クレジットカード比較
2013年9月27日 ザイ・オンライン編集部

アベノミクスの「成長戦略」で検討されている
「ライフ・アシスト・ポイント」制度の導入で
クレジットカードの還元率が大幅アップ!?

 9月4日、楽天やサイバーエージェント、GMOインターネット、グーグルなどのIT関連をはじめとした企業が参加する新しい経済団体「新経済連盟」の代表理事を務める三木谷浩史楽天株式会社会長兼社長が会見し、「景気浮揚に向けた『ライフ・アシスト・ポイント』の推進を図りたい」との意向を示したという報道があった。

 さて、新経済連盟が推進を目指す「ライフ・アシスト・ポイント(LAP)」とは何なのか?

クレジットカード利用額に応じて、政府が5%のポイント還元を実施!?

 「ライフ・アシスト・ポイント」とは、クレジットカードの利用金額に応じて政府がポイントを付与する消費刺激策で、「家電エコポイント」や「住宅エコポイント」、「エコカー減税」のように商品を限定しない分、あらゆる消費者、あらゆる小売業者に恩恵があると言われている政府主導によるポイント制度なのだ。

 ポイント還元率などの詳細は未定だが、「クレジットカードの年間利用額50万円以上(もしくは四半期毎の利用額が12万円を超えた部分)」を対象に、「還元率は5%程度」で「年間最大付与額10万円」というのが有力で、ポイントの還元方法は「家電エコポイント」と同様、商品券や指定商品との交換が検討されている。

 現在は、「ライフ・アシスト・ポイント」の導入に向けて2012年3月に設立された「ライフ・アシスト・ポイント協議会」には、セブン&アイホールディングスやJフロントリテイリング(大丸、松坂屋)、高島屋、三越伊勢丹ホールディングスなどの大手小売業者や、クレディセゾン、ジェーシービー、三井住友カードなどのクレジットカード発行会社などを中心に合計70社以上が参加し、制度の内容を協議して政府に働きかけている段階だ。

 当初、民主党時代に景気刺激策の一環として「日本再生戦略」での導入が検討されていたが、昨年末の自民党政権誕生後もアベノミクスの「成長戦略」の一環として、引き続き検討されていると言われており、制度導入の準備は着々と進んでいるようだ。

 その証拠に、「セゾンカード」を発行する「クレディセゾン」は、今年5月の決算説明会で「ライフ・アシスト・ポイント」に触れている。

個人消費の底上げでデフレ脱却、税収増加の効果も?

クレディセゾンは決算説明会で「ライフ・アシスト・ポイント」導入に向けて先行投資を行うと発表した
クレディセゾンは「ライフ・アシスト・ポイント」導入で、クレジットカード決済の割合が12.1%⇒18%に増えると予測している

 「クレディセゾン」の決算説明会資料によると、制度導入の目的は「GDPの半分を占める個人消費を底上げし、経済成長率を押し上げ、消費者物価や賃金を上昇させ、デフレ脱却と失業率低下を図る」「個人消費は産業全般にわたるため、食料品から耐久消費財・サービス財まで幅広く波及効果が期待でき、地方経済の活性化にも繋がる。結果、税収も増加し、国の財政問題にも寄与できる」とし、具体的には「約11.7兆円の最終消費支出の純増(民間最終消費+4.3%)」、「約18.5兆円のクレジットカード取扱高の純増」、「約1.3兆円の税収効果(消費税+法人税)」などの効果が見込めると予想している。

「ライフ・アシスト・ポイント」導入による具体的な業績への影響には触れていないが、決算説明会で話が出る程度には、実現に向けての手応えがあるということだろう。

 確かにここ数年、さまざまな会社がクレジットカードやポイント事業を改編し始めており、ざっと見渡しただけでも、以下のような試みが行われてきた。

①楽天が2014年秋を目途に、「楽天スーパーポイント」をネットだけでなく、リアル店舗でも利用できる「Rポイントカード」を発行する計画を発表。
②Yahoo!JAPANがポイント制度をTSUTAYAの「Tポイント」と統合。「Yahoo!JAPAN JCBカード」などクレジットカード発行にも注力。
③リクルートが従来の各サイトのポイントを「リクルートポイント」に統合し、新たに還元率2%の「リクルートカードプラス」を発行。

 これらの事業展開を行っているのも、実はこの「ライフ・アシスト・ポイント」導入に向けた布石なのかもしれない。

 では、実際に「ライフ・アシスト・ポイント」制度が導入されれば、消費者にとってはどのようなメリットがあるのだろうか。また、「ライフ・アシスト・ポイント」制度の導入で得するクレジットカードは、これまでのおすすめクレジットカードと変わるのだろうか。

カード+店舗+ライフ・アシスト・ポイントで
ポイント還元率は最大10%に達する可能性も!

 「ライフ・アシスト・ポイント」導入で、現在のポイント還元に加えて「5%前後」が還元されるとしても、おすすめのクレジットカードは従来通り、高還元率のクレジットカードであることに変わりはないだろう。

 もし、本当に「ライフ・アシスト・ポイント」制度が導入されれば、「クレジットカードのポイント還元(1~2%)」+「ショップのポイント還元(1~3%)」+「ライフ・アシスト・ポイントによるポイント還元(5%)」で、高還元率なクレジットカードを利用していれば、最大還元率は10%近くにまで上昇する可能性がある。

 さらに、本格的に「ライフ・アシスト・ポイント」制度の導入が決まれば、クレジットカードの取扱高が増えることは確実で、それを見越したクレジットカード発行会社やポイント事業を行う会社によって、今以上に「高還元率」や「ポイントの価値向上」など、顧客を囲い込むための大規模なキャンペーンを開始することも考えられるだろう。

 また、「ライフ・アシスト・ポイント」による消費増加の恩恵を受けたい企業による「クレジットカード決済が可能になる利用範囲の拡大」なども見込めそうだ。

 ただし、懸念されるのは「クレジットカードの利用増加による多重債務者の増加」。実際、1997年のアジア通貨危機後に、今回の「ライフ・アシスト・ポイント」と似た「クレジットカードによる消費刺激策」を導入した韓国では大きな効果が見られた一方、多重債務者の増加が社会問題になった点には注意しておきたい。

 とはいえ、「ライフ・アシスト・ポイント」が導入されれば、クレジットカード利用者すべてが恩恵を受けられる点では、「家電エコポイント」や「住宅エコポイント」、「エコカー減税」などに比べて利用しやすく、これまでよりも消費が活性化されるのは間違いない。

「ライフ・アシスト・ポイント」導入の行方を見守りながら、同時に今後ますます増えるであろう「高還元率でお得なクレジットカード」の登場にも注意しておこう。