米国は「孤立」深まる
同盟国とも“ギャップ”

 こうした中国の影響力の強まりや積極外交は、米国外交の変化との対比でも、考える必要がある。

 米国は多国間のアプローチから二国間のアプローチへと大きくかじを切り、「米国第一」の取引的アプローチにシフトし、同盟国との価値の共有を軸とした「志を同じくする(ライク・マインド)」諸国との協調から大きく遠ざかり始めている。

 とりわけ欧州同盟国との信頼性のギャップは深刻だ。

 米国が地球温暖化パリ協定やイラン核合意、あるいは中距離核戦力(INF)全廃条約から離れ、エルサレムへの大使館の移転など中東で一方的行動に出ているだけではなく、NATOへのコミットメントも揺らいでいるような印象を与えている。

 米欧の貿易摩擦も火を噴きそうだ。また、Brexitや各国でのポピュリスト政党の躍進はEU自体の結束を損ねていくのだろう。

 米中の対峙はどんどん深刻化していくが、国際社会において米国が信頼性を失っていく結果、冷戦時代の旧ソ連を孤立させる西側の協調といった図式にはならないことを頭に入れておく必要がある。

 中国に肩入れするという意味ではなく、中国の巨大な市場や生産拠点としての魅力もあるので、国際社会が米国支持一辺倒になるということは、もはやないと考えられる。

日本はどう向き合うか
指導力低下の米国と経済依存深まる中国

 こうした変化を考えると、日本にとっても「令和」の時代の外交はとても難しいものになる。

 米国の指導力が急速に低下し、同盟国との信頼性のギャップが広がる。欧州は結束を欠く。この間、中国の影響力が飛躍的に拡大する。
 そして少子高齢化で国内の需要が減っていく日本は必然的に成長率の高い中国への経済的依存が深まる。