井手ゆきえ
Number 489
新型コロナは糖尿病があると重症化しやすい理由
新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の流行で、高齢者と並び「基礎疾患」を有する人の重症化リスクが注目されている。

Number 488
自閉症スペクトラム障害を利尿薬で改善か、3~6歳児で効果確認
対人関係やコミュニケーションに問題を抱える自閉症スペクトラム障害(ASD)。100人に1人が該当するといわれている。小さいうちに療育や支援につなげることができれば、本人と周囲の「生きづらさ」を改善し、不適応から生じる「二次障害」を未然に防ぐことができる。

Number 487
男性がん患者向け「外見」ケアの無料ガイドブックが相次ぎ発行
男性がん患者の「アピアランスケア」ガイドブックが相次いで発行されている。

Number 486
思春期に注意したい「鉄不足」、認知機能の発達に欠かせない
鉄不足と聞くとすぐに「貧血」が思い浮かぶが、実は脳の発達やセロトニンなど神経伝達物質の合成にも深く関わっている。特に、脳組織が爆発的に成長する新生児~乳幼児期と、高次の認知機能が発達する思春期の脳には鉄分が不可欠だ。

Number 485
高齢者の筋力・活動低下を予防「フレイル健診」4月からスタート
この4月から75歳以上の後期高齢者を対象に、いわゆる「フレイル健診」が始まる。フレイルとは筋力や身体の機能全般が低下し、生活に支障がでる直前の段階を指す。

Number 484
加熱式たばこの利用状況を初調査、女性は全年代で「紙巻き派」
先日、厚生労働省より「国民健康・栄養調査(平成30年)」の結果が公表された。今回は初めて「加熱式たばこ」の喫煙状況が調査されている。

昨年末、中国湖北省・武漢で発生した新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)。今月13日には国内初の死亡例が公表されたほか、感染経路がはっきりしない症例の報告が続いている。2003年に世界的に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)と比較しながら、今後の対策を考えてみよう。

Number 483
鼻血の正しい対処法、ティッシュを詰めるより圧迫止血が先
鼻血(鼻出血)の診療ガイドラインが出たと聞くと「大げさな」と思うかもしれない。確かに鼻を圧迫して止血できる程度ならいいが、「血液サラサラ薬(アスピリンや抗凝固薬)」を飲んでいるために出血リスクが高い、あるいは多量の鼻血を繰り返すようなら適切な対応が必要だ。

新型コロナウイルス(2019-nCoV)による新型肺炎の話題に隠れてしまったが、昨日の2月4日は「風疹(しん)の日」。2020年2月3日現在、新型肺炎のウイルス(2019-nCoV)の基本再生産数――1人の患者から何人に感染させるかという「移りやすさ」の指標は1.4~2.5で、ほぼ季節性インフルエンザ並み。抗ウイルス薬候補が見つかったこともあり、今後、冷静に対応することで少なくとも日本国内では鎮静化へ向かうと思われる。一方、風疹は1人の患者から5~7人に移す強い感染力を持ち、影響も大きい。本来ならもっと警戒されていいはずの感染症だ。新型肺炎のような新しい感染症だけでなく、古い感染症に対する警戒や関心も高めるべきだ。

第474回
白内障の多焦点眼内レンズのメリットとデメリット、4月から「選定医療」に
昨年末に開かれた「中央社会保険医療協議会(中医協)」で、白内障の水晶体再建術に対する「多焦点眼内レンズ(多焦点レンズ)」を現在の先進医療から、4月以降「選定療養」に変更することが大筋で合意された。

第473回
「芸術的な活動」で死亡リスク減、年1~2回でも効果あり
英国では2002年から50歳以上の男女を対象に社会生活と健康の関係を調査する「ELSA(平均年齢65.9歳、女性53.6%)」を行っている。昨年末の報告では、美術館やコンサートに行くといった「芸術的な活動」に接する機会が多いほど、死亡リスクを減らす可能性が指摘された。

第472回
「患者さんのための肺がんガイドブック」、患者会も参加し学会が初刊行
先月、日本肺癌学会から「患者さんのための肺がんガイドブック」(金原出版)が刊行された。この数年で肺がん治療が大きく進化したことを受けたもので、同学会が患者・家族向けに疾患解説書を出すのはこれが初めて。

第471回
日本人はワイン1杯でも発がんリスクが上昇、「ほどほど飲酒」の是非
過度な飲酒が健康を損なうことは広く知られているが「ほどほど飲酒」については評価が分かれている。

第470回
インフルエンザ流行のピークはこれから、予防接種済みの人も警戒すべき理由
今シーズン(2019~20年)のインフルエンザは立ち上がりが早く、流行のピークも例年より、早まる兆しがみえている。

第469回
お正月こそ、家族で「人生会議」を開催すべき理由
厚生労働省が公表した「人生会議」のポスターが賛否両論を呼んだことは記憶に新しい。結果としてメディアの注目を集めたのはけがの功名か。

第468回
2型糖尿病には「プチダイエット」を、現体重の10%減で寛解の可能性高まる
現在、2型糖尿病(2DM)が強く疑われる人は、約1000万人、このうち通院加療している人は約329万人とされている。2DMは血糖値を下げるホルモン「インスリン」の分泌障害や、加齢や過食、肥満の影響でインスリンに対する反応が鈍くなり生じる内分泌疾患だ。

第467回
「血液サラサラ」薬やサプリに要注意、併用が原因で緊急入院の例も
脳・心血管疾患の経験がある人は、大切な血管が再度詰まらないように「血液サラサラ薬」──抗血栓薬や抗凝固薬を処方されることが多い。その際、血液サラサラ傾向、つまり出血傾向を助長する可能性がある食品やサプリメント(サプリ)、ほかの薬との併用について注意をされるのだが、困ったことに気にしない人が少なくない。

中高年~高齢者の突然死――発症から死亡までが24時間以内の8割以上は、心血管疾患が原因だといわれている。特に飲水量が減り、飲酒の機会が増えるこれからの季節は、脱水、アルコールの多飲、そして屋内外の寒暖差という条件が重なり、リスクが上昇する。12~2月の突然死は夏の5~7倍で、思わぬ落とし穴になるのが家庭内の風呂場だ。

第466回
高血圧で降圧剤を飲むなら朝より就寝前がいい理由
成人の2人に1人が高血圧を指摘される時代。どうせ降圧剤を飲むなら、きちんと目標を達成する飲み方をしたい。

第465回
変形性膝関節症「非手術療法」ガイドラインが改訂、飲み薬より湿布・塗り薬を推奨
国内におよそ800万人の患者がいると推定される「変形性膝関節症(膝OA)」。整形外科領域では腰痛に次いで2番目に多い疾患だが、日本には診療ガイドライン(GL)がなく、今のところ関連する国際学会のGLを翻訳して利用している。
