ダイヤモンド編集部の農家アンケートでは
中川への不支持表明や、退陣を求める声も

 最後に、京都府の農家が農協についてどう思っているのかをまとめておく。

 以下は、ダイヤモンド編集部が行った全国の担い手農家を対象にしたアンケート(調査方法などの詳細は本連載#4『野中広務が陳情されたJAグループ京都「会長人事介入」、政治史の知られざる分岐点の顛末』参照)において、中川が会長を務めるJA京都の管内で農業を営む農家が回答した内容だ。

■2020年の回答

「京都府の農協中央会トップが、自分の息子を農協の弁護士として起用している。農協の私物化ではないか」

「農協を私物化している」

「農協が前向きな組織になれば、農家所得が上がると思う。しかし、現在の農協は関わるだけ時間の無駄だし、関わることでマイナスになる恐れがある」

■2021年の回答

「農協はコメ農家を相手にしていない。買い取り価格は安い。担い手対策もない。地域に入ろうとしない。ビジョンもない」

「古い付き合いのある人しか優遇しないし、情報も出さない。生産振興に力を入れていない。やる気があるのは共済(保険事業)のみ」

「トップが農協を私物化している。(ダイヤモンド編集部は)もっと私物化を明らかにしてください」

「(中川)会長は退任するべきだ。在任期間が長過ぎる」

「トップが強過ぎて、職員のやる気がない。2年ごとに職員が異動するので付き合ってもむなしい。将来のビジョンを描けない」

「農家支援自体を実質行っていない」

 このように、農業の現場からは辛辣な言葉が寄せられている。

 次回以降では、中川によるJAグループ京都の恐怖支配を明らかにしていく。(敬称略)

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