アセアンの成長に投資できる35本のファンドはこれだ！

投資信託を使えば、1万円程度からアセアンの株式や債券に投資することもできる。どんな投信があり、購入時にはどんなことに気をつければいいのかをリッパ―・ジャパンのファンドアナリストの篠田尚子さんに教えてもらおう。

インドネシア関連の投信が増えているが…

　リッパー・ジャパンのファンドアナリストの篠田尚子さんによると、最近、アセアン関連ファンドの設定が増えている。とはいえ、アセアンが注目されたのは、これが初めてではない。

 「2006～2007年頃にも、アセアンが注目され、投信の設定が相次ぎました。当時は株式ファンドが中心でしたが、今は債券ファンドが中心。それもほとんどが毎月分配型で、中にはアセアンのハイ・イールド債に投資をするものや、アセアンの通貨やアジアの通貨バスケットで為替ヘッジする通貨選択型ファンドといった、リスクの高いものも出てきています」（篠田さん）

　国別では、インドネシアに投資するものが多い。

 「昨年12月に、格付け会社のフィッチが、インドネシア国債の格付けを投資適格に引き上げたことも影響しているのでしょう。これは、ブラジルが格上げされ、その後、ファンドの設定が相次いだことと似ています」（編集部注：2008年4月にS&P、5月にフィッチが格上げ）

　そのブラジルでは、債券市場に大量の海外マネーが流入し、急激なレアル高を招いたことから、レアル高を抑制するべく金融取引税（IFO）が導入されたという経緯がある。

 「アセアンでも、為替や債券市場に過熱感が出れば、政府はそれを抑制するための対応策を打ち出す可能性もあります」

　アセアンに投資するファンドには、地域全体に投資するものも、特定国に投資するものもある。

　どちらを選ぶかは「好みの問題」（（篠田さん））だが、「アセアンは各国の状況も抱えるリスクもさまざま。それを双方に補う構図ができています。そう考えると、分散してこそ力を発揮するとも言えるかもしれません」。

　まずは、複数国に投資するファンドを買い、値動きに慣れたら特定国のファンドを買うという方法もありだろう。

　ファンドを選ぶ際は、運用効率を考えると、ある程度の純資産残高があるものが望ましいが、新興国だけに残高が少ないファンドも多い。

 「純資産残高が小さい場合は、運用履歴が長く、どんな局面でどんな運用をしたか、確認できるものを選ぶといいでしょう」（篠田さん）

（取材・文／大山弘子、渡辺賢一）

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