では、就任からわずか1年半余りでスキャンダルが噴出している。なぜこんなに早い段階でスキャンダルが表沙汰になっているのだろうか。

日韓関係をめぐっては、徴用工裁判やレーダー照射など問題が相次いでいる。その根底にあるのは、韓国・文在寅政権の「対日強硬政策」だ。なぜ文大統領はこうした姿勢を取り続けるのか、そして高まる緊張が和らぐ可能性はあるのか探ってみたい。

韓国・文在寅大統領の年頭記者会見を聞いて、多くの日本人は、「怒り」を覚えたのではないか。日韓関係について “強硬論”を連発したからだ。これは、少なくない日本人を「反韓」にしてしまいかねない発言だ。

韓国の文在寅大統領の支持率が低下している。金正恩・朝鮮労働党委員長の年内ソウル訪問延期はこれに一層拍車をかけるだろう。それ以外にも文大統領は内憂外患を抱えており、来年は八方塞がりの年となりそうだ。

11月16日、韓国ギャラップが発表した文在寅大統領の支持率は5週連続で下がり、52%となったが、依然として半数以上の国民からの支持を得ているとの結果になった。しかし、韓国の大手メディアがここにきて批判を強め始めたのは危機感の表れか。

韓国の最高裁は10月30日、大戦中に強制労働させられた元徴用工に対し、賠償を命じる判決を言い渡した。その背後には、日韓の歴史問題を表面化させたい文在寅大統領の思惑が透けて見える。

9月19~20日に開催された第3回南北首脳会談を通じて見えてきたのは、北朝鮮が米国との交渉を有利に進めるため、韓国をいかに利用するかという点で、周到な計算と準備をして臨んだという現実だった。

北朝鮮は8月26日、北朝鮮西部の南浦を訪れていた際に拘束されていた日本人を国外に追放した。人道主義というものに最も縁遠い北朝鮮が突然、人道主義を持ち出して解放した背景には、さまざまな思惑があってのことだ。

市民の生活向上や所得分配の公平化を訴えて大統領に当選した韓国の文在寅大統領。それだけに経済政策の成功は必須だった。しかし、ここにきて韓国経済が失速、不透明感が増しており、文大統領の政策に疑問の声が出始めている。

米国のポンぺオ国務長官は、7月6日から2日間の日程で訪朝した。これは6月12日に行われた米朝首脳会談のフォローアップで、北朝鮮の非核化に向けた具体的な道筋をつけるためのものであった。しかし、その中身は惨憺たるものだった。

6月12日、シンガポールにおいて歴史上初めてとなる「米朝首脳会談」が行われた。だが、その結果は、トランプ米大統領ではなく、金正恩朝鮮労働党委員長にとって満足のいくものであったと、元駐韓大使の武藤正敏氏は指摘する。

トランプ大統領は5月24日、米朝首脳会談の中止を告げる金正恩朝鮮労働党委員長宛ての書簡を公表した。だが、これは交渉決裂ではなく、延期と見ることもできる。北朝鮮の非核化交渉の行方を、元駐韓大使の武藤正敏氏が解説する。
