アップル、電力株…生成AI相場は第2幕、「人生で滅多に出会えない」相場のお宝銘柄の探し方Photo:PIXTA

2024年は生成AI導入「元年」と位置付けている。エヌビディアの独り勝ちばかりが目立った生成AI相場は、23年の「胎動」、24年の「試行錯誤」の暴走を経た。足元では、高成長分野ゆえの裾野が広がり、ニッチな領域の勝機も評価できるようになり、「元年」の第2幕に入ろうとしている。「人生でめったに出会えない」相場を享受したい。(楽天証券グローバルマクロ・アドバイザー TTR代表 田中泰輔)

ほんの一握りの生成AI銘柄が
米株価指数最高値更新をけん引

 米株式相場は一見して活況である。ニューヨークダウ、S&P500、ナスダックの主要指数の歴史的高値の更新が折々ニュースになる。しかし、もし2023年に生成AI(人工知能)という大テーマが浮上しなかったら、相場はどうなっていただろう。

 実は、23年中も、24年に入っても、増収増益で株式相場を牽引しているのは、ほんの一握りの生成AI銘柄である。そのトップ数銘柄で、主要指数中で何割もの比重を占めるため、多数の他銘柄の業績が今一つでも、主要株指数は上がる。

 金融引き締めによる高金利下では通常、株式投資は手控えられる。最近の株式指数に見る活況は、生成AI銘柄高のおこぼれといえる。AI以外の銘柄を買っても、平均的には、大したパフォーマンスを得られない。

 もっとも、通常一部に集中しすぎた相場ラリーは安定せずに倒壊しやすい。ところが生成AI相場は勝手が違う。牽引するのは世界最大最強のビジネス基盤を持つ企業、あるいは、強烈な生成AI関連需要が見込める企業群である。

 筆頭はAI用チップで独壇場のエヌビディア(以下NVDA)、巨大プラットフォーマーのGAFAM5社、すなわちアルファベット(GOOG)、アップル(AAPL)、メタ(旧フェイスブック=META)、アマゾン(AMZN)、マイクロソフト(MSFT)などだ。

 24年には、NVDA独壇場の相場が進むにつれ、GAFAM5社の中でも相場浮沈の枝分かれが生じた。その他の周辺銘柄にも浮沈が激しくなった。次ページ以降、この相場の変遷をたどり、24年の生成AI相場がどう変わろうとしているかを見よう。