猪熊建夫
第122回
麻布高校は、東京・港区にある中高一貫6年制の男子校だ。「自由闊達そのもの」の校風を誇っている。日本の名門私学の典型であり、英国のイートン校やハロー校によく例えられる。キャリア官僚OBには、退官後も古巣の役所の応援を続ける「過去官僚」と、退官後は霞が関の中央官庁や官僚批判に走る「脱藩官僚」の2つがある。後者の立場を貫いて反骨の評論家になっている麻布OBを、まずは紹介しよう。

第121回
日本海に接し、石川県南部に位置する小松市。小松製作所や、歌舞伎の勧進帳の舞台となった安宅の関が知られている。小松高校は、1899年開校の県第四中学校をルーツとする伝統校だ。

第120回
浦和第一女子高校は、埼玉県庁が置かれているさいたま市浦和区の住宅地の中にある県立高校だ。全国の公立の女子高で校名に「第一女子」を使っているのは、ここだけだ。通称「一女」で通っており、名門の女子校だ。

第119回
江戸時代から商業都市として栄えた鳥取県米子(よなご)。この地に1899年、鳥取県第二中学校が創立された。米子東高校の前身であり、鳥取西高校、倉吉東高校と共に、鳥取県の公立御三家に数えられてきた。略称は「米東(べいとう)」だ。

第118回
三重県東部にあり、伊勢神宮の鳥居前町として江戸時代から発達した宇治山田市。現在は伊勢市になっている。この地に三重県立四中として設立されたのが、現在の県立宇治山田高校だ。

第117回
神奈川県のほぼ中央に位置し、相模湾に面する平塚市。東海道五十三次のうち日本橋から7番目の宿場町として徳川時代から栄えていた。神奈川県立平塚江南高校は、公立としては県内2番目に設立された旧制高等女学校を前身とする。略称は「江南」だ。

第116回
高度経済成長期の1961年に創立された島根県立の高校だ。令和時代に入り、理数科を廃止し「探究科学科」が新設され、「南高新時代」が始まっている。東京・霞が関といえば中央官庁の集積地として知られるが、そのキャリア官僚の間では松江南高校は、ちょっとした有名校だ。卒業生の中から藤井秀人、太田充という2人の財務事務次官経験者を、出しているからだ。

第115回
安房(あわ)高校と呼ぶ。千葉県の房総半島南部・館山市にある県立の伝統校だ。「文武両道」の校訓を体現している高校だ。

第114回
明和高校は名古屋城のすぐ東、名古屋市東区の官庁やオフィスビル、高級住宅地が立ち並ぶ一等地にある。尾張藩の藩校「明倫堂」をルーツとする伝統校だ。

第113回
埼玉県新座市にある中高一貫の私立男子校だ。学校法人立教学院が設置する一貫校で、キリスト教に基づく人間教育を建学の精神としている。メディアによく登場する才能あふれた卒業生が多い。

第112回
天然の良港である清水港を持ち、漁業と観光で栄えた静岡市清水区。清水東高校は旧制時代からここに立地した。この10月28日には、創立百周年の記念式典を開く。通称は「清高」だ。Jリーグ(日本プロサッカーリーグ)は、2023年で創設30年となった。そのJリーグで6代目チェアマン(理事長)に就いている野々村芳和(1972年生まれ)が、清水東高校の卒業だ。

第111回
大阪市浪速区の繁華街のど真ん中にあるのが、大阪府立今宮高校だ。東側700メートルには、観光名所の通天閣がある。お世辞にも文教地帯とは言えないが、この高校には前身の旧制今宮中時代から続く熱量があふれているようだ。

第110回
福岡県南部の筑後平野に位置する久留米市。江戸時代には有馬家久留米藩21万石が領した城下町だった。明善高校は、その藩校・明善堂が由来の福岡県立高校だ。

第109回
いかにも北海道、というのびやかな景観なのが北海道東部の十勝地方だ。畑作地や放牧地がどこまでも続く雄大な平野が広がる。その中心都市・帯広市にある北海道帯広柏葉高校は2023年が創立100周年で、10月7日に記念式典を開く。「歌姫」が2人、巣立っている。中島みゆきと吉田美和だ。この2人の実力派シンガーソングライターの存在が、帯広柏葉高校の名をひときわ高くしている。

第108回
東京の南西部にあり、23区で最多の人口を抱える世田谷区。その住宅地の中にある世田谷学園は、6年制中高一貫教育の私立男子校だ。曹洞宗をバックにしており、柔道で多くの五輪メダリストを輩出する一方、進学校としても定評がある。

第107回
宮崎県の南西端・都城盆地の中にあるのが宮崎県立都城泉ヶ丘高校だ。都城市の人口は16万人弱で宮崎市に次ぐが、幕末までは薩摩藩の「私領」だった。このため現在でも、薩摩藩が残した文化が色濃く残っている。

第106回
京都市右京区の嵯峨野地域といえば、有名寺院が連なり京都観光には欠かせないエリアだ。その中にある京都府立の進学校が嵯峨野高校だ。

第105回
横浜市青葉区の郊外に広大な校地が広がる。1学年が700人を上回る大規模私立高校だ。スポーツで有力選手や指導者を多数、輩出する一方、個性的な文化人も巣立っている。ラグビー部が強い。毎年の年末から正月にかけて行われる全国高校ラグビーフットボール選手権大会(大阪府東大阪市・花園ラグビー場)には、20回出場し、2010、19、20年度の大会で全国優勝している。

第104回
六甲の山々を背にした兵庫県西宮市の岡田山と呼ばれる小高い丘の上に、中学から大学院までの神戸女学院のキャンパスが広がっている。150年弱の校歴をバックにキリスト主義教育を実践、「お嬢様学校」としてのブランドにも磨きをかけてきた。学力も急伸し、難関大や医学部合格者が増えている。

第103回
北海道中南部の太平洋に面し、人口17万弱で道内4番目の苫小牧市。工業都市、港湾都市だ。この地に根ざす伝統校が、北海道立の苫小牧東高校だ。ノーベル賞学者を出す一方、オリンピアンを多数輩出し、文武両道を体現している高校だ。
