森山真二
後に新型コロナウイルスが沈静化した時、消費の仕方が劇的に変わっていることに気付く!?――。感染拡大を続ける新型コロナで、東京都は3月28、29日と不要不急の外出を控えるよう自粛要請を出した。これに合わせ百貨店に行くのをやめたり、“巣ごもり対策”として近くのスーパーなどに駆け込んだりした人も多いはず。しかし、そんな今まで当たり前だった消費行動をコロナショックは一変させるかもしれないのだ。

岩手県北上市に連日、開店前に行列を作ることで有名なスーパーがある。「SUPERオセン」だ。近隣にはイオンや地元のスーパーなどがひしめいているが、圧倒的な集客力を誇るイオンにも負けていない。新型コロナウイルスの感染拡大でも客足は衰えることはない。一見、外観は変哲のないスーパーだが、実は巧みに顧客を引き付ける心理作戦が展開されていた。

「コンビニエンスストアは、レジなし店舗でレジ決済時間の40秒の壁を打破できるか」――。今、コンビニ大手ではレジ混雑の解消、人件費の削減を狙ってレジなし店舗の実験が行われている。しかし、広く普及させるまでに乗り越えなければならないハードルも少なくない。

ニトリは婦人衣料専門店「N+(エヌプラス)」を本格展開する。2033年に売上高 3兆円を掲げる同社にとって、衣料は家具インテリアに次ぐ柱に育成する事業ととらえているようだが、衣料品市場は外資が撤退したり、国内の大手アパレルメーカーが店舗を大量に閉鎖する方針を示すなど、まさにレッドオーシャン市場。ニトリに勝算はあるのか。

ドラッグストアで「安売り王」といわれるコスモス薬品。10年前のドラッグストアのランキングでは上位5位にも入っていなかったが、大手がM&A(企業の合併・買収)を活発化させる中、新規出店だけで、あれよあれよという間に、売上高上位3位の座にいる。そのコスモス薬品の急成長の強みはこれまで「爆発的な安売り」というのが業界の定説。ところがそれだけではなかった。

ドラッグストア業界が勝ち残りをかけた“最終戦争”に入っている。これまで食品の安売りにより医薬品や化粧品の購入につなげ急ピッチで市場を拡大してきたドラッグストア。だが、「従来のように出店すれば利益がついてくる状況ではない」(ドラッグストア首脳)なかで、業績も差が出始めており、上位集中化が進む。

永松文彦セブン-イレブン・ジャパン社長が経済産業省で語った言葉が注目されている。それはコンビニの「リアルプラットフォーム」だ。セブン-イレブンでは、かねて「コンビニ飽和論」がささやかれ始めたころから一貫して「コンビニは飽和ではない」と主張。この考え方をベースにカニバリも恐れず経営戦略が組み立てられてきたといっていいが、次にセブン-イレブンが2万店という高密度のネットワークを活用して焦点を当てているのが、リアルプラットフォームというのだ。

拡大を続けるEC市場。しかし、今後はネットスーパーを抜きにしてEC市場の成功は語れない局面に入っている。日常使いの商品を売るネットスーパーに競争力があれば自社サイトへの集客力も高まり、固定客化が図れるからだ。国内のネットスーパーを制するのはアマゾンか、英ネットスーパーと提携したイオンか、それとも第三の勢力が市場を脅かすことになるのか。

セブン-イレブン・ジャパンを始めとするコンビニ大手3社のカゲで、このところ鳴りを潜めていた中堅コンビニが、復活の狼煙(のろし)を上げている。病院などの閉鎖商圏に出店のカジを切って活路を見出したり、大手の日販が50~60万円台のところ店内厨房で日販80万円を上げたりするコンビニも出現。大手が24時間営業問題で苦悩している中、中堅・中小のコンビニはどう生き残りを目指していくのか。

最近、新興の“メーカー”や“ブランド”が大手ナショナルブランド(NB)メーカーを揺さぶっている。大手流通企業のセブン&アイ・ホールディングスの「セブンプレミアム」やイオンの「トップバリュ」、ドンキの「情熱価格」が代表的な存在だが、それだけではない。今後、モノ作りの一大勢力となりそうなビジネスモデルも出現しているのだ。

消費増税で小売の再編が加速するのは本当か――。10月からスタートした消費税の8%から10%への増税。増税に合わせ軽減税率、キャッシュレスでの還元が実施されており、2%即時還元のコンビニや、5%還元の中小小売店に対し、還元なしの大手小売業からは不満が噴出、増税にあたっての消費下支え策の不公平さが指摘されている。しかし、その裏で増税を契機にデフレが進み、流通の再編が一気に広がるかもしれないとささやかれ始めているのだ。

身近な小売業といえばコンビニエンスストアだ。これからも、近くて便利なコンビニが主役であり続けると信じて疑わない向きは多いだろう。しかし、コンビニだけが身近な存在であり続けることが怪しくなっていきそうなのだ。

ネット全盛時代になっても勝ち残れる店、アマゾンにはない魅力のある店とはどんな店か。米国ではファストファッションのフォーエバー21の経営破綻が最近伝えられているし、実際、日本からも撤退することが明らかになっており、アマゾン・ドット・コムの猛威が静かに進行している。このまま店舗は淘汰(とうた)の嵐にのみ込まれるのかというと、どっこいネットに負けず存在意義を見いだしそうな“店”はありそうなのだ。

コンビニではレジカウンターの揚げ物総菜などのファストフードがドル箱的存在だが、これを利用して出来たて弁当を手掛けるチェーンは少なくない。ローソンは出来たて弁当に注力、拡大を目指しているし、セイコーマート、デイリーヤマザキ、ポプラが現在も力を入れる。だがセブン-イレブンはいくつかの実験をしてきたが、今のところ出来たて弁当らしき商品はない。出来たて弁当は10月からの消費増税でコンビニの優位性を発揮できる商品などといわれているが、果たして広がるのだろうか。

開店と同時に駐車場が埋まり、渋滞すら引き起こす人気の鮮魚販売店「角上魚類」をご存じだろうか。新潟の寺泊という小さな漁港の魚屋が、首都圏を中心に22店舗を構え年間341億円を売り上げるまでには、スーパーに対抗して生き残るための「4つの逆張り戦略」があった。

「本日特売日!」というのぼりを最近、スーパー店頭などでみかけなくなった。そういえば新聞の折り込みチラシもめっきり減った。「最近のスーパーは安売りをしていないのか」。そんな疑問を抱く向きもあるとみられるが、どっこいスーパーの安売りは健在だ。

停滞著しい衣料品市場で成長している専門店が「無印良品」と「ワークマン」だ。無印の衣料品部門である「衣服・雑貨」、ワークマンの衣料品も高い成長を続ける。「しまむら」や「ユニクロ」に代わって衣料品市場で脚光を浴びている2社は一体、どうして消費者に受け入れられ成長しているのか。

個人向け宅配のEC(電子商取引)事業はどうすればもうかる事業にできるのか――。EC事業は物流コストの上昇でネットスーパーをはじめとして、そうでなくてもコストがかかる宅配を一段と困難なビジネスへと後退させているが、果たしてその解決策はあるのだろうか。

ドン・キホーテとファミリーマートのコラボ店「ファミマドンキ」。2018年6月に都内に3店をオープンした。コンビニの新しいカタチを示す店舗などと期待された店舗だ。オープンから1年がたち、訪問した「ファミリーマート立川南通り店」はドンキ流の変化対応力が随所に見られた。

コンビニ大手3社の今期の新規出店数が近年にない低水準。「ついに飽和を迎えたか」との指摘も増えている。コンビニを追い込んだのは同じ看板同士が競合するカニバリ(自社競合)などがその要因に上がる。しかし、コンビニ包囲網を築いているのはそれだけではなさそうだ。
