木村政美
「社員旅行は欠席なので積立金を返して」社員の要求に会社は応じる義務がある?
毎年恒例、社員みんなが楽しみにしている年末の社員旅行。事実上全員参加が義務化しているようなものなので、会社も参加費として給料から毎月3000円天引きし、積み立てて運用していた。ところが新入社員が「大好きなアイドルのコンサートがあるので社員旅行には行かれない、積立金も返してほしい」と要求してきた。会社に積立金の返済義務はあるのだろうか?

仕事はできるが“遅刻魔”の新入社員…「懲戒処分&名前公表」はあり?
仕事はできるのだが、とにかく遅刻が多い社員。注意してもまったく改善せず、むしろ遅刻が増える一方だ。困った専務は、遅刻魔の社員を懲戒処分にし、名前を社内に公表しようと考えた。しかし“遅刻”に対してそこまで厳しい不利益処分を行うことができるのだろうか?

残業“断固拒否”の新人に「業務命令だ」は通用する?セーフ・アウトの境界線とは
新商品開発のため、期間限定で部署総出で残業することになった。メンバー全員が毎日数時間の残業をして頑張っている中、新入社員1人だけが定時になると帰ってしまう。会議があるから残るようにと言っても、命令を聞かずに帰ってしまうのだ。残業できない事情とは?そして会社は残業を拒否する社員にどれくらい強く出られるのだろうか。

新入社員より仕事ができない!中途採用30歳社員の「給料ダウン」できる?できない?
人手不足で困っている甲社。中途採用で30代社員を採ったところ、即戦力どころか驚くほど仕事ができないことが判明した。新入社員よりも仕事ができないのに、給料は当然新入社員よりも高い。能力が足りない社員の給料を下げることはできるのだろうか?

「残業代22時間分!?33時間働いたぞ」「毎日1時間未満は切り捨て」社員vs会社、正しいのは?
定められた労働時間を超えて働くと発生する残業代(時間外手当)。「今月は忙しかったから、たくさん残業したな」と思って給与明細書を見ると、思ったよりも残業代が大分少なかった……。上司に確認してみると「うちの会社は残業代を1時間単位で計算するから、1時間未満は切り捨てになるんだよ」というけれど、残業代って普通、1日単位ではなく、1カ月の残業時間の合計で計算するものなのでは?

業務に使うノートパソコンを、全社で一斉に新しいものに入れ替えて間もなく、ある社員が不注意でパソコンを壊してしまった。会社の備品などを社員が壊してしまった場合、会社は弁償分を全額請求し、社員の給料から引くことができるのだろうか?

退職が続いて人手不足になってしまった部署で、ベテラン社員2人と課長がその穴を埋めるべく休日返上で連勤して働くことに。「土日も休めず、働きづめだ」と文句を言うベテランに対し「求人しても応募がないのだから仕方ない。休日手当を払ってるんだから頑張れ」と会社は言うのだが……。

1時間の昼休み。新入社員のAは、話し相手はいないし、昼食はすぐに食べ終わってしまうので、残った時間はひたすら暇つぶしをしている。どうせ暇ならその分働いて、昼休みを返上すれば1時間早く帰れるのでは?と思いついた。しかし実行したところ、上司から「1時間早く帰ったら、その分早退扱いになって給料から引かれてしまうよ」と諭されてしまった。果たして、「昼休みなしで働いて1時間早く帰宅する」は、アリ?それともナシ?

この春入社した10人の新卒社員を対象に、新人社員研修が始まった。この会社ではコミュニケーションを育むため、伝統的に宿泊で研修を行っている。ところがある新人が「どうしても宿泊研修には参加できない」と言ってきた。社長は「入社後2カ月はまだ試用期間。研修に参加しないならクビだ!」と言うのだが、どちらの言い分が通るのだろうか。また、「配属を早めてほしい」という現場の声に応え、スケジュールを前倒しにして入社前に新人研修を行う場合、内定者に参加を強制することはできるのだろうか。

「いい会社で愛着もあるけど、給料が上がらない」。そう思っていたところに、年収1000万円という魅力的な条件で他社から転職の誘いを受けた社員。しかし会社に退職の意思を伝えたあとに事情が急変。「退職するのをやめたい」と、引き続き働けるように上司や社長に訴えた。相談を受けた社労士は、「『退職願』と『退職届』の使い分けができていますか?」と社長に尋ねた。その質問の意味することとは?

今年60歳になる課長は、定年退職後も65歳まで再雇用してもらい、今の会社に勤め続けようと思っている。しかし会社は業績不振で、再雇用する余裕はない状態だ。定年を迎えた社員が再雇用してもらうには、何か条件があるのだろうか。逆に、社員が再雇用を希望した場合、会社はそれを拒否できるのだろうか?(社会保険労務士 木村政美)

車の運転ができるからという理由で、営業マンになった車好きの会社員。しかしある日パトカーに止められ、免許停止になってしまった。免停中は90日間運転ができないが、この会社では運転ができない営業マンにできる仕事はない。「クビだ!」と社長は怒るが、「辞めたくない」と泣きつく社員を救うにはどうすればいいのだろうか?

待ちに待った冬のボーナス。しかし基本給2カ月分もらえるはずが、予想していたより15万円も少なかった!総務部長に確認したが、説明に納得がいかない。「そもそもボーナスの査定基準を社員に教える必要はない」と総務部長は言うのだが……。

会社が社員に配布した業務用のスマートフォンにはチャットアプリが入っており、スピーディーにやりとりをすることができる。ある上司が「緊急時の連絡のため、会社のスマホの電源は勤務時間終了後や休日も切らないこと」と部下に命じた。しかも、業務命令として「チャットの返事は即返すこと」という。上司からのチャット攻撃がウザいからと勤務時間外に電源を切ったら、それは業務命令違反になるのだろうか?

北海道に本社を持つ、ある企業。総務課のAさんは東京営業所で現地採用され、本社への異動はなしという条件で働いている。しかしある日、Aさんは自分の基本給15万7000円は、時給1300円で募集している自分の部下のパート社員よりも安いことに気付いてしまった。「パート社員より正社員のほうが給料が安いなんて、おかしくないですか?」Aさんの訴えに、社労士の答えは……。

2019年4月から、従業員への年5日の年次有給休暇の確実な取得が義務化されています。しかし甲社では上長が部下へ大量の業務を割り振る結果、特定の部署のメンバーが全員有給休暇を取るどころか休日出勤も当たり前の事態が続いてしまい……このまま有給休暇を取得できない事態が続くと、会社が労働基準法違反になってしまいます。どんな罰則が待っているのでしょうか。またその対処法は?

勤務時間中なのに、すぐに席からいなくなる社員。どうやらトイレにこもってなかなか出てこない様子で、周りは扱いに困っています。しかも男性用トイレの個室は少ないし、誰かに占領されてしまうのも困りもの。社長は「そんな社員はクビ!」と言いますが、果たしてそんなことは可能なのか?“おこもり社員”にどう対応すべきか、法律に基づいて解説します。

ある物流会社で働いている2人。年齢も近く、業務内容もほぼ同じですが、1人はパート社員で1人は正社員として雇用されています。正社員には有給休暇もボーナスもあるけれど、パート社員はどうでしょう?請求したらもらえるものなのか、それともどちらももらえないものなのか。法律ではどうなっているのか解説します。

社長から業務命令として、宅建士の資格取得を命じられた社員。社長は簡単だと言うが、その資格試験はかなり難しいものだった。さらに「不合格だったらクビ」だと言われ……。会社は社員に対し、資格の取得を命じること、そして、試験に落ちた社員を解雇することができるのだろうか?

パート社員が退職し、新しい人が入るまでという条件で、月50時間の残業をすることになった若手社員。「残業代がたくさんもらえる」と喜んで残業していたが、翌月受け取った給料明細を見ると、給料はまったく増えていなかった……!なぜこんなことが起こるのか。この場合、会社は残業代を払うべきではないのだろうか?
