土本匡孝
電力大手4社の巨額カルテル事件で、公正取引委員会の事件着手前に自主申告していた関西電力が、自主申告するかどうかの判断を取締役会に諮っていなかったことが分かった。事件に関連して関電の一部株主は新旧取締役を相手取って株主代表訴訟を起こした。だが、取締役会の議事録が存在しないことから、関電が自主申告するに至った経営判断の詳細について、原告側の把握が困難となっている。関電、原告双方の言い分をリポートする。

日本の製薬最大手、武田薬品工業は5月上旬の2024年3月期決算発表に合わせ、25年3月期の事業構造再編費用に1400億円を投じると発表した。この約10年間、同社に“破壊と創造”をもたらしてきたクリストフ・ウェバー社長CEO(最高経営責任者)のトップ交代が近いとうわさされる中、最後の大仕事となるかもしれない。

東京証券取引所が是正を求める中、株価の割高・割安感を示す株価純資産倍率(PBR)で1倍割れオンパレードなのが、電力・ガス・石油元売りセクターの主要企業だ。しかし出そろった2024年3月期決算で見ると、1社が抜け出した。この1社の実名を明かすとともに、その背景について解説する。

#5
旧村上ファンドに追い詰められる“危機”から脱した石油元売り業界3位のコスモエネルギーホールディングス(HD)。旧村上ファンドからコスモエネルギーHD株を取得して持ち分法適用会社とした岩谷産業は、同社悲願の水素戦略での提携強化を狙う。だが、このディールは、元売り3社体制がほぼ固まっている保守的な「石油ムラ」の住人たちにとっては極めてショッキングな出来事だったようだ。

#4
ガソリンスタンドは1994年度の約6万店をピークに、人口減、後継者問題、自動車の燃費向上などを背景にほぼ半減した。今後もガソリン補助金の打ち切りや電気自動車(EV)普及が見込まれ、1万店割れを予想する識者もいる。活路はあるのか。生き残るのは誰か。

#3
セクハラで2代続けて経営トップが退任したENEOSホールディングス。系列のガソリンスタンドには醜聞による直接のダメージはなかったようだ。ただし、旧東燃出身の宮田知秀氏をトップとする新体制となった4月以降、特約店や販売店は戦々恐々としている。新体制発足以降、ENEOSで起きた三つの変化をレポートする。

#2
石油元売り業界で最大手のENEOSホールディングスの混乱を横目に、したたかに再生可能エネルギー銘柄へと変貌を遂げつつあるのが業界2位の出光興産だ。実は、同社も大きな転機を迎えている。それはトップ人事である。同社は昭和シェル石油と経営統合する前年の2018年から、木藤俊一社長が率いてはや約6年にもなる。次期社長レースでは「非主流」の候補が注目となっている。

#1
石油元売り最大手のENEOSホールディングス(HD)では、旧日本石油出身者による支配が続いてきた。だが、まさかのトップが2代連続のセクハラ辞任で、非主流派の旧東燃出身、宮田知秀氏に社長の座が回ってきた。産業エネルギー販売部門、勤労部門経験者を示す隠語「黒バット」が出世の大条件となってきた日石カルチャーから同社は脱したのか。早くもうわさされる次期社長候補者の実名を明かすとともに、激変するENEOS HDの権力構造をひもとく。

予告
石油ムラに変革の荒波!ENEOS HDは「脱日石」、出光は6年ぶりトップ人事か、コスモは資本提携…
2代続けてのセクハラでENEOSホールディングスは、旧日本石油からまさかの旧東燃出身者へトップが代わった。出光興産の6年ぶりのトップ人事では非主流派の起用も取り沙汰される。物言う株主に苦しめられたコスモエネルギーホールディングスは、異例の資本提携に踏み切った。石油元売り業界は、いつにない変革の荒波に放り込まれている。石油元売り業界の最前線を追う。

大手総合商社の住友商事が今春、新電力における販売量ランキング上位に突如として現れることがダイヤモンド編集部の取材で分かった。本稿執筆時点で資源エネルギー庁が公開している最新の電力販売量実績(2023年12月分まで)では、同社のこれまでの販売実績はゼロ。何が起きるのか。

大手電力会社でつくる電気事業連合会(電事連)の次期会長は15日、中部電力の林欣吾社長に決まった。現会長で九州電力の池辺和弘社長は丸4年で退任する。今春から林体制でスタートする電事連、そして中部電の社内権力構造の行方を占う。

#14
東京電力ホールディングスの焦点は柏崎刈羽原子力発電所の再稼働時期だ。昨年末に「残すは地元同意」のフェーズに至り株価は上昇している。さらなる高みが期待できる大イベントとは。

大手電力会社でつくる電気事業連合会(電事連)の次期会長の人選が大詰めを迎えている。現会長の九州電力社長は昨春、「1年限り」(業界関係者)で異例の4年目突入案をのんだとみられ、交代は必至。有力候補は関西電力社長、中部電力社長に絞られているが、どちらも一長一短で決め手に欠ける。

ある意味、サプライズのない結論となった石油元売り最大手、ENEOSホールディングスのトップ人事。旧日本石油出身者のトップが2代続けてセクハラで辞任した後、旧東燃ゼネラル石油出身の宮田知秀氏が4月から社長となることが発表された。

近年、計算が複雑化した家庭向け電気代を巡り、業界の一部から「ある施策」を業界各社一律に課す待望論が出ている。それはビッグモーター事件で信頼失墜した中古車業界で始まった動きに倣うものなのだが、どういうものなのか。

新電力全体の2023年度の電力販売量で、主に家庭向けを指す「低圧電力」のシェアが、主に法人向けを指す「高圧・特別高圧電力」のシェアを初めて逆転する見込みであることが分かった。Looop、九電みらいエナジー、東急パワーサプライ、出光興産、大和ハウス工業、楽天エナジーなど多くの新電力における低圧電力シェア伸長が寄与したが、業界で何が起きているのか。

日立製作所との資本関係がなくなって久しく、祖業の造船業からも遠のいていた日立造船。社名変更すべきとの声が長年株主などから上がっていたが、ついに同社は2023年9月、新社名をカナデビアとすると発表した。新社名の下、ごみ焼却発電プラントや新電力、洋上風力発電といった事業をどのように成長させていくのか。

#8
専業系、兼業系、出資元を問わず、新電力の電力販売量トップ100に入る3月期決算の68社・団体の財務を徹底比較した2023年冬完全版ランキングの後編をお届けする。2000年の電力小売り一部自由化後の草創期から新電力に参画する丸紅系がワースト46位。東京電力エナジーパートナー子会社でかつて販売量トップだったテプコカスタマーサービス(TCS)や、その他の有名新電力は何位に?

#7
有力テック企業のENECHANGE(エネチェンジ)が、各家庭や事務所にあるスマートメーターの電力データに基づいた電気代比較の新サービスを2023年秋から始めている。利用者が増えれば電力ユーザーの流動化が進むことも予想され、「勝機となるか、脅威となるか」と、多くの新電力関係者が関心を寄せている。同社の経営トップがインタビューに応じ、新サービスの全容や課題を語った。

#6
2023年度(23年4月~)の新電力の電力販売量の最上位クラスで、序列変化の兆しが出ている。法人向けの高圧電力で圧倒的に強く、長年王者だったNTT系のエネットが販売量を減らし、王者陥落の危機にあるのだ。下剋上を果たして初の新電力1位の座を手中に収めそうな「あの大手新電力」の実名と、その実力を明かす。
