ウィズコロナ銘柄やアフターコロナ銘柄の賞味期限は間近?
新型コロナの感染拡大で大きな打撃を受け、株価が今もなお激しく下落している業種があります。例えば、資源や外食、インバウンドや旅行、設備投資関連や金融セクターなどです。株価の年初来推移は鉱業・空運で4割、鉄・海運で3割、不動産・銀行で2割を超える下落となっています。
私が銘柄を助言するDFRポートフォリオは長期投資の精神に則り「投資とは応援である」の立場を鮮明に押し出してきました。そのためポートフォリオの中には足元の業績が厳しい銘柄も存在するため、いわゆるウィズコロナ銘柄やアフターコロナ銘柄と比べて際立ったパフォーマンスを上げられていません。
今の現象は、ヘッジファンドをはじめとする短期収益を求める外国人投資家や機関投資家が足元の業績が悪いセクターを叩き売り、コロナの影響を受けにくい業種に資金集中させることにより生じているのでしょう。特需期待のITや半導体、医薬品やドラッグストア、スーパーや宅配などの巣篭もり消費関連も然り。ストックビジネスを中心に業績変動が小さい企業も買い進められています。しかし、今の状態はいつまで続くでしょうか? 私は早晩続かないと考えています。
今なすべきは、日常に戻ることを想定し、仕込むこと
現在、長期投資家にとっては悔しい時期かもしれません。ビジネスモデルがユニークで収益力が高く、長期に渡って成長が見込まれる企業がコロナによって活動が停滞し、本来の業績を出せない状態にいます。その結果、株価が低迷し、パフォーマンスが冴えない。長期投資家にとって歯がゆい展開が続いています。
いっそ、随分割高に感じるけど、今からでもコロナ銘柄に乗り換えた方がいいのではないか。そんな弱気なことを考える長期投資家もいるかもしれません。いや、そうではないのです。むしろ、今のパフォーマンスの低迷こそ、次の株価上昇をとらえるための好機と捉えるべきなのです。
私は長年のファンドマネジャーの経験から、今、為すべきはコロナメリット銘柄を高値で仕込むことでなく、むしろ、経済活動や生活が通常に戻ることを想定した投資行動を行なうことだと考えます。私たちは永遠にマスクやフェイスガードをつけ続けるのでしょうか。いや、そうではないはずです。
コロナ終息後、DFRのパフォーマンスは現状の1.4倍を想定
コロナメリットのある銘柄を買った投資家のパフォーマンスは、赤い点線で描かれたように感染症の終息を織り込むにつれて厳しいものとなるでしょう。一方、経済が委縮しているため落ち込んでいるDFR銘柄は、青い実線のように、終息の兆候が見えるにつれて株価は急回復すると考えています。
今後1年間でDFRポートフォリオのパフォーマンスは1.4倍程度になると予測しています。一方、コロナメリット銘柄のパフォーマンスは、今年は1.2倍までいくかもしれませんが、来年は0.9倍になると予測し、DFRポートフォリオのパフォーマンスと反対の軌跡をたどるでしょう。
投資で勝つためには、本能の逆をやる必要があります。つまり、今、怖いという気持ちを抱きつつも、あえて業績が悪いものに手を差し伸べるのです。恐怖に打ち勝つことで大きなリターンが得られるのです。私は平時に長期成長が見込まれる銘柄を発掘し保有するという戦略を堅持し、今から1年後のパフォーマンスを見据えてポートフォリオを構築しています。
(DFR投資助言者 山本潤)
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