猪熊建夫
第110回
福岡県南部の筑後平野に位置する久留米市。江戸時代には有馬家久留米藩21万石が領した城下町だった。明善高校は、その藩校・明善堂が由来の福岡県立高校だ。

第109回
いかにも北海道、というのびやかな景観なのが北海道東部の十勝地方だ。畑作地や放牧地がどこまでも続く雄大な平野が広がる。その中心都市・帯広市にある北海道帯広柏葉高校は2023年が創立100周年で、10月7日に記念式典を開く。「歌姫」が2人、巣立っている。中島みゆきと吉田美和だ。この2人の実力派シンガーソングライターの存在が、帯広柏葉高校の名をひときわ高くしている。

第108回
東京の南西部にあり、23区で最多の人口を抱える世田谷区。その住宅地の中にある世田谷学園は、6年制中高一貫教育の私立男子校だ。曹洞宗をバックにしており、柔道で多くの五輪メダリストを輩出する一方、進学校としても定評がある。

第107回
宮崎県の南西端・都城盆地の中にあるのが宮崎県立都城泉ヶ丘高校だ。都城市の人口は16万人弱で宮崎市に次ぐが、幕末までは薩摩藩の「私領」だった。このため現在でも、薩摩藩が残した文化が色濃く残っている。

第106回
京都市右京区の嵯峨野地域といえば、有名寺院が連なり京都観光には欠かせないエリアだ。その中にある京都府立の進学校が嵯峨野高校だ。

第105回
横浜市青葉区の郊外に広大な校地が広がる。1学年が700人を上回る大規模私立高校だ。スポーツで有力選手や指導者を多数、輩出する一方、個性的な文化人も巣立っている。ラグビー部が強い。毎年の年末から正月にかけて行われる全国高校ラグビーフットボール選手権大会(大阪府東大阪市・花園ラグビー場)には、20回出場し、2010、19、20年度の大会で全国優勝している。

第104回
六甲の山々を背にした兵庫県西宮市の岡田山と呼ばれる小高い丘の上に、中学から大学院までの神戸女学院のキャンパスが広がっている。150年弱の校歴をバックにキリスト主義教育を実践、「お嬢様学校」としてのブランドにも磨きをかけてきた。学力も急伸し、難関大や医学部合格者が増えている。

第103回
北海道中南部の太平洋に面し、人口17万弱で道内4番目の苫小牧市。工業都市、港湾都市だ。この地に根ざす伝統校が、北海道立の苫小牧東高校だ。ノーベル賞学者を出す一方、オリンピアンを多数輩出し、文武両道を体現している高校だ。

第102回
中央大学附属高校は東京都の西郊、小金井市にある男女共学の中高一貫校だ。中央大学が擁する4つの付属高校の一つだ。校則などない「自由」な校風が自慢で、卒業生は多方面で活躍している。略称は「中附」だ。

第101回
大阪市の南部・天王寺区にある国立大学の付属高校だ。「校舎」という異な表現は、正式な学校名だ。「自由」な校風で知られる。「iPS細胞」(人工多能性幹細胞)を初めて作製し、再生医療・創薬開発への道を開いた京都大教授・山中伸弥が、2012年にノーベル医学生理学賞を受賞した。数年にわたるコロナ禍の過程で、山中は時宜を得た警句を発し、存在が改めてクローズアップされた。その山中が卒業したのが、大阪教育大学附属高校天王寺校舎だ。

第100回
瀬戸内海に面し、四国の西北部に位置する愛媛県新居浜市。背後に旧別子銅山を抱え、住友グループの企業城下町として知られる。その臨海工業都市にある県立新居浜西高校は、100余年の校歴を誇る伝統校だ。卒業生の中から2022年、芥川賞作家が誕生した。07年3月卒の高瀬隼子(じゅんこ)で、『おいしいごはんが食べられますように』が第167回芥川賞の受賞作だ。生き方の異なる20代後半の男女3人を中心に職場の人間模様を描いた作品だ。

第99回
世界に雄飛する音楽家を輩出している桐朋女子高校。音楽科より先に開設されている普通科でも、社会の各方面で活躍する女性をたくさん送り出している。まずは今、輝いている卒業生を3人、紹介しよう。

第98回
東京23区に接し、住環境の整った調布市。学校法人桐朋学園の音楽部門は、高校から大学院大学(富山市)まである。高校の校名には「女子」がついているが、男女共学だ。世界に挑戦する才能あふれる卒業生を、数多く送り出してきた。桐朋女子高校と言えば、指揮者の小澤征爾の名が反射的に出てくる。シカゴ、ウィーン、ボストン、ベルリンなど欧米やNHKの楽団などで次々と指揮をとり、2008年には文化勲章を受章した。

第97回
福島県の北東部にある福島市。県庁所在地ではあるものの、人口は28万人弱で県下3番目だ。県立福島高校は、1898年に開校した県第三尋常中学校を前身とする伝統校だ。

第96回
野沢北高校は長野県東部の、群馬県と隣接する佐久市にある県立高校だ。個性あふれ、機知に富んだ卒業生を多数、育んできた。活躍ぶりが目立つ卒業生を3人、紹介しよう。

第95回
広島「みなみ」高校という。広島市南区にある。1901年創立の県立広島高等女学校を前身とする。戦後の学制改革で新制・広島皆実高校になった。「文武両道」が徹底している高校だ。

第94回
三重県北西部の伊賀市は江戸時代、藤堂藩の城下町で、伊賀忍者の里、松尾芭蕉生誕の地などとして知られている。三重県立上野高校は伊賀上野城の南にあり、1899年に開校した県立第三中学校を前身とする伝統校だ。

第93回
洛南高校は、全国に鳴り響く進学校だ。その一方、スポーツの強豪校としても知られる。京都駅の南西1キロに、弘法大師・空海ゆかりの東寺(教王護国寺)がある。その境内にある中高一貫の私立高校だ。

第92回
6年制中高一貫の私立男子校で、「自調自考」を校是としてきた武蔵高校(東京都練馬区)。学者・文化人として活躍した卒業生も、たくさん輩出している。

第91回
武蔵高校は東京・練馬区にある中高一貫の私立男子校だ。2022年に創立100周年を迎えた。英国のパブリックスクールを参考にした学校だ。「自ら調べ自ら考える」ことを、校是としてきた。麻布、開成高校と共に東京の「私立御三家」の一角を占めてきた。
