みずほが、不祥事を何度繰り返しても生まれ変われず、金融庁に「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない」と企業文化を酷評されるに至ったのはなぜか。その真相をえぐる本特集『みずほ「言われたことしかしない銀行」の真相』(全41回)の#27では、「みずほ復活」を市場関係者が信じた2000年代半ばにさかのぼる。
02年の3行統合時に発生したシステム障害から3年。国内最大規模の顧客基盤を抱える“巨人”みずほは、「復活したと見ていいのでは」と市場関係者が語るほどまで状況が好転した。その理由とは?そして、3年の遅れをどう取り戻し、巻き返しを図るのか。みずほの戦略を追った。
「みずほは復活したと見ていいのでは」
市場の評価を得ることができた理由
2005年7月27日。みずほ銀行(BK)が資本増強のために募集した10年物劣後債が、市場関係者を驚かせた。
機関投資家たちの関心が高く、300億円を予定していた発行額が、あっという間に400億円まで積み上がったからだ。
しかし、驚きはそれだけではなかった。国債に対する上乗せ幅(スプレッド)が年0.39%と、20日ほど前に東京三菱銀行が発行した劣後債のスプレッド同0.40%を下回ったのだ。
スプレッドは小さいほど安全とされ、財務の健全性を看板とする東京三菱のスプレッドを下回る劣後債など、これまでなかっただけに、市場関係者は「みずほは復活したと見ていいのでは」と語る。
なぜ、市場の評価を得ることができたのか。