
山崎 元
筆者はこれまで、投資対象としてアクティブファンドではなくインデックスファンドを勧めてきた。アクティブファンドは平均の運用成績がインデックスファンドに劣り、どのアクティブファンドが相対的に優秀なのか選ぶ方法がない。それらを踏まえて判断すると、手数料が高いアクティブファンドに投資するのは合理的ではないからだ。しかし、今回は面白いアクティブファンドを見つけたので取り上げてみたい。

日本にもインフレがやって来ている。心配なのは、日本銀行が金融政策を利上げに転じ、円高になることを望む声があることだ。円高に耐えて構造改革せよという「根性論的勘違い」ではないかと思うし、自殺行為だ。日本のインフレ対処にはもっと別にやるべきことがある。

サントリーホールディングスの新浪剛史社長が唱えた「45歳定年説」は炎上めいた騒ぎとなったが、「45歳」は60歳以降のセカンドキャリアを考えるにはピッタリの時期だ。「45歳定年説」にも、45歳くらいで全く新しい仕事に取り組めるようにビジネスパーソンは自分を磨いて準備をしておくべきだ、という高い水準に真意があったのではないか。

世間では、高齢になったら株式のようなリスク資産を減らし、債券や預金のような安全な資産の比率を増やした方がいいと言われている。しかし、今回はこの定説に待ったをかける。そして、親と子どもが協同して親の資産の運用を行う「2世代運用」をおすすめしたい。

「新しい資本主義」を掲げる岸田文雄首相だが、岸田首相に任せておくと、福祉国家と新自由主義のそれぞれのメリット部分を選んで捨てる組み合わせになりそうで心配だ。矛盾するように感じるかもしれないが、「小さな政府で大きな福祉」が目指すべき「新しい資本主義」の姿だと筆者は考える。そして、ベーシックインカムならそれが実現できる。その理由を説明したい。

新型コロナウイルスの新規感染者数が急増し、感染拡大「第6波」の到来が取り沙汰されている。しかし、ワクチンが普及し、治療薬も出回りつつあり、私たちにはこれまでの経験の積み重ねがある。コロナも3年目だ。そろそろ付き合い方を考え直し、個人の自由な選択を基本とするように「考え方」を変えるべき頃合いではないだろうか。

「大学生にお金の知識を授ける活動を行ってほしい」と要望するメールを大学4年生から受け取った。彼によると、あやしい投資話にハマる同級生がいたり、早くもカードローンに手を出して高い金利を払っていたりする大学生もいるらしい。その調子で卒業・就職すると、社会人のスタート時点から無駄な損を抱え込みそうだ。そこで先生役を期待される筆者の側で、大学生にお金について何を伝えたいかを10個の原則にまとめてみた。

まとまった時間がとれる年末年始は、転職を考える人や実際に転職する人が多い時期だという。そこで転職を12回経験した筆者が、転職する際の退職の作法をお伝えしたい。退職に失敗して元の職場に残って気まずい思いをした人や、退職はできたが転職に失敗して無職になってしまった人を目撃してきた。読者にはそんな不幸な退職を味わってほしくない。

8月に『日本版「SPAC」の導入に反対する3つの理由、矛盾した汚い仕組みは必要ない!』というタイトルで、日本版SPACの導入反対論を書いた筆者だが、考えを変えた。現在の新規株式公開(IPO)よりもマシかもしれないと考えたからだ。現在のIPOプロセスはSPACで考えられる以上に「悪い」ものである可能性がある。その理由を説明しよう。

岸田内閣の目玉政策「10万円相当給付」の評判が悪い。特に、5万円分をクーポン券で支給することに対して批判が集中している。そこで「聞く力」があると自認する岸田文雄首相へ「良いバラマキ政策」を実現するための六つの作法を送る。「バラマキ」という言葉の響きに怯まずに、「良いバラマキ政策というものがあるのだ」と胸を張ってほしい。

新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の登場で市場に動揺が走っている。日経平均株価も急落し、「オミクロンショック」とも呼ばれている。しかし、オミクロン株が再び世界と日本の経済を数カ月単位で停滞させる悲観シナリオに傾いたとしても、投資家がすべきことはたった一つだ。

みずほフィナンシャルグループとみずほ銀行の両トップが引責辞任する方針を表明した。しかし、トップをすげ替えれば問題が解決するわけではないことは、みずほ自身が証明している。そこで今回は、みずほの「空想上の指名委員会」に属する忖度なき社外取締役となり、みずほの体質を根本的に変えるための人事を読者とともに考えてみたい。

マイナンバーカードの申請やマイナンバーと銀行口座(公金受取口座)のひも付けといった条件をクリアすると、最大2万円相当分のマイナポイントが付与されるという。税務署が怖くて銀行口座とマイナンバーのひも付けを嫌がる人は多いが、先入観で勘違いしている場合も多い。一方、国は「同調圧力戦略」でマイナンバーの浸透を図るが、国民を不安にさせる大問題を放置したままだ。あなたと国は、マイナンバーをどうするべきか。

東芝に米ゼネラル・エレクトリック(GE)、米ジョンソン・エンド・ジョンソンが立て続けに会社を分割する計画を発表した。筆者は、この「会社分割」が今後、案外はやるのではないかと思う。しかしそうなれば、分割される会社で働いてきた社員にとっては「残酷な未来」が待っているだろう。コストカットやリストラに対する圧力の高まりや労働強化、そして経営幹部と社員の間の格差拡大が予想されるからだ。

「18歳以下に一律で10万円の現金を給付」するとされていた政策案が、自民・公明両党の幹事長会談を経て変容した。5万円分は教育関連に使途を限定したクーポンに姿を変えてしまったのだ。この「クーポン」と、自民党が主張している「所得制限」の導入が、いかに不公平で非効率で頭が悪すぎるかをお伝えしたい。

10月31日の総選挙は、立憲民主党の惨敗に終わった。与党に対する批判票の受け皿になれなかった理由は大きく二つ。一つは、枝野幸男代表をはじめとする民主党政権時代の「悪いイメージ」がつきまとう人々だ。これについては、枝野氏が代表を辞任する意向を表明したが、もう一つの理由として、日本経済を任せるのはあまりにも心配だと思う「残念な経済政策」が挙げられる。これを刷新し、立憲民主党が立ち直ることに期待したい。

2022年度から高校の授業で、株式や債券、投資信託などの金融商品や資産形成について教えることになる。この件について、金融の世界に長く身を置く筆者が抱く二つの不安と、高校生に本当に教えたい10の金融知識をお伝えしたい。

岸田文雄首相が、自由民主党総裁選の選挙戦中から掲げるキャッチフレーズである「新しい資本主義」が、なんとも「気持ち悪い」。心情としては「キモい!」と叫びたいくらいだ。筆者がそう感じるさまざまな理由をお伝えしたい。

岸田文雄首相が、自民党総裁選の際に看板政策の一つに掲げた金融所得課税の強化について、早くも当面先送りすると方針を後退させた。金融所得課税の税率引き上げは「ダメな理由」が二つあり、その判断自体は適切だ。しかし、一国の首相の言葉がこんなに軽いことについては問題視せざるを得ない。

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が全面解除された。この機会に、次の新型コロナウイルスの感染流行があり得ることも考えつつ、お酒を飲む側で心掛けておきたい行動ルールを「5原則」にまとめてみた。
