日経平均はあと1年くらい
上昇を続けるだろう

 それで、「そのことが悪いことなのか?それとも良いことなのか?」を考えると、悪いのは「構成バランスがおかしい」ということだけです。

 日経平均が上がるかどうかを考えると、今の偏った構成比は「日経平均が上がるためには良いことだ」という現象が起きています。

 日経平均を構成する個々の企業がどれだけの構成比を占めているかを表した図表のことをヒートマップといいます。最新のヒートマップを眺めてみると、細かい点としては「なんでTDKやテルモがこんなにでかいんだ!」と気になる点もあるのですが、概ね構成比の大きい銘柄の株価は円安基調で上がりそうです。

「要するに、トップ5以外にもレーザーテックやソニーやKDDIやNTTデータやダイキン工業の業績が上がれば日経平均は上がるんだろう?」とか「トヨタや三菱商事、三井物産、セブン&アイなども構成比は一段劣るけど、業績は絶好調だし」というように未来が読めるのです。

 その意味で、日経平均を構成する銘柄とその重要度を眺めれば眺めるほど、日経平均はあと1年ぐらい上がっていくのではないかと思えます。

 未来予測として不安定なのはその先です。

 中国経済の不動産バブルが本格的に崩壊したらどうなるだろうとか、トランプ大統領が誕生して日本の輸出企業の勢いが鈍化するんじゃないかとか、本格的にグローバルサウスとの分断が広がってエネルギーや食糧の供給が滞るんじゃないかとか、そこから先はわからないことがたくさん出てきます。

 とはいえ、この先1年は投資先は日経平均でいいんじゃないかと思えるという話です。

 おそらく株価という意味では、企業業績がいいことからアメリカ株も日経平均同様に上がるでしょうし、アメリカ、日本、ヨーロッパなどを総合した人気のオールカントリーの投資信託も上がるでしょうから、新NISAを始めた個人投資家にとっては2024年は良い年になるのではないかと予測できます。

 しかし問題は、そのことと日本経済自体がどうなるかというのは別物だということです。