浅川澄一
第117回
介護と医療の政策で「予防」が躍り出てきた。社会保障費の急増を何とか抑えようと政権はいろいろ策をめぐらしてきたが、うまくいかない。そこで昨今打ち出してきたキーワードが「予防」である。その「予防」をめぐってひと騒動が起きている。

第116回
介護保険制度は、費用抑制が一段と強化されそうだ。その一環として、高齢者の自立支援・重度化防止等に取り組み成果を上げた自治体に、国が交付金を渡す「インセンティブ交付金」の仕組みが盛り込まれた。だが、この制度は大きな問題を抱えている。

第115回
仙台市で株式会社「未来企画」が運営する「アンダンチ」は、政府が掲げる「地域共生社会」の先駆例だ。「アンダンチ」とは、仙台の方言で「あなたの家」のこと。アンダンチでは、高齢者と子ども、障害者、地域住民が共生して交流し合う。

第114回
日本より5年前に介護保険制度を始めたのがドイツだ。日本と似たような仕組みがあるが、ドイツでは自宅での家族や友人などからの介護を受けると、現金給付が得られる点が日本と大きく異なる。しかし、その家族介護の状況も変化しつつあるという。

第113回
ドイツのボンから南東に車で約1時間、農村地帯のマリエンラッハドルフに、高齢者向けの賃貸住宅「プッシュ」がある。「プッシュ」は、単なる高齢者の共同住宅ではなく、「農場ケア」を取り入れたか画期的な住宅だ。

第112回
今回のドイツの高齢者ケア視察のテーマの一つは看取り、終末期の対応であり、ホスピスは格好の訪問先である。訪ねたのは、ケルンから西へ車で1時間半、人口24万人のアーヘンにあるドイツで初めて誕生したホスピスだ。

第111回
高齢者ケアの大目標とされている「地域共生社会」だが、その内容がどのようなものなのかなかなか伝わってこない。そんな中で、参考になるのが神奈川県藤沢市で団地を活用した小規模多機能型居宅介護施設を運営する「ぐるんとびー駒寄」だ。

第110回
東京都福生市の公立福生病院での人工透析治療をめぐり、様々な疑問が浮上している。透析患者の死亡までの経過だけでなく、延命治療や終末期医療、腎臓移植、尊厳死、QOL、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)など多くの検討課題が俎上に載ってきた。

第109回
認知症の人や知的障害者などの生活を支え、かつ財産管理を代行する成年後見制度が転機を迎えている。現状では、家族ではなく、弁護士という専門職が後見人に選出されることが多い状態だが、3月18日に突如、最高裁判所がこれを見直すと表明した。

第108回
鹿児島県の高齢者施設「風の舞」で10月中旬から約1ヵ月の間に、7人が亡くなる事件が起きた。この「施設」は「住宅型有料老人ホーム」である。と言われても、「普通」の有料老人ホームとどこが違うのか分かりにくい。

第107回
がんの治療法や副作用対策は日進月歩で進んでいるが、患者がどのような状態で終末期を過ごしているかはほとんど明かされなかった。そこへ国立がん研究センターが昨年の12月26日に、がん患者遺族対象の初の全国調査を公表した。

第106回
入管法の改正で来年4月から5年間で、35万人の外国人が新たに働くことになった。しかし、これで人手不足が解消するのだろうか。人手不足の根本原因は極端な出生数の減少による少子化だ。出生数の回復に全政策を傾注することこそが肝要だろう。

第105回
介護保険で真正面から取り組まれなかった認知症ケアだが、認知症の人への考え方や基本理念、方針、政策などを集約させた認知症基本法制定への動きが高まってきた。公明党が9月に「認知症施策推進基本法案・骨子案」を定め、自民党も独自案を提案する予定だ。

第104回
著名人の死亡記事で「老衰死」を目にすることも多くなった。それにもかかわらず、人口動態統計調査では2017年の死因のうち、老衰は7.6%しかない。なぜだろうか。疑問を解くために死亡診断書の記入法を点検した。

第103回
9月の初旬に英国を訪れ、エディンバラとロンドンの高齢者施設を視察してきた。今回の視察で、終末期に向けた新たな施策を知ることになった。それは、ロンドンの南西部、テニスで名高いウィンブルドンにある施設を訪ねた時であった。

第102回
高齢者の急増に費用が追い付かないため介護保険制度の介護サービスが縮減されつつある。同じく、高齢化に伴う財源難に悩まされ、介護保険を日本より早く制度化したオランダとドイツでは、独自の総費用抑制策に取り組んでいる。

第101回
今年も認知症ケア先進国であるオランダの高齢者施設を視察してきた。「最期まで普通に暮らす」ことを重視しているオランダでは、認知症の高齢者が施設でどのように過ごしているか、最期の時をどのように迎えているのか。

第100回
日本より5年前の1995年に介護保険制度を始めた国がドイツである。高齢化率は23%と日本に近く、消費税は19%の国だ。高齢者ケアの仕組み、とりわけ、ホスピスなど終末期のあり方に注目して、このほどフランクフルトとベルリンを中心に視察した。

第99回
ケアプランとは、どの事業所から何の介護サービスをいつ受けるかを記した文書。そのケアプランの作成を巡って、議論が起きている。問題の発端は、財務省がケアマネジャーによるケアプラン作成に対し、利用者の自己負担を求めるという提案にあった。

第98回
2018年3月、国が終末期医療についての考え方を11年ぶりに改めた。これまで日本の終末期医療では、本人の意思よりも周囲の意思が尊重される傾向にあった。特に尊重されてきたのが「家族」の意思だ。実は家族こそ、本人の意思を最も阻害してきた最大の原因なのである。
