金利のある世界が、2024年の日本に到来する。16年から続くマイナス金利の解除に日本銀行が踏み切れば、銀行は超低金利の呪縛から解放される。ただし副作用も伴う。金利が上がれば債券価格が下落し、有価証券の評価損が拡大する。預金や貸し出しの競争が本格化し、弱小銀行の淘汰も進む。金利のある世界への転換は、格差時代の幕開けでもあるのだ。特集『金利で明暗! 銀行絶望格差』では、金利で明暗が分かれる「銀行絶望格差」の実像を描く。
#1 1月4日(木)配信
地銀100行「益出し余力」最新ランキング!“金持ち地銀”1位は京都、“貧乏地銀”のダントツ1位はSBIの提携先銀行
地方銀行の格差が拡大している。金利上昇局面で保有債券の含み損が拡大し、損切りできた銀行と、含み損を抱えたままの銀行があるからだ。そこで地銀100行の最新決算から、有価証券を売却してどれだけの利益を捻出できるかを示す「益出し余力」を算出。資金が潤沢な「金持ち地銀」とそうではない「貧乏地銀」との格差が明らかになった。
#2 1月5日(金)配信
大阪で地銀が熾烈な「貸出金利のたたき合い」抗争!金利上昇の中で島根の“殿様地銀”が仕掛ける消耗戦
国内の金利上昇で中小企業への貸出金利が上がり、地方銀行の本業である預貸ビジネスが復活する――。多くの地銀業界関係者は今、そんな淡い期待に胸を膨らませている。だがそれとは裏腹に、大阪では熾烈な金利の“たたき合い”が勃発。その背景には、島根の“殿様”地銀の存在があった。
#3 1月9日(火)配信
メガバンクの社内序列が金利上昇で激変!台頭するのは冷や飯を食わされていた「あの部門」
金利上昇の影響が及ぶ範囲は、預貸ビジネスなどの事業だけにとどまらない。多くの銀行員にとって最大の関心事である、出世の定石にも影響を与えそうだ。そこでメガバンクの社内序列をおさらいし、2024年前半にも訪れる「金利のある世界」で、新たに台頭する部門はどこかを探った。
#4 1月10日(水)配信
銀行が「金利上昇の年」でも決して安心はできない理由、メガバンク&大手地銀への利益影響を実名試算!
金利上昇の恩恵を最も受けるといわれる銀行業界。そこで、二つの金利上昇ケースを想定し、メガバンクと大手地方銀行の純利益に与える影響を実名つきで試算。金利が追い風になる銀行と、影響が限定的な銀行が明らかになった。さらに17年前の金利上昇局面と今の業界勢力図を比較すると、銀行が金利上昇の追い風に乗れないもう一つのシナリオに、現実味が増す理由も分かった。
#5 1月11日(木)配信
金融庁が「外貨建て保険」の販売に疑惑の目、販売停止相次ぐ銀行窓販の地殻変動
海外の金利上昇により銀行窓口での外貨建て保険の販売が好調だが、苦情の多さや回転売買を行っているのではないかとの疑惑が浮上。金融機関に対する金融庁の視線が厳しくなり、販売停止を決断する銀行が増えている。一方、国内の金利上昇により円建ての保険にシフトする銀行も見られ、銀行窓販(窓口での保険販売)に地殻変動が起きつつある。
#6 1月12日(金)配信
【北海道・東北編】全国地銀の次期頭取を総予測!バブル後入行組の50代頭取が続々誕生へ
全国の地方銀行で頭取の世代交代が進んでいる。ダイヤモンド編集部は、47都道府県の全地銀を対象に次期頭取を予想した。次世代を担う“新しい地銀のリーダーズ”は誰か。まずは北海道・東北編からお届けする。
#7 1月15日(月)配信
大相続時代に地銀が直面する「預金流出」の衝撃!今後30年で家計資産が流出する県とは?
相続によって今後30年間、日本全国の金融資産はどのように移動するのか。三井住友信託銀行が試算し、公表したレポートは衝撃的だ。地方銀行各行は、預金流出という最悪の事態へ備える対策が急務となりそうだ。
#8 1月16日(火)配信
京都銀&滋賀銀で新頭取誕生、南都銀も禅譲間近か…世代交代が進む近畿の地銀で「再編第2幕」へ
2023年、近畿2強の京都銀行と滋賀銀行で新頭取が誕生し、奈良県の南都銀行も禅譲は秒読み。そんな世代交代が進む中で、にわかにささやかれ始めたのが再編第2幕だ。金利上昇により地方銀行間で拡大する格差が、再編機運を高める構図が浮かび上がる。
#9 1月17日(水)配信
【関東・北信越編】全国地銀の次期頭取を総予測!横浜銀発の「クーデター」で生え抜き復権か
地方銀行界の東の横綱、横浜銀行で旧大蔵省OBのトップ人事が行われていたのはつい数年前のことだ。だが生え抜きによる「クーデター」によりその慣行は終焉。他の地銀でも天下り頭取は姿を消しつつある。関東・北信越の地銀の次期頭取候補を予想し、天下り頭取が絶滅危惧種となる理由を探った。
#10 1月18日(木)配信
【独自試算】銀行員の年収は金利上昇で上がる?下がる?主要22行の3年後年収を大予想!
金利上昇は銀行の業績にダイレクトに響く。そこで統計専門調査会社の協力の下、業績が年収に連動することを前提として、主要22行の3年後の年収を大胆予想した。果たして銀行各行の年収は上がるのか。
#11 1月19日(金)配信
銀行員も初体験!?「金利上昇」を超解説!貸出金利はどうやって決まる?
日本銀行の政策金利は、長年ゼロ近辺で推移してきた。マイナス金利の解除、ゼロ金利の解除でようやく金利のある世界も見えてきたが、そのとき、企業への貸出金利はどう上がっていくのか。超基本のメカニズムと波乱要因を解説する。
#12 1月22日(月)配信
愛知の地銀界に異変、名古屋銀行の頭取人事で浮かび上がる「再編機運」の正体
金利上昇もどこ吹く風、愛知県では“名古屋金利”と称されるほどの熾烈な低金利競争が続いている。そんな金融激戦区で、愛知銀行&中京銀行の統合に次ぐ再編機運が加速している。名古屋銀行の頭取人事をひもとくと、その正体が浮かび上がった。
#13 1月23日(火)配信
【東海・近畿編】全国地銀の次期頭取を総予測!名古屋、大垣共立、但馬…創業家パワーはいまだ健在
地方銀行の創業家でよく知られた存在が岡野家だろう。スルガ銀行の経営を支配し続けたが、2018年の不正融資発覚でその影響力は排除された。だが全国には、今も創業家が絶大な権力を持つ地銀は多い。東海・近畿地方の次期頭取を予想する。
#14 1月24日(水)配信
地銀「自己資本耐久力」ワーストランキング!金利上昇で国債含み損増のワースト1位は?【独自試算】
金利上昇局面では国債の価格は下落し、評価損を抱えることになる。そこで全地方銀行100行を対象に、国債の金利が上昇した場合のリスクを試算。健全性を維持する自己資本額の過不足を算出し、「自己資本耐久力ワーストランキング」を作成した。
#15 1月25日(木)配信
【中国・四国・九州・沖縄編】全国地銀の次期頭取を総予想!ふくおかvs山口、覇権競うメガ地銀にトップ人事の格差
九州や中国地方で覇権を競うメガ地方銀行グループがふくおかフィナンシャルグループと山口フィナンシャルグループだ。いずれも傘下に複数の銀行を持つが、トップ人事や統治の手法に違いが表れている。その違いを明らかにしつつ、中国・四国・九州・沖縄の地銀の次の頭取候補を予想する。
#16 1月26日(金)配信
本当に頼れる信金・信組ランキング【254信金・140信組全網羅】各2位は大阪商工信金とあすか信組、1位は?
日本全国の信用金庫254、信用組合140を対象に、収益力・効率性、財務の健全性、地域密着度・融資積極性を測る7指標で独自に点数化。独自「格付け」ランキングを作成した。本当に頼れる信金・信組はどこか。
番外編 1月29日(月)配信
金利上昇でダメージが大きい企業ランキング【ワースト50社】6位楽天、1位は?
貸出金利の上昇により銀行が利益を得る裏で、事業会社の負担は増す。特に有利子負債が大きい企業ほど、金利上昇時の負担額は跳ね上がることになる。金利上昇の衝撃度をランキングにした。
番外編 1月30日(火)配信
京都FG土井社長が明かす「含み益8000億円」の使い道、他行買収の考えは?
8000億円に迫る含み益を抱える京都銀行を傘下に持つ京都フィナンシャルグループ(FG)。この余力は、地方銀行100行中トップだ。果たしてこの余力をどのように使うのか。2022年度まで京都銀行頭取を務めていた京都FGの土井伸宏社長に話を聞いた。
番外編 1月31日(水)配信
紀陽銀行の「大阪地元化計画」進行中!取り付け騒ぎを経て得た和歌山の地銀の“秘策”とは?
和歌山県の紀陽銀行が、隣接する大阪府に進出したのは73年前のことだ。近年、他県の地方銀行も大阪に進出し競争環境は厳しさを増すが、紀陽銀行は今後も貸出先シェアを伸ばせると豪語する。そのための秘策は何か。原口裕之頭取に聞いた。
番外編 2月1日(木)配信
滋賀銀行の久保田頭取が抱く危機感、「“京都銘柄”の投資があるうちに収益力強化を急ぐ」
滋賀銀行はここ数年続く県内の底堅い資金需要の恩恵を受け、業績堅調。2023年9月末時点で、保有する有価証券の含み益も1820億円あり、財務基盤は強固だ。その強みをどう生かすのか。23年6月に就任した久保田真也頭取に、話を聞いた。
番外編 2月2日(金)配信
南都銀行頭取に直撃、「大阪攻め」へ他行連携の可能性と世代交代の時期は?
奈良県の第一地方銀行である南都銀行には、周辺地銀から熱い視線が注がれている。就任から8年が経過した橋本隆史頭取の交代が近づいていること、さらに大阪府への進出を強化していることがその理由だ。事業環境の見通しと共に、橋本頭取に話を聞いた。
Key Visual by Noriyo Shinoda, Kanako Onda