長期投資家の常識として、景気の悪いときに株は買うものである、というものがあります。長期投資では、景気のよい時はそれほど無理しません。景気の悪い時、業績は大きく下振れします。
大きく下にブレる業績に比べて、株価はそれほど下には振れません。結果として、PERは高くなります。景気の良い時はその逆となります。PERは低くなります。
おやおや、景気が悪い時、PERは高い。そこは長期の買い場。景気がよい時、PERが低い。そこでは長期では買い場となりません。長期投資家の中には、長期だから景気がよい時も悪い時もずっと同じスタンスで通せる腰の入った方もいらっしゃるでしょう。
ただ、短期であっても長期であっても、それぞれの投資のタイミングは非常に重要です。どうせなら、株価が安い時に多めに買い、株価が高い時は様子見をする、というのが長期でのタイミングを重視する投資法になります。
色々な投資の教科書にはPERが低い株を買うのが正しいと書いてあると思います。一体、どちらが本当なのでしょうか。短期では正しいこの考えは、長期のサイクルでは正しくありません。
とてもややこしいですね。物事は単純では全くないものです。
とにかく、長期の投資家としてまず、投資手法の初歩の初歩は、長期スタンスでPERを使わないことです。長期投資家にとっては、PERは、一生涯、無縁でも困ることはありません。長期投資をする場合は、辞書からPERという語彙を削除してください。
これが成功する長期投資家への第一歩なのです。
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