JAグループが緊急事態に陥っている。金融事業の収益の悪化や職員の大量離職により、黒字経営が見通せない地域農協が増えているのだ。衰退の要因は昭和の時代に出来上がった時代遅れの事業構造が温存されていることだ。ニーズが減っている共済(保険)や新聞、雑誌などを扱う各上部団体が、販売目標を農協に割り振り、現場の職員に過大なノルマの達成を求める “職員搾取”のビジネスモデルは限界を迎えている。特集『組合長165人が“辛口”評価 JA上部団体の通信簿』では、4月8日(月)から5月28日(火)までの全17回で、農協役職員アンケート(有効回答数434人)の結果に基づき、農協組合長らによるJAグループの上部団体への評価を大公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)
#1 4月8日(月)配信
「JA全中は不要」農協組合長・役員ら160人の46%が回答!会長の定年延長で総スカン
全国に約500ある地域農協を束ねるJA全中が迷走している。農協法改正で、農協への監査権限などの特権を失い、解体の憂き目に遭ってから、存在意義を見いだせていないのだ。農協役職員アンケートの結果に基づき、全中に対する農協からの支持率や、組織として必要とされているかどうか、会長の定年を延長したことへの是非などを明らかにする。
#2 4月9日(火)配信
JA共済連は農協職員の7割が支持しない「嫌われ者」、それでも組合長からは重宝される理由
農協職員が営業ノルマを達成するために、本来不要な共済(保険)を契約する“自爆営業”が問題になった2022年以降、激震に見舞われているのがJA共済連だ。農協役職員アンケートの結果に基づき、共済連に対する農協からの支持率や“辛口”のコメントなどを大公開する。共済連への評価において、「農協幹部」と、「農協職員」との間に、埋め難い“格差”があることが浮き彫りになった。
#3 4月10日(水)配信
農林中金がJAの「赤字転落」を引き起こしても、農協職員からの支持率トップに輝く理由
農林中央金庫は全国の農協が集めた貯金を預かり、その運用益を還元してきた。だが、近年の運用環境の悪化により、農林中金から農協への“ミルク補給”は減少し、赤字に転落する農協が続出した。農協役職員アンケートの結果に基づき、農林中金に対する農協からの支持率や“辛口”のコメントなどを大公開する。農協の“大幅減益”を引き起こした農林中金が、それでも農協職員からトップクラスの支持を集める理由とは。
#4 4月11日(木)配信
「農業商社No.1」JA全農への農協組合長の支持率が40%と低迷する真因とは?コメリへの乗り換え続出!
JAグループで商社機能を担うJA全農は、農家の所得向上の鍵を握る組織だが、農協関連事業を強化したい農協からの期待には応えられていないようだ。全農との取引を、農業資材を扱うコメリに切り替える農協が相次いでいるのだ。農協役職員アンケートの結果に基づき、全農に対する農協からの支持率や“辛口”のコメントなどを大公開する。
#5 4月12日(金)配信
日刊32万部!JA機関紙「日本農業新聞」は農協幹部から高支持率だが職員からは不評…「御用記事は要らない」
「日本農業新聞」は、米価運動や、自由貿易反対の運動が華やかなりし頃、JAグループの機関紙として存在感を発揮した。だが、農政運動が下火になるにつれ、存在意義を失いつつある。農協役職員アンケートの結果に基づき、日本農業新聞に対する農協からの支持率などを大公開する。新聞の拡販を担っている農協役職員は辛辣な意見を持っているようだ。
#6 4月13日(土)配信
JAグループの出版社・家の光が農協職員から「5%」しか支持されない深刻な事情、強引拡販に強い反発
JAグループの出版社、家の光協会は、雑誌「家の光」で150万部超を誇った名門だ。農村の文化活動を後押ししたり、女性の地位を向上させたりする役割も担ってきた。だが、インターネットの普及で雑誌のニーズは減り、農協は雑誌を拡販させられることに不満を募らせている。農協役職員アンケートの結果に基づき、家の光協会に対する農協からの支持率や“辛口”のコメントなどを大公開する。
#7 4月14日(日)配信
JA共済連「“自爆営業”は農協の責任」と言い逃れに、組合長ら120人が過大ノルマの実態を暴露!
農協職員が営業ノルマを達成するために、本来不要な共済(保険)を契約する“自爆営業”や、契約者の利益にならない不正契約が発覚したことを受け、JA共済連は、共済契約の実態調査などに乗り出した。だが、農協はそうした共済連の是正策を評価していない。農協役職員アンケートの結果に基づき、農協ごとの共済の推進目標の決定方法や、2023年度の職員のノルマが軽減しなかった実態を明らかにする。
#8 5月19日(日)配信
JA全農・主要15部署への「農協役職員の支持率」ランキング!2位は畜産部門、1位は?
JA全農は、肥料、農薬、農機といった生産資材から、コメ、野菜、畜産物まで幅広く扱っている。これまで、商品軸で分かれている部署別の実力や、農協からの評価は一般的に知られることはなかった。農協役職員アンケートの結果に基づき、全農の主要15部署に対する農協からの支持率や“辛口”のコメントなどを大公開する。
#9 5月20日(月)配信
JA組合長の52%が「不要」と答えた都道府県の農協中央会、ついに“存亡の危機”!
JAグループの司令塔、JA全中の方針に基づき、地域の農協を指導してきたのが都道府県の農協中央会だ。かつては全中と同様に、農協への監査権限を持ち、権勢を誇ったが、近年は弱体化が著しい。農協役職員アンケートの結果に基づき、農協からの都道府県の農協中央会の支持率や、組織として必要とされているかどうかなどを明らかにする。
#10 5月21日(火)配信
農協組合長の50%が支持する“高評価”組織「JA信連」が農林中金より頼りになる理由
都道府県にあるJA信連(信用農業協同組合連合会)は、農林中央金庫と同様、農協から預かった資金を運用し、還元する役割を果たしてきた。不良債権の問題などで、農林中金に統合を余儀なくされた旧信連と違って、独立を保ってきた信連は健全な財務基盤を誇っていたはずだが、現在はどうなのか。農協役職員アンケートの結果に基づき、信連に対する農協からの支持率や“辛口”のコメントなどを大公開する。
#11 5月22日(水)配信
農業を牛耳る「陰の実力者」JA経済連、その都道府県別組織に対する農協組合長の評価は?
静岡県、愛知県など農業が盛んな県にあるJA経済連(経済農業協同組合連合会)は、県域の農業生産資材や農産物の流通を牛耳る“陰の実力者”だ。その影響力の強さ故に、賛否両論の声があるが、実態はどうなのか。農協役職員アンケートの結果に基づき、経済連に対する農協からの支持率や“辛口”のコメントなどを大公開する。
#12 5月23日(木)配信
JAの政治団体・全国農政連が弱体化!組織内議員に対する農協職員の支持率「わずか4~6%」
JAグループの政治団体、全国農政連(全国農業者農政運動組織連盟)は3年ごとの参議院議員選挙に組織内候補を擁立する他、農林議員らの選挙を応援することで政治力を発揮してきた。だが、近年は集票力が落ち、選挙運動に動員される職員にも不満がたまっていた。農協役職員アンケートの結果に基づき、全国農政連や、JAグループの2人の組織内議員に対する農協からの支持率、組織内候補を擁立することの是非などを大公開する。
#13 5月24日(金)配信
「酒飲んで帰る」「良い」評価真っ二つ!“農協監査士”を多数擁する「みのり監査法人」に対する農協の評価は?
2015年の農協法改正で、JA全中から農協の監査権限が剥奪されたことを受け、それまで全中で監査業務を行っていた職員や公認会計士らが設立したのが、みのり監査法人だ。当然、農協の監査では、シェアナンバーワンを誇る。農協役職員アンケートの結果に基づき、みのり監査法人に対する農協からの支持率や“辛口”のコメントなどを明らかにする。
#14 5月25日(土)配信
JAグループ上部団体は「身を切る改革を!」「不要事業から撤退せよ」農協役職員252人が真剣提案
共済、新聞、雑誌といった事業を行うJAグループの上部団体がそれぞれに営業目標を分配し、農協職員がノルマを達成する “上意下達”のビジネスモデルは限界を迎えている。農協役職員アンケートの回答者に、JAグループの事業構造の病巣や、その改善策について自由にコメントしてもらった。
#15 5月26日(日)配信
農協役職員が期待するJAグループ幹部ランキング!4位は農林中金・理事長、全中の会長は何位?
JAグループの改革をけん引するリーダーが不在といわれて久しい。人材が欠乏する中でも、農協の役職員から期待を集める経営者は誰なのか。農協役職員アンケートの回答者が選んだ、JAグループの次代を担うリーダーのランキングをお届けする。
#16 5月27日(月)配信
農協役職員が支持する政治家・政党ランキング!小泉進次郎と日本維新の会が「意外にも」人気
JAグループの選挙活動といえば、農協の既得権益を守ってくれる自民党の守旧派ばかりを応援しているイメージがあるが、農協役職員個人としては、どの政党や政治家を推しているのだろうか。農協役職員アンケートの回答者が支持する政党と政治家のランキングをお届けする。
#17 5月28日(火)配信
農協の役職員から支持率が最も高い上部団体は「病院」だった!JA全厚連の凄みとは
農協は全国で約100の病院を運営している。その運営主体である都道県のJA厚生連(厚生農業協同組合連合会)を束ねる全国組織がJA全厚連(全国厚生農業協同組合連合会)だ。農山村の医療サービスを担っているだけに、批判されることは少ない組織だが、実態はどうなのか。農協役職員アンケートの結果に基づき、全厚連に対する農協からの支持率などを明らかにする。
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