
秋山進
出社かリモートかせめぎ合い…「全員同じ働き方」を求める日本企業の限界
コロナ禍がついに「終焉」し、リモートワークと対面ワークのせめぎ合いが発生しています。経営陣のなかには、かつてと同様の出社に戻したいという考えを持つ人もいますが、リモートと出社の適度なバランスを取りたいという人が多数派ではないでしょうか。それなのに自由な働き方が出来ないのはなぜでしょうか。

「外部の人の意見も聞こう」で行き詰まる根本的な5つの理由
組織の外部者が、その組織について語る場合、内部から強烈な否定的感情をぶつけられることがある。一方、内部者側としては、外部者の指摘が的外れで不快になる場合がある。外部者が何かを語る場合に、なぜ内部者側に否定的な感情が起こるのか考えてみよう。

ヌートバーが感動「たっちゃんTシャツ」に学ぶ、転職者の受け入れ方
WBCで侍ジャパンは米国出身のヌートバー選手をうまくチームの一員として迎えることができたのに対し、多くの日本企業は外部から入ってきた中途社員に対して、冷たいのではないだろうか。

日本企業は「組織力が強み」は過去の話、ニッポン沈没を防ぐ3つの処方箋
かつて「組織力」を武器に成長を誇った日本企業も現在は成熟から衰退へと転落し、その勢いは加速している。日本や日本企業が沈まないようにするには、何か手を打たねばならない。その処方箋を改めて考えたい。

新入社員への二大助言「スキル磨け」「好きなことやれ」、どっちが大事?
新入社員が入ってくる季節。新入社員に仕事のアドバイスをしなければならないが、これまでのビジネス社会とこれからの社会は相当違うものになるため、これまでの経験則が活かせるかどうかはまったくわからない。それを前提にしながら、今年の新人に向けてどのようにアドバイスするべきか解説しよう。

サッカー日本代表監督は、やはり変えるべきだった理由
先般話題になったサッカー日本代表の監督人事について、留任決定後、徐々に流れてきた関係者の発言などから推察すると、リスクと組織を主戦場とする私の立場からは、正しい決断であったのかについて疑義が残る。それは「コンティンジェンシープランの欠如」という大問題なのだ。

社長に「転職未経験者」を選ぶのはもうやめた方がいい理由
来期の新社長が報道されている。超大企業であっても50代が多く、だいぶん若返りが進んできた。しかし、伝統的大企業の新社長においては、ほとんどが生え抜き社員である。自社しか知らない。外国の現地法人や関係会社への出向経験などはあっても、よそで同じ釜の飯を食った経験がない。経験のバリエーションが決定的に乏しいと言わざるをえない。

営業のみなさん、商談前に「予習」しなくていいの?
会社にいるとひっきりなしに営業電話がかかってくる。会社の問い合わせアドレスには数限りない案内メールが入る。あるいは、知り合いから、ある人と会ってやってほしいと頼まれることもよくある。だが、実際に会ってみると全く中身のない面会で終わってしまう。会いたいと言ってきたはずの相手がまともに予習をしていないことがあまりにも多いためだ。なぜこうなってしまっているのだろうか。

社内分断の深刻化、花形部署の凋落…日本企業を待ち受ける経営課題2023
国内で新型コロナウイルスが初めて発見されてから、丸3年が経過、企業組織の在り方は様変わりした。多くの会社は4月が新年度のスタートであるから、現在は2023年度の事業計画がかなり固まってきた頃だと思う。そうした中で、予想される来期の組織づくりや課題のトレンドをまとめていきたい。

「出世を望まない」で生きられる人は、かなり幸せである理由
“積極的に出世をしたくない人“はかなり幸せである。社内外の評価や報酬のためにプレッシャーと対峙(たいじ)するよりも、自分のやりたいことだけをやっていた方がよいと割り切れるからだ。「80歳まで現役」が現実的になっている今、「出世」か「出世放棄」かの二択ではなく中間的な道もあることを知っておいたほうがよい。

「仕事の反省術」で、能力がそのままでも仕事の成功確率は格段アップ
最近のサッカーの試合後のインタビューでは「今日の試合でまた課題が見つかったので、そこを修正して次に臨みます」というのが決まり文句になっている。本場のヨーロッパで活躍する優秀な個が生まれてきた背景には、この振り返りによる課題の発見と修正の習慣化があると思われる。一般社会人の我々は、そのような習慣を持っているだろうか。サッカーの例に鑑みれば、いかに凡人の我々であっても、正しく振り返りができていれば、今の能力のままでも、もう少しましな仕事ができて、成果も上がるはずである。

サッカーW杯「解説者・本田圭佑」で日本中が感じた世代交代の重要性
カタールで行われたサッカーワールドカップは全試合の放送が行われたことで、多くの解説者の解説を聞くことができた。中には最新の動向(技術)に対する理解が浅く、自分がプレーしていた時代の昔のイメージでしか戦術の良しあしを論じることができない人もいた。視聴者のレベルが上がり、求められる解説のレベルも上がっているのにそれに応えられない人はもう不要ではないか。これはそのまま、ビジネスや会社組織にも同じことがいえる。

議論が白熱しない「オンライン会議」で生産性を飛躍的に上げる方法
本連載では過去2回にわたって、東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授と対談した。研究データに基づいた興味深い知見をうかがうことができた。その中でオンライン会議が議題にのぼったが、対談を振り返り、また私自身のこれまでの経験も踏まえて、オンライン会議についての個人的な見解を述べたいと思う。

「スマホ依存で人類絶滅」を脳科学者が本気で危惧する理由
オンラインコミュニケーションは脳にどのような影響を与えるのかをめぐって「脳トレ」や認知症の研究で知られる川島隆太教授と人気連載「組織の病気」の秋山進氏が対談する後編。前編では、脳の同期をテーマにリズムを使う効用やオンライン会議は脳が参加しないという事実が明らかになったが、後編では、スマートフォンによる言語コミュニケーションの阻害や、ICT漬けで人類はついに滅びへとかじを切ってしまったという教授の危惧、ICT教育構想のずさんさにまで話が及んだ。

「オンライン会議は脳にとって質の悪い紙芝居」脳科学者が訴える危険性
リモートワークは一部の会社では当たり前になったが、オンラインのみのコミュニケーションでは仕事に支障が生じると、リアルとのハイブリッドにしたり、リアルの割合を増やしたりする会社もある。オンラインコミュニケーションは脳にどのような影響を与えるのかをめぐって「脳トレ」や認知症の研究で知られる川島隆太教授と本連載『組織の病気』著者の秋山進氏が対談。前編ではなぜオンライン会議では脳が対面していると認識しないのか、脳の同期を使った場の盛り上げ方、聴衆をひきつけるテクニックなどの話題が出た。

組織の中には必ず過大評価される人がいる。このタイプは上手に敵を排除し、自分の立場を良くして、最終的には権力を握る。大勢の人から高い評判を得る。話も巧みなので、メディア受けも良い。ただし問題は、エネルギーのほとんどがいかに見せるかに焦点が当てられ、取り組む問題でさえ、他人にウケる耳になじみの良いことにのみ限定されがちなことだ。こうした人は経営が順調なときは良いが、構造改革を図らなければならない時代には向かない。このタイプを経営トップなど重要なポストに就ける動きがあればそれは危険である。

大企業が今育てるべき人材…プロデューサー、ディレクター、職人のどれ?
企業組織、特にものづくりの企業組織には大きく分けて「プロデューサー的」「ディレクター的」「職人的」の三つの人材タイプが必要だろう。それぞれ違う役割・仕事なので単純な比較はできないが、人材不足が深刻な今の日本企業にとって最も必要とされているのは「プロデューサー」だ。その理由と育成するために必要なことを解説する。

「部下のプレゼン能力が低すぎる」と嘆く管理職の残念な勘違い
プレゼン研修ではいろいろなことを習う。構成、シートの作り方、声の出し方、間の取り方。もちろん上手なほうがいいに決まっているから、練習に価値はある。しかし、ここにひとつ大きな疑問が生まれる。そもそも聞くほうの能力が高いのであれば、プレゼンそのものは本来それほどうまくなくても問題はないはずではないか。

「聞く力」を持つ人がやっている、聞くだけじゃない本当のこと
「聞く力」がある人とはどんな人か。実はその力を有していないにもかかわらず、「自分は聞く力がある」と本気で思い込んでいる人が存在する。単に人の話にじっくり耳を傾ければいいというわけではない。特にリーダーが持つべき本当の意味での「聞く力」について解説していこう。

リモート時代に評価される「優秀な管理職」の条件とは
リモートワークで直接会う時間が減り、会社に行ったとしてもフリーアドレスなため、同僚と直接会って、業務そのもの、業務に関係しそうな周辺の話題、その他いろいろなことについて情報交換する時間は激減している。このような状況下にあって、現在特にリーダーに求められる要件は一体何だろうか。
