日経平均は「大企業が今まで以上に稼げるか」で決まる
しばらくの間は上昇を続けるだろう

 日経平均は、この後も長期的に上昇を続けるのでしょうか?

 長期的に上昇を続けている株式指標の一例として、アメリカの代表的な株式指標であるS&P500はこれまで100年以上、右肩上がりで堅調な上昇を続けてきたことで知られています。途中で大恐慌やブラックマンデー、ネットバブル崩壊やリーマン・ショックがあったにもかかわらず、5年から10年のスパンで見れば常に株価は右肩上がりになるのです。

 この要因は、過去100年以上にわたってアメリカ経済は途切れることなく長期成長を続けてこられたことと、S&P500を構成する大企業はその中でも特に稼ぐ力が大きい企業ばかりが残っているという点が大きかったと思われます。

 一方で、日経平均が1989年から2024年までほぼ35年間、高値を更新できなかったのはなぜなのか。日本経済が成長できていないことが最大のマイナス要因でしょう。

 ただ、ここが重要なことですが、日経平均株価は2000年以降、基本的にわが国の法人の利益の合計額と非常に高い相関率を持って上がってきているということです。リーマン・ショックや超円高のころに日経平均が低く、アベノミクス以降に日経平均が右肩上がりになった現象は、企業全体が稼ぐ利益が増えたことで説明できるのです。

 別の言い方をすると、日本株の場合、GDPは相関要因としてはある意味でどうでもよく、大企業が海外市場を含めて今まで以上に稼げるかどうかで日経平均は上がっていくのです。その観点で言えば、日経平均はしばらくのところ上昇が続くことが予想できます。日銀が低金利政策を維持して、円安が続くことで、輸出企業の業績が堅調に推移しそうだからです。