難関国公立大は一般選抜9割
下位大学は1~2割が珍しくない
23年度入試で大学全体の一般選抜比率は47.9%と半数を割り、初めて年内入試の割合が半数を超えた。私立大の一般選抜比率については39.7%まで縮小している。
大学群別に見ると、「旧七帝大」(東京大学、京都大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学)など難関国公立大学の一般選抜比率は9割前後が多く、準難関国公立大になると8割前後が多くなる。これらのクラスは一般選抜で受験生がしのぎを削り、難関・準難関以外となると、幅が下に広がる。では私立大はどうか(下図参照)。
最難関「早慶」(早稲田大学、慶應義塾大学)、首都圏の難関「MARCH」(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)、首都圏の中堅「日東駒専」(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)、関西の難関「関関同立」(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)の一般選抜比率は5割台、6割台が目安だ。なお早慶を例に、「内部進学組は中学入試などで先に受験勉強して厳しい選抜を通っている。彼らも含めたら一般選抜比率は8割くらいになる」(比良寛朗・早稲田合格塾代表)という見方もある。
上位大学では、一部の大学は例外だが、総じて一般選抜による入学が過半を占める。対して、関西の中堅「産近甲龍」(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学)あたりから5割を切る大学、首都圏で日東駒専の下の大学群になる「大東亜帝国」(大東文化大学、東海大学、亜細亜大学、帝京大学、国士舘大学)あたりから4割を切る大学が出てくる。
関西で産近甲龍の下の「摂神追桃」(摂南大学、神戸学院大学、追手門学院大学、桃山学院大学)では2割台の大学もあり、下位私立大学は1~2割が珍しくなくなった。
一般選抜比率が低くなるほど、上位高校らの一般選抜受験組からそっぽを向かれ、日東駒専などメジャー大学群との併願ラインから外されてしまう。こうして年内入試メインの大学は一般選抜が機能しなくなっていき、「一般選抜入学者ゼロ大学」が大量発生する時代がやって来るだろう。