カーゴニュース
ヤマト・佐川の「宅配便数」が前年割れ!日本郵便と明暗分かれたワケ〈2024上期・物流ベスト5〉
1969年創刊、物流・運輸業界関係者なら誰もが知る唯一無二の専門紙「カーゴニュース」が、毎週火曜・木曜に発行する最新号の中から、ダイヤモンド編集部が旬の話題をピックアップして「お届け」している人気連載「カーゴニュース発」。今回は、2024年上期(1~7月)に、特に読者の人気を集めたベスト記事、トップ5をランキング形式で紹介します。

宅配最大手ヤマト運輸を中核会社に持つヤマトホールディングスの業績が振るわない。企業向け物流と投函サービスの需要減により、通期の売上予想を下方修正した。利益面では時給単価や協力企業への委託費用が上がりコストがかさんでいる。一方、苦しい中でも、あえて通期予想を“死守”した数値目標とは?

宅配便業界で大手の“棲み分け”が進んでいる。かつては熾烈な競合関係にあったヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の3強だが、佐川と日本郵便、ヤマトと日本郵便がそれぞれ協業に動いたことで、「協調」路線に大きく舵を切った。とくに薄物小物の投函型サービスについては、日本郵便にサービスが集約され、各社とも得意領域に経営資源を集中する動きが加速している。また、ヤマト、佐川が相次いで「置き配」を“解禁”。今後、「置き配」が業界のデファクトスタンダードになることで、宅配便サービスのあり方が大きく変化していく可能性もある。

トラック業界で企業規模による景況感格差が拡大している。大手物流業者は価格改定、単価の上昇により、業績に改善傾向がみられる一方、中小トラック事業者は燃料費や人件費の上昇に価格転嫁が追い付かず、4月以降、倒産件数が前年比2倍で推移している。「2024年問題」がスタートして3カ月が経過し、「トラックGメン」をはじめ行政の監視強化も適正取引の追い風となっているが、大手と中小で明暗が分かれている。

道路貨物運送業者の倒産件数が4年連続で増加している。帝国データバンクによると、2024年上半期の件数から、このままのペースで推移すると過去の年間最多を更新する可能性があるという。その要因は何か。

2023年度のJR貨物取扱量に基づく「貨物駅ベスト20」を見てみよう。普段、私たちが目にする駅名ではない、珍しいランキングであること請け合いだ。

センコーグループホールディングス(本社・東京都江東区、福田泰久社長)は、2032年までに特定技能資格外国人ドライバーを100人採用する計画だ。まず、25年4月の第1期生受け入れを目指す。社内で設定したモデル事業所で受入ステップを構築し、グループ内へ水平展開する。当面は、グループ内の倉庫作業に従事する外国人技能実習生からの採用をベースとするが、将来的には海外からの特定技能資格ドライバー採用も視野に入れる。

セイノーホールディングス(本社・岐阜県大垣市)は6月19日、前日に発表した三菱電機ロジスティクスの買収に伴う今後の成長戦略についてオンライン説明会を開いた。その中で田口義隆社長は「さまざまなノウハウを有する三菱電機ロジスティクスと一緒になることで、“掛け算”が可能になる」と語り、セイノーグループが持つ国内有数の輸送力と三菱電機ロジのロジスティクス機能を融合させることで、多くの局面でシナジーを創出させることが可能だと強調。今後、三菱電機ロジをセイノーグループのロジスティクス事業における中核会社に位置づけていく方針を示した。

消費者庁の要請を受け、大手通販会社を中心に「送料無料」表示の見直しの動きが広がりつつある。消費者が通販やECサイトを選ぶ際、「送料無料」がインセンティブになっていることから「送料無料」の表示を廃止するケースはまだ少ない。通販会社が送料を負担している旨を表記したり、「送料無料」と表示しても、運賃が消費者の商品購入価格の中にから支払われていることを説明したりすることで、消費者の誤解を回避する対応を図っている。一方で、EC事業者を対象とした調査では、配送料の高騰を受けて、表示だけでなく送料そのものを見直さざるを得なくなってきた事情もうかがえる。

SGホールディングス(本社・京都市南区、栗和田榮一会長)は5月31日、C&Fロジホールディングス(本社・東京都新宿区、綾宏将社長)に対しTOB(株式公開買付け)を実施すると発表した。同日、C&FロジはTOBに対して賛同の意を表明、株主に対しTOBへの応募を推奨した。C&FロジにはAZ-COM丸和ホールディングス(本社・埼玉県吉川市、和佐見勝社長)がTOBを実施中で、物流業界初の「同意なき買収」として注目を集めたが、SGHDが実質的なホワイトナイトとして名乗りを上げたことで、状況が大きく動いた。

日本郵政グループの2023年度決算では、郵便・物流事業は686億円の営業赤字に沈んだ。事業環境の急激な変化を織り込み、現行のグループの中期経営計画を見直したが、25年度の同事業の営業利益を900億円にする秘策はあるのだろうか。

2023年度の宅配便大手3社(ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便)の取扱個数の合計が前年度比1.0%減の46億2900万個となった。3社のうちヤマト運輸、佐川急便の2社は前年割れとなり、日本郵便だけが前年実績を上回った。一昨年秋以降、原材料コストの高騰を背景に消費財を中心に商品価格の値上げが続き、消費マインドが冷え込んだことで、ECを中心に宅配需要にブレーキがかかった。24年度については、下期以降の需要回復を見込んでおり、年度トータルでは小幅な伸びにとどまりそうだ。

道路貨物運送業の1~4月の累計倒産件数が116件に達したことが東京商工リサーチの調査で分かった。同期間では、2011年以降で最多を更新したという。今、倒産が増えている原因とは?

物流最大手のヤマトホールディングスが発表した2024年3月期の決算は、減収減益となった。23年4月に宅配便の運賃を改定し「値上げ」したものの、業績が伸び悩んだのはなぜか。

サプライチェーンの異業種間でトラックのシェアリングが広がっている。トラックドライバーの時間外労働時間の規制が厳格化される「2024年問題」を機に、ドライバーの労働時間を短縮しつつ、トラックの稼働率を上げる効率化への要請が高まっているためだ。メーカー、卸、小売りそれぞれが持つトラックのキャパシティーを、業態の垣根を超えて有効活用する動きが加速してきた。

通販各社が物流の「2024年問題」を踏まえ、商品の再配達削減やゆとりを持った配達へのインセンティブ付与に本腰を入れ始めた。23年6月に政府が策定した「物流革新に向けた政策パッケージ」では、24年度中に再配達率を半減する目標を掲げており、昨年に引き続き4月を「再配達削減PR月間」とし、関係省庁や宅配、EC事業者等と連携し、再配達削減に向けた取り組みを推進している。「置き配」利用者にポイント付与する制度に関する実証実験も今秋をメドに実施予定で、消費者の行動変容促進が期待されている。

ヤマトグループとJAL(日本航空)グループは4月11日、ヤマトとして初の導入となる貨物専用機(フレイター)の運航を開始した。トラックの輸送力不足が懸念される「2024年問題」の対策となるもので、既存のトラック・鉄道による陸上輸送やフェリー輸送、旅客機の貨物スペース(ベリースペース)による輸送に加え、フレイター投入により輸送力を確保・増強するとともに、地産品などの輸送需要の取り込みも図る。まずは成田空港発など1日9便で3機を投入し、将来的にはさらなる増便や増機も視野に入れる。

ヤマト運輸(本社・東京都中央区、長尾裕社長)が6月10日から、個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」の会員を対象に、「宅急便」と「宅急便コンパクト」の受け取り方法に、新たに「置き配」を追加すると発表した。これまではEC事業者向けの配送サービス「EAZY(イージー)」で配送される荷物のみが置き配で受け取れていた。6月10日以降は主力商品の「宅急便」と「宅急便コンパクト」でも置き配を指定可能とすることで、利便性のさらなる向上を図る。また、再配達のトラック走行によるCO2排出量の削減や、ドライバー不足に対応した再配達の削減にも寄与していく考え。

国土交通省によると宅配便の再配達率は全国平均11.1%に達している。通販大手のジャパネットが取り組む、配送・設置品質の維持と運送業への負担を最小化する物流戦略を紹介する。

「2024年問題」や環境問題など、JR貨物を取り巻く外部環境は期待に満ちあふれている。しかし、赤字経営が続くなど同社を取り巻く現状は厳しく、期待と実態との乖離(かいり)が目立つ。JR貨物労組の高木康之委員長に、JR貨物の経営面や新人事制度の課題、24春闘の方針や結果についてインタビューした。
