公正取引委員会が、コンビニエンスストア業界に加盟店との取引改善を強く迫っている。ミニストップがいち早く見直しに踏み切る中、身構える大手3強は今後どう動くのか。特集『超楽チン理解 決算書100本ノック』(全17回)の#7では、各社の業績と会計処理のカラクリから、その動向を読み解く。(ダイヤモンド編集部 中村正毅)
加盟店の経営を苦しめる
「コンビニ会計」のわな
コンビニエンスストア業界に今、さざ波が立っている。
きっかけは今年9月、公正取引委員会が大規模な実態調査を基に、コンビニ各社に対し加盟店との取引形態について改善を強く迫ったことにある。
中でも業界を慌てさせたのが、「コンビニ会計」と呼ばれる業界独自の会計方式の問題点に、公取委が切り込んできたことだ。
そもそもコンビニは、ここ数年アルバイトの人件費の上昇が止まらない状況にあった。それが丸ごと加盟店の負担となり、オーナーの手元に残る利益がじりじりと減少するという、苦しい状況に置かれている。
その状況を生み出している元凶の一つが、まさにコンビニ会計であり、公取委は「サステナブル(持続的)なシステムとはとてもいえない」(幹部)と問題視しているわけだ。
実際に、加盟店が結ぶフランチャイズ(FC)契約に目を向けると、本部から「搾取」されやすい会計上のカラクリが見えてくる。