猪熊建夫
第102回
中央大学附属高校は東京都の西郊、小金井市にある男女共学の中高一貫校だ。中央大学が擁する4つの付属高校の一つだ。校則などない「自由」な校風が自慢で、卒業生は多方面で活躍している。略称は「中附」だ。

第101回
大阪市の南部・天王寺区にある国立大学の付属高校だ。「校舎」という異な表現は、正式な学校名だ。「自由」な校風で知られる。「iPS細胞」(人工多能性幹細胞)を初めて作製し、再生医療・創薬開発への道を開いた京都大教授・山中伸弥が、2012年にノーベル医学生理学賞を受賞した。数年にわたるコロナ禍の過程で、山中は時宜を得た警句を発し、存在が改めてクローズアップされた。その山中が卒業したのが、大阪教育大学附属高校天王寺校舎だ。

第100回
瀬戸内海に面し、四国の西北部に位置する愛媛県新居浜市。背後に旧別子銅山を抱え、住友グループの企業城下町として知られる。その臨海工業都市にある県立新居浜西高校は、100余年の校歴を誇る伝統校だ。卒業生の中から2022年、芥川賞作家が誕生した。07年3月卒の高瀬隼子(じゅんこ)で、『おいしいごはんが食べられますように』が第167回芥川賞の受賞作だ。生き方の異なる20代後半の男女3人を中心に職場の人間模様を描いた作品だ。

第99回
世界に雄飛する音楽家を輩出している桐朋女子高校。音楽科より先に開設されている普通科でも、社会の各方面で活躍する女性をたくさん送り出している。まずは今、輝いている卒業生を3人、紹介しよう。

第98回
東京23区に接し、住環境の整った調布市。学校法人桐朋学園の音楽部門は、高校から大学院大学(富山市)まである。高校の校名には「女子」がついているが、男女共学だ。世界に挑戦する才能あふれる卒業生を、数多く送り出してきた。桐朋女子高校と言えば、指揮者の小澤征爾の名が反射的に出てくる。シカゴ、ウィーン、ボストン、ベルリンなど欧米やNHKの楽団などで次々と指揮をとり、2008年には文化勲章を受章した。

第97回
福島県の北東部にある福島市。県庁所在地ではあるものの、人口は28万人弱で県下3番目だ。県立福島高校は、1898年に開校した県第三尋常中学校を前身とする伝統校だ。

第96回
野沢北高校は長野県東部の、群馬県と隣接する佐久市にある県立高校だ。個性あふれ、機知に富んだ卒業生を多数、育んできた。活躍ぶりが目立つ卒業生を3人、紹介しよう。

第95回
広島「みなみ」高校という。広島市南区にある。1901年創立の県立広島高等女学校を前身とする。戦後の学制改革で新制・広島皆実高校になった。「文武両道」が徹底している高校だ。

第94回
三重県北西部の伊賀市は江戸時代、藤堂藩の城下町で、伊賀忍者の里、松尾芭蕉生誕の地などとして知られている。三重県立上野高校は伊賀上野城の南にあり、1899年に開校した県立第三中学校を前身とする伝統校だ。

第93回
洛南高校は、全国に鳴り響く進学校だ。その一方、スポーツの強豪校としても知られる。京都駅の南西1キロに、弘法大師・空海ゆかりの東寺(教王護国寺)がある。その境内にある中高一貫の私立高校だ。

第92回
6年制中高一貫の私立男子校で、「自調自考」を校是としてきた武蔵高校(東京都練馬区)。学者・文化人として活躍した卒業生も、たくさん輩出している。

第91回
武蔵高校は東京・練馬区にある中高一貫の私立男子校だ。2022年に創立100周年を迎えた。英国のパブリックスクールを参考にした学校だ。「自ら調べ自ら考える」ことを、校是としてきた。麻布、開成高校と共に東京の「私立御三家」の一角を占めてきた。

第90回
国宝に指定され、世界文化遺産にも登録されている姫路城。その北側にある県立姫路西高校は、兵庫県で最初に設立された組合立姫路中学校をルーツとする。ファッションとグラフィックそれぞれの分野で、デザイナー界の大御所的な存在といわれる2人が、姫路西高校(略称「姫西」)の卒業生だ。

第89回
東京都の南部・品川区にある中高一貫6年制の私立女子校だ。明治以来130余年の歴史を誇る伝統校で、キリスト教を背景としている。個性と才能が際立っている卒業生が、たくさん巣立っている。最も著名なOGは、日本のテレビ放送史を代表するタレント、俳優、作家である黒柳徹子(1933年8月生まれ)だ。

第88回
愛知県の南東部の太平洋岸に突き出ている知多半島。その東海岸に位置するのが人口11万7000人の半田市だ。県立半田高校は、旧制の県立第七中学を前身とする伝統校だ。

第87回
千葉県中西部に位置し、人口13万人余りの木更津市。市制施行は第2次大戦中だったが、県立木更津高校の前身である旧制千葉中学校木更津分校の開設は1900年で、県内3番目の伝統校だった。

第86回
慶応義塾女子高校は、慶応義塾が擁する一貫教育校の中で唯一の女子校だ。東京・港区の慶応大三田キャンパスのすぐ近くに校地がある。予備校の偏差値ランキングでは、男子校、女子校、共学校を含め全国の高校でベスト10位に入る超難関校だ。

第85回
校風は「軟派」といわれる。東京・新宿の繁華街のど真ん中に校地があることから、そうなったようだ。前身は旧制東京府立第六中学校。戦前は「六中」で通っていたが、現在は東京都立の新宿高校だ。

第84回
山口高校は、県庁所在地の山口市にある県立高校だ。明治以来150年余の校歴を誇り、政財界の大物を送り出してきた。ソニーグループの新社長に、この4月1日付で就任した十時裕樹が出身だ。会長兼社長を務めていた吉田憲一郎(鹿児島県立鶴丸高校卒)は代表権のある会長に就き、最高経営責任者(CEO)を引き続き兼務する。

第83回
『坊っちゃん』『坂の上の雲』の小説やNHKスペシャルドラマの舞台になったのが、愛媛県の県庁所在地である松山市だ。その県都で藩校をルーツとし、多くの文人を輩出してきたのが愛媛県立松山東高校である。
