重石岳史
#40
総合商社の既存ビジネスが「陳腐化」の危機に直面している。それを防ぐための鍵は、デジタルトランスフォーメーション(DX)にある。各社各様の次世代化戦略を推し進めているが、2021年はその真価が問われる年となる。

#39
手数料の値下げ競争や個人投資家の高齢化など構造不況に苦しむ証券業界。コロナ乱相場は業界に一時的な恩恵をもたらしたが、それが永続する保証はない。生き残りを賭けたサバイバル戦は、待ったなしの状況だ。

東芝にとっては望まぬ「ブラックサンタ」からのプレゼントとなりそうだ。クリスマスの25日、大株主の米資産運用会社ファラロン・キャピタルが東芝に対して臨時株主総会の開催を請求することが分かった。

伊藤忠が立て替え型給与前払いサービス参入、「手数料激安」で殴り込みの勝算
伊藤忠商事は子会社を通じ、雇用主の代わりに前払い給与を立て替える事業に参入する。コロナ禍で雇用情勢が悪化する中、非正規労働者を中心に給与前払いの需要は拡大中。既にスタートアップ勢のサービスが乱立するが、後発の伊藤忠は圧倒的に安い手数料でユーザーの“総取り”をもくろむ。その狙いは何か。

#9
三菱商事の今期純利益見通しは2000億円。対する伊藤忠商事は4000億円。業界王者の座を巡るライバル対決は、伊藤忠が“ダブルスコア”で勝利を収めそうだ。そんな両雄の決算の内訳を見ると、純利益を押し上げている一因に税効果会計の「マジック」があることが分かる。

#16
10月、群馬県や埼玉県を地盤とする東和銀行がSBIホールディングスと資本提携した。東和銀の吉永國光会長が、SBIグループと手を組んだ理由を明かした。

#15
九州北部で勢力を拡大するふくおかフィナンシャルグループ(FG)、南部を地盤とする九州FG、そして九州第2位の西日本フィナンシャルホールディングス。九州の地域覇権を巡る三つどもえの勢力争いが始まっている。

#13
第一生命保険の元社員の女性が約19億円を顧客からだまし取ったとされる巨額詐取事件。この女性と深い関係があったとされる山口銀行の元頭取が、長年住み続けた社宅を退去したことが分かった。約15年前に起きた「悪夢」が、再び山口銀を襲おうとしている。

#4
地銀再編の鍵を握ると目されるのが、「第4のメガバンク構想」を掲げるSBIホールディングスだ。菅政権との距離も近く、その動向に注目が集まっている。

#3
金融業界が恐れる男がいる。かつて金融担当大臣として、銀行の不良債権処理に大なたを振るった竹中平蔵氏だ。菅義偉首相のブレーンでもある竹中氏にインタビューし、独自の金融再編論を聞いた。

番外編
証券出向の経験がなければ社長になれなくなる――。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の荒木三郎社長が、国内最大のメガバンクグループ内部で激変する出世事情を予言した。伝統的に銀行優位のグループにあって系列証券の存在感が高まっている理由は何か。銀行出身の荒木社長本人に聞いた。

ケーブルテレビ最大手のジュピターテレコム(J:COM)が、インターネットトラブルに巻き込まれた際に弁護士費用などを補償する保険商品の販売を始めることが、14日までに分かった。ネットトラブルに特化した個人向けの保険商品は国内初という。

東京証券取引所で今月1日に起きたシステム障害は、金融インフラの脆弱さを露呈した。菅政権が掲げる国際金融都市構想が後退しかねない事態に関係者は頭を抱えている。

#7
任期6年の慣例に従えば、三菱商事の垣内威彦社長は2021年度末に任期満了となる。残り2年を切った後継レースを制するのは誰なのか。社内で有力候補の呼び声が高かった幹部が“左遷”されるなど、近年、垣内社長による中央集権体制が強まっている。熾烈なレースの行方を大胆に予想した。

#1
三菱商事の垣内威彦社長が6月、社員に向けて送ったメールを独自入手した。その中身からは、社員が経営に不信感を強めていることに対し、垣内社長が並々ならぬ危機感を抱いている様子がうかがい知れる。三菱グループのみならず日本を代表するエリート集団企業の内部で今、一体何が起きているのか――。

ケーブルテレビ最大手のジュピターテレコム(J:COM)が、金融業に参入することが分かった。サービス加入者554万世帯の顧客基盤と、地域に密着した営業力は、既存の金融機関にとって脅威となりそうだ。

#13
創業者の松本大氏から昨年後継に指名されたマネックス証券社長の清明祐子氏。1977年生まれの業界最年少かつ初の女性社長だ。「アクティビズム」と「ベンチャースピリッツ」を武器に、業界に新風を送り込む。

#12
松井証券で6月、創業家以外から初の社長に就いた和里田聰氏。中小地場証券を先進的なネット証券へと導いた「業界の風雲児」松井道夫氏の後を継ぎ、1918年創業の老舗の看板を守れるか。その手腕が問われている。

#11
SBIと楽天の「2強」がネット証券のプラットフォーマーとして勢力を拡大する中、苦境に立たされるのが松井とマネックスだ。その両社はロスジェネの新社長に相次いで世代交代を図り、生き残りを模索する。

#10
三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下で、KDDIからの出資を受け入れて昨年12月に社名変更したauカブコム証券。総合金融とau経済圏の基盤を背景に、齋藤正勝社長は「ソーシャルネット証券」への転身を画策する。
