重石岳史
#3
逆オイルショック経済は、これまで原油ビジネスで莫大な利益を稼ぎ続けた総合商社にも大きなインパクトをもたらす。中でも業界随一の石油・ガス権益を持つ三井物産は今、大きな変革期に直面している。

#13
総合商社の最大の強みは、世界中に張り巡らせた情報網だ。日本製品を各国で売りまくり、あるいは最果ての地に資源を探し求め、そして時に国内外のビジネスをつなぐオーガナイザー役として商社が存在感を発揮できたのは、情報という武器を持ち得たからだ。だが、その諜報力に陰りが見え始めている。

#10
「組織の三菱」「結束の住友」に対し、「人の三井」の旧三井財閥の流れをくむ三井物産。そのDNAを呼び覚ますべく、全社的なプロジェクトが今、社内で進められている。彼らが志向するのは、強い個の力の覚醒、そして巨大化した商社各社に共通してまん延する縦割り慣行の打破だ。

#9-2
個人の全遺伝情報を調べる「全ゲノム解析」。医療や創薬などへの応用が期待されながら、海外に大きく後れを取るこの分野で、今ある企業が注目を集めている。伊藤忠と資本・業務提携を結んだ筑波大学発のベンチャー企業、アイラック。全ゲノム解析の先にあるプラットフォーム構築とは何か。その最前線を創業者の解説付きでお届けする。

#9
商社生存の鍵を握るのが、デジタル化やデータビジネスへの参入だ。だが、この分野はGAFAに代表される世界的なプラットフォーマーが台頭し、商社が戦える余地は限りなく狭まっている。そんな中、「商いの次世代化」を標榜する伊藤忠が、人の遺伝子情報という究極のデータを使ったビジネスで覇権を握ろうとしている。

#6
商社業界で「背番号」と呼ばれる最初の配属先は、将来の出世を左右する重要な関心事だ。だが今の会社の主力部署に配属されたからといって決して安泰ではいられない。かつての花形部門が衰退し、逆に傍流部門の出身者が社内権力を握る栄枯盛衰の歴史を、商社は繰り返しているからだ。

#2
伊藤忠商事会長CEO(最高経営責任者)の岡藤正広氏が4月15日、ダイヤモンド編集部の単独インタビューに応じた。2010年の社長就任以降、当時業界4位だった伊藤忠をトップ級に引き上げた異能の商人は、新型コロナウイルスの感染拡大が業界に激変をもたらすと予言し、ライバルの三菱商事に勝ち続けるための戦略を明かした。

#1
新型コロナウイルスの感染拡大で日本経済への打撃が日増しに深刻化する中、商社業界で、ある歴史的な転換点が静かに近づいている。業界の盟主として常にトップ商社に君臨し続けた三菱商事の株価が急落し、時価総額で伊藤忠商事に追い抜かれようとしているのだ。近年の三菱商事の迷走ぶりを見れば、それはコロナショックによる偶発ではなく、必然の成り行きだと分かる。

旧村上ファンド系の投資会社が、東芝機械に対して実施中のTOB(株式公開買い付け)について撤回を模索している。コロナショックによる株価急落が背景にあるとみられ、一転して窮地に陥った旧村上ファンド側は自ら仕掛けたTOBを回避すべく奇策に打って出た。

#05
新・村上ファンドの特徴の一つが、村上世彰氏の家族や側近、関連する法人で対象企業の株式を分散保有し、時にグループ内で保有者を目まぐるしく変更する手法だ。こうした投資ビークルは少なくとも50以上に上るとされ、その実態は謎に包まれている。

#04
村上世彰氏や関連する投資会社が、2012年以降に大量保有した日本株銘柄は28社に上る。彼らがターゲットとするのは一体どんな企業か。そしてどのような手口で多額の稼ぎをたたき出しているのか。投資先を分析すると、ある傾向が浮かび上がってきた。

#03-2
シンガポールに在住する投資家の村上世彰氏が3月、ダイヤモンド編集部の取材に応じた。近年の社会貢献や教育活動、海外不動産への投資、そしてニッポン放送株を巡るインサイダー取引事件後、日本株への投資を再開した理由を明かし、業界再編への強いこだわりを示した。

#03-1
シンガポールに在住する投資家の村上世彰氏が3月、ダイヤモンド編集部の取材に応じた。近年の社会貢献や教育活動、海外不動産への投資、そしてニッポン放送株を巡るインサイダー取引事件後、日本株への投資を再開した理由を明かし、業界再編への強いこだわりを示した。

#02
村上世彰氏のグループが今、最も注力している案件が、3月27日に開かれる東芝機械の臨時株主総会だ。村上氏側が仕掛けた敵対的TOBに東芝機械は徹底抗戦し、ライツプランを絡めた防衛網を張る。一方で村上氏にはかつて買収防衛策の廃止提案が司法判断で否定された敗戦の経験がある。因縁の雪辱戦が幕を開ける。

#01
レオパレス21が2月27日に開いた臨時株主総会で、会社提案が可決され、株主提案が否決された──。べた記事にもならないようなニュースの裏には、「会社」と「株主」の知られざる駆け引きがあった。特集『新・村上ファンドの正体』(全5回)の#01では関係者の証言を基に、レオパレスと、村上世彰氏が関わる投資会社の攻防戦を明らかにする。

予告
村上ファンド再来!その正体は株主市場の救世主か、それとも解体者か
かつて「村上ファンド」を率い、物言う株主として上場企業を震撼させた村上世彰氏が今、再び日本で存在感を強めている。ニッポン放送株を巡るインサイダー取引容疑で2006年に逮捕され、一度は表舞台から身を引いたが、自社株買いや株主還元を迫る“村上流”は、復活どころか、より過激化したように見える。株式市場を席巻する新・村上ファンドの正体に迫る。

賃貸アパート大手レオパレス21の宮尾文也社長がダイヤモンド編集部の取材に応じ、施工不備問題で傾いた経営の再建策について語った。同社を巡っては、旧村上ファンドの村上世彰氏が関わる投資会社レノが取締役1人を推薦する株主提案をし、2月27日に臨時株主総会が開催される。レノ側が提案する賃貸事業の譲渡について宮尾氏は「誰かに譲渡してしまえば、レオパレスは空っぽになってしまう」と述べ、断固反対する姿勢を示した。

東芝機械にTOB(株式公開買い付け)を仕掛けている村上世彰氏が、東芝機械会長兼CEO(最高経営責任者)の飯村幸生氏に対する反論をダイヤモンド編集部に寄せた。飯村氏は1月31日公開のDOLインタビューで村上氏の投資手法を批判したが、村上氏は「事実に基づかない悪質な印象操作」と一蹴。東芝機械が取締役会決議で買収防衛策を導入したことを「暴挙」と問題視し、阻止する考えを示した。

旧村上ファンド系投資会社のシティインデックスイレブンスが1月21日、東芝機械に対する株式公開買い付け(TOB)を開始した。なぜ東芝機械は狙われたのか、そして対抗策はあるのか――。東芝機械会長兼CEO(最高経営責任者)の飯村幸生氏がダイヤモンド編集部の取材に応じ、その胸中を語った。投資会社を実質的に率いる村上世彰氏について、飯村氏はある重大な“疑義”があるとし、関係当局に相談していることを明らかにした。

#12
富裕層にとって最大の難敵といえば、税務当局に他ならない。国税庁はこの数年間、海外への税逃れを防ぐべく、さまざまな策を講じている。税から逃れる者と追う者の戦いが終わることはない。
