田上貴大
金融庁の首脳人事が出そろった。2年にわたり地方銀行改革に奔走した遠藤俊英・前金融庁長官が退任し、庁内きっての国際派である氷見野良三氏が新長官に就任した。新型コロナウイルスの感染拡大がいまだに収まらない中で、新長官には幾つもの難題が待ち受けている。

りそなホールディングスや三井住友フィナンシャルグループなど、銀行が相次いで事業会社に出資するファンドを設立する。背景にあるのは事業承継を巡る規制緩和の動きだが、各行独自の思惑がある。

三菱UFJフィナンシャル・グループの新社長に、デジタル推進をけん引してきた亀澤宏規氏が就任した。前期の最終利益で競合行に抜かれ、収益貢献の大きい米国では新型コロナウイルス感染拡大が止まらないという環境下で、新社長はどうかじ取りしていくのか。

SBIホールディングスが地方銀行との広域連合に向け動いている。SBIが示した地銀改革策の一つが、有価証券の外部運用だ。SBIの対抗馬として、新興企業が地銀に対する運用助言事業に名乗りを上げた。

新型コロナウイルスの感染拡大による経済危機への対応として、みずほフィナンシャルグループは1兆円規模の投融資枠を設けた。どうやって与信判断をしていくか。またコロナ危機に直面して露呈した銀行の弱点は何か。アフターコロナの銀行の在り方を坂井辰史社長に聞いた。

#12
ポストコロナの世界で、銀行界は新たなリスク対応と構造改革の見直しを迫られている。昨年まで三菱UFJフィナンシャル・グループで社外取締役を務め、銀行経営に詳しい川本裕子・早稲田大学大学院経営管理研究科教授に話を聞いた。

#11
コロナ禍の影響を色濃く受けるのが、全国各地の中堅中小企業だ。業績不振に陥った地方企業を、地方銀行はどう支えるべきなのか。地銀の雄である横浜銀行と東日本銀行を傘下に持つ、コンコルディア・フィナンシャルグループの大矢恭好社長に聞く。

#7
地方銀行の間で「引き当て競争」が始まろうとしている。銀行は、融資先企業の業績悪化や倒産に備えて貸倒引当金を積むが、財務余力の有無でその多寡に格差が生まれつつあるからだ。余力のない地銀に待ち受けているのは、再編もしくは公的資金の注入という救済策だ。

#6
新型コロナウイルスの感染は世界中に広がり、グローバル経済を直撃している。その影響は、3メガバンクが拡大を続けてきた海外ビジネスにも及びかねない。特に懸念されるのは、航空機リース事業、原油などの資源関連貸し出し、米国の企業向け債権を束ねたローン担保証券(CLO)だ。

#1
緊急事態宣言が出て外出自粛ムードが高まる中でも、銀行窓口には要不要を問わず顧客が来店している。「来店する前に、ネットでできる取引かどうか調べてほしい」――。現場の銀行員が抱える苦悩の声をお届けする。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、国内で覇を競う3メガバンクグループの業界地図も塗り替えた。2020年3月期決算は、三井住友フィナンシャルグループ(FG)が最大手の三菱UFJFGを初めて最終利益で上回る結果となった。三菱UFJ敗退の原因は、買収した東南アジアの銀行で生じた巨額減損。積極的な海外戦略が裏目に出た格好だ。

公正取引委員会が新しい金融サービスに対する実態調査の報告書を発表し、銀行間手数料の事実上の値下げなど、金融界の取引慣行の是正を勧告した。だが、旧態依然とした枠組みの変更は決して簡単ではなく、銀行に新たな試練を突きつけるかたちとなった。

今年4月、みずほ信託銀行の社長が交代し、不動産業務に長く従事してきた梅田圭氏が新社長に就任した。梅田氏に、新型コロナウイルスの感染拡大が不動産業界にもたらす影響と、今後のみずほ信託が目指す姿を聞いた。

#4
新型コロナショックが銀行の決算を直撃しそうだ。世界同時株安などの市場の混乱に伴い、有価証券の価格が急落。加えて、資金繰りに窮した取引先企業が続出しており、与信コストは急増の気配を見せている。

銀行の未来の姿に光を当てる連載『銀行の近未来』。大手銀行グループのりそなホールディングスが、7年ぶりに社長交代を発表した。南昌宏新社長が描く、新しいりそなの在り方を聞いた。

#13
地域銀行の上場の是非が問われるさなか、株式会社ではなく協同組織金融機関の形態を取る信用金庫や信用組合の取り組みに注目が集まっている。地域密着路線を突き詰める京都信用金庫の榊田隆之理事長に、独自の取り組みを聞いた。

#10
長引く低金利環境は、地域銀行の収益機会をむしばみ続けてきた。そんな中、大分県の第二地銀である豊和銀行が、企業の販路開拓支援といった独自の取り組みによって金利の改善を実現している。その勝因を権藤淳頭取に聞いた。

#08
異例の人事が地銀業界で注目を浴びた。昨年、金融庁の元幹部が44歳(当時)という若さで奈良県の南都銀行の副頭取として招聘されたからだ。新たな経営体制の下で南都銀は今、猛烈な速度で店舗と人員の削減を進めている。橋本隆史頭取と石田諭副頭取が、その背景を語る。

#07
連携による規模のメリットを志向するのか。それとも身を縮めて地方を深掘りしていく道を進むのか。それぞれの地域銀行はどの道を進もうとしているのか。残り時間はそれほど多くない。

#05
地銀再編の台風の目となっているSBIホールディングスが、新たに地方創生の支援会社を立ち上げる。メガバンクや保険会社など、他の大手企業から300億円規模の出資を募るという新会社は、SBIが進める不振地銀の救済にどう絡んでくるのか。
