重石岳史
ベイン・アンド・カンパニーやボストン・コンサルティング・グループ(BCG)を渡り歩き、大前研一氏に「生まれながらの戦略コンサル」と称された男がいる。サイモン・クチャー&パートナーズ日本代表の栃本克之氏。業務改革やIT導入にとどまらず、企業の根幹に切り込む“真の戦略”とは何か――。その本質を語り尽くす。

#11
自動車や精密部品など製造業向けの人材派遣や請負サービスを展開するnmsホールディングス(東証スタンダード上場)前社長で大株主の小野文明氏が、河野寿子社長ら現経営陣に反対する株主提案を出した。小野氏は昨年12月、635万円の経費不正使用などがあったとして社長職を降ろされたが、「私の追放ありきの調査だ」と主張。会社と前社長が真っ向から対立する“内紛”の真相を暴露した。

#10
仮想通貨マイニング事業のトラブルを巡り、GMOインターネットグループが米企業に対して約900億円の損害賠償を求める訴訟を起こした。グループ創業者で会長兼社長の熊谷正寿氏は、2025年3月の株主総会で取締役再任議案への賛成率が58%と低迷(『【3月総会の「株主賛成率ワースト」ランキング】住友重機械、コカ・コーラ…32社の経営トップが80%割れ!2位GMO熊谷氏の言い分は?』参照)。株主の厳しい視線を浴びる中、熊谷氏がマイニング事件の真相、親子上場批判への反論、そして財閥と宗教に学ぶ独自の経営観について口を開いた。

#9
今年3月に株主総会を開催した上場企業544社のうち、経営トップの代表取締役選任賛成率が80%未満だった企業は32社に上ったことが分かった。中には財閥系企業や新興企業の著名経営者も含まれ、過半数の承認を得られずに事実上、株主に解任された社長も存在する。株主賛成率ワーストランキングで明らかにする。

#7
空港の電力供給などを担う東証スタンダード上場のエージーピー(AGP)が5月26日、筆頭株主の日本航空(JAL)による株式非公開化の株主提案に反対を表明した。AGPの設立以来60年以上続いたJAL支配体制がなぜ崩壊し、6月開催予定のAGP株主総会で両社が対立するに至ったのか。AGPの杉田武久社長と、同社取締役で元JAL社員の阿南優樹氏がダイヤモンド編集部の取材に応じ、水面下で繰り広げられたJALとの攻防戦を明かした。

企業の株主対応を支援するアイ・アールジャパン(IRジャパン)に再び捜査のメスが入った。顧客である上場企業の未公開情報を不正利用したインサイダー取引容疑である。インサイダー情報を漏らす行為は、前回、逮捕・起訴され有罪判決を受けた元副社長と全く同じだ。なぜ、IRジャパンで同じ過ちが繰り返されるのか。

上方修正の連発により、2019年の年初から21年初め頃までに株価が10倍に膨らんだIRジャパン。だがこの1年間は、業績未達と不祥事により、10分の1に転落。急成長と凋落の裏で何があったのか。関係者の証言により、「天国と地獄」の内幕ドキュメントを描く。

#4
持分法適用会社であるエージーピー(AGP)の非公開化を目指し、株式併合を含む株主提案を行った日本航空(JAL)が、昨年退任したJAL出身の前社長の続投や、退任後も何らかの形で処遇するようAGPに要求していたことが分かった。しかしAGPの指名報酬委員会が受け入れず、後任にプロパー社長を指名。異例の株主提案の背景には、AGPのガバナンス強化で社長人事に介入できなくなったJAL側のいら立ちが透けて見える。

#6
インターネットを通じて少額から不動産投資に参加できる不動産クラウドファンディング市場が拡大している。2023年には業界団体の不動産クラウドファンディング協会が発足し、「利回りくん」などを運営する業界大手シーラテクノロジーズ創業者、杉本宏之会長が理事に就いた。働く世代を中心に多額の資金を集める一方、一部で償還遅延やポンジスキーム疑惑も取り沙汰される不動産クラウドファンディングの現状や課題について、杉本氏に聞いた。

#2
東京証券取引所スタンダード市場に上場するクシムの臨時株主総会が4月30日に都内であり、新たな取締役選任などを求める株主提案が全て可決された。取締役の大半が入れ替わるという、上場企業で異例の事態が起き、今後は旧経営陣に対する刑事責任の追及に焦点が移る。

#5
ソーシャルレンディング/不動産クラウドファンディングの比較検索サイト「ゴクラク」の鈴木拓郎編集長と、同サイト運営会社Virtual Wallの仲山智久取締役が、ダイヤモンド編集部の取材に応じた。鈴木編集長はソーシャルレンディング最大手のクラウドバンクに2000万円を投資していたが、4月、償還遅延が明らかになったという。現役世代の投資家が急速に広がるソーシャルレンディング業界で、なぜ不祥事が相次ぐのか。2人に聞いた。

巨額の海外マネーの受け皿となり、膨張を続ける日本のプライベートエクイティ(PE)市場は「黄金期」に入ったとされる。まだ投資に回していない待機資金の累積額は10兆円規模に積み上がり、日本企業の“爆買い”が今後加速するのは間違いない。ではPE市場で注目すべきプレーヤーは一体誰か。26社の最新カオスマップで、知られざる業界の構図と課題を明らかにする。

#1
長野県の地方銀行である八十二銀行が、昨年の株主総会で株主提案を行ったファンドに対し、総会直後に投資を持ち掛けていたことが分かった。会社法で禁じられた「利益供与」に当たる可能性があるとファンド側は問題視し、今年6月開催予定の株主総会で、情報開示を求める株主提案を出したことも判明した。

#4
ソーシャルレンディング最大手、クラウドバンクには、開示資料には一切名前が出ていない実質オーナーが存在する。この実質オーナーが別の上場会社に手を伸ばし、クラウドバンク株式を道具にした「錬金術」のような取引を行っていたことが分かった。謎に包まれた素性を、関係者への取材で明らかにする。

#9
ベネッセホールディングスが昨年5月、MBO(経営陣による買収)により上場廃止した。創業家の福武家がそのパートナーに選んだのが、欧州のプライベートエクイティ(PE)ファンドのEQTだ。米系がPEファンドの主流を占める中で、2021年に日本に進出したばかりのEQTを、なぜ福武家が選んだのか。EQTパートナーズジャパンの丸岡正会長のインタビューで明らかにする。

#8
プライベートエクイティ(PE)ファンドの世界的大手が米ブラックストーン・グループだ。日本のPE市場に進出したのは2018年で、競合のカーライルやKKR、ベインキャピタルより遅い。だが、それでも勝算があると、坂本篤彦 ブラックストーン・グループ・ジャパン代表は言う。

#6
外資系の大手プライベートエクイティ(PE)ファンドで最も早い2000年に日本に進出したのが、米カーライルだ。これまで40件以上のPE投資を行い、日本のPE市場を開拓した「パイオニア」を自負する。カーライル在籍23年の山田和広・日本共同代表は、日本市場が今後「黄金期」に入り、財閥系企業を含む業界再編の重要な役割を果たすと予言する。

東京証券取引所スタンダード上場のクシムの伊藤大介社長ら取締役が会社に著しい不利益を与えたとして、第三者の仮取締役選任を申し立てた決定が4月1日、東京地裁であった。地裁は申立人の主張を認めて仮取締役を選任、伊藤社長ら取締役6人が事実上の“クビ”となる前代未聞の異常事態が発生した。

#5
東芝メモリ(現キオクシア)や日立金属(現プロテリアル)など、これまで数々の大型買収を手掛けてきた米プライベートエクイティ(PE)ファンド、ベインキャピタル。その投資額は2006年の日本進出以来、企業価値ベースで7.6兆円に上る。PE投資の共同責任者を務める2人がメディアのインタビューに初共演し、さらなる投資加速を宣言。そして競業のKKRと争奪戦を演じた富士ソフトの「予告TOB」問題について見解を述べた。

#3
ソーシャルレンディング最大手、クラウドバンクの内紛は、元社長の金田創氏が実質オーナーと融資先との不適切な関係を調査しようとしたことに端を発した。その金田氏が取材に応じ、社内の公益通報窓口に不正を公益通報した直後に解任された経緯を明らかにした。証言が事実であれば、公益通報者保護法違反に当たる可能性もある。金田氏の独占インタビューを公開し、不正の実相や“黒幕”である実質オーナーの人物像について明らかにする。
